表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある街の独白  作者: キシ ゲキセイ
2/9

1



私は街だ。


ただそこに在り、人々の生活の様をただ眺めている。


初めは1組の夫婦が私の上に住居を構えた。


畑を耕し、ヤギを飼い、5人のこどもを産み育てた。


そのこども達もやがて大人になり、それぞれの住居を持ち住まうようになった。


畑も広がり、牛やヒツジも飼うようになった。


私も、少しずつ成長していった。


私として認識できる感覚を、範囲を、どんどん広げていった。



気付けば、私は村になっていた。



私の上には13もの家が建っている。

中には商いを行なっているものもいる。


外からも人が訪れるようになった。


私も、この地が発展していくのを嬉しく思い、できるだけ肥えた土を産み、澄んだ水を湧かせた。


緑も良く生い茂り、畑の作物も立派な実をつけた。


私はそれを誇らしく思っていた。


豊かな土地に人は集まり、さらに発展していった。


交易が盛んになり、人々をまとめる役目を負うものが何人も変わっていった。


ある者は村に川の水を引く方法を考えた。

ある者は村の内外の道を整備した。

ある者は村の農作物を周りの村に売り出した。

ある者は村をまとめ、人を呼ぶ祭を企画した。

ある者は村に住む者への制度を編み出した。


そうして、いつしか私は街になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ