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【隠し階層9】ネームドモンスターの秘密

生存報告です。

半年以上も放置してすみません。



 


 地球の人口の多い国にバラ撒かれた資源ダンジョンは、放置すると『モンスターを地上に湧き出す』という危険な側面を持っていた。


 一定期間、モンスター討伐による魔石精製数が、特定数値未満であるとスタンピードと名付けられたモンスターの氾濫が起きる。


 モンスターの氾濫は、一階層から五階層までのモンスターが出現し、一定の範囲内で人々を襲う。



 中でも名前を持つ『ネームドモンスター』は通常のモンスターと違い知能があり、その影響下のモンスターも僅かな知能を有する。


 ネームドモンスターは通常の個体より、若干攻撃力が高く、耐久力はかなり高いモンスターである。


 しかし、ある程度下層を探索できる者は、それほど脅威にならない。



 ただ、スタンピードをさらに一定期間放置したダンジョンはどうなるのか?

 それは六階層から十階層のモンスターが氾濫しモンスターの支配圏がさらに広がることになる。



 ダンジョンの最下層には、稀にネームドモンスターが登場し、ドロップアイテムが多く貰える場合がある。



 最下層を探索できる者には、たとえ多数のネームドモンスターが現れても、時間がかかるだけで脅威とはならない。


 ところで、スタンピード兆候中に最下層にたどり着いた場合はどうなるのだろうか?




 ちょうど現実に、スタンピード兆候直前に探索者が最下層にたどり着いたので、その探索者達を観てみよう。





 ■□■□■□■□■



 第一ダンジョン、十九階層。



「同士セイ、同士ムーン、ここのトレントには慣れてきたか?」



「はい、リーダー」

「はい、僕はレベルが上がって29になりました」


「このシステムはおかしい。ボクはレベル39から変動がない。もっとゲームを見習うべき」


「そう言うな、同士南よ。ゲームの常識は通用しないが、我々だけの特別な物があるではないか」



 そう、この5人は全てが自己鑑定を持っていて、多彩なスキルを有し、自身にある『使用MP半減』のバッシブスキルまで把握してた。




 彼らの強みは、自己分析が正確であるとともに、スキルを連発出来ることにある。



 そしてリーダーは三度目、残りのメンバーは初めての最下層に挑み始めた。



「この階層はゴブリンジェネラルだ。闇撃のLV2がどうしても厄介です。今までの傾向から魔法攻撃はレベルの低い探索者が狙われやすい」


 リーダーの発言に、少し考えた後、北斗が意見する。



「リーダー、同士ムーンには自分に魔法防御を、同士南は同士セイに魔法防御を使いましょう」


「同士北斗の言を採用しよう。あと我はLV2の闇撃なら避けられるが、乱戦だとその保証はない。我も強化スキルを使用する」



 そこへ、4体のゴブリンジェネラルがやってきた。

「行くぞっ、加速!」

「はいっ、瞬足!」

「障壁」

「同士セイ、魔障壁」

「同士南、助かります」





 スキルを連発することによって、互角に近いモンスターを圧倒していくパーティだった。


 そして、本日このパーティは、後に響くひとつの失敗をした。



「あっ……リーダー、ボクはマジックポーション限界まで使っちゃったみたい」


「もう、そんなに戦ったか、休憩にするか、地上に戻るか……みんなマジックポーションの在庫はあるか?」


「在庫はあるし、まだ3回しか飲んでないから、あと2回いけます」


「僕は多分4回使いました」

「私も4回かな?」


 セイとムーンは使用したマジックポーションを数えてはいたが、南の様子をみて自信をなくしていた。


 時には、人の記憶は曖昧になる場合がある。


「なら近くのラストステージを目指すか」


 ゴブリンジェネラルを倒しながら、ひとつの階層にある4つの最終部屋を目指して進んでいく。


 ムーンに続き、セイがレベル30になったところで、最終部屋を印す扉を前にした。


 今回の探索、最後の戦いと確信したパーティは、ポーションが無駄にならないようリーダー以外はマジックポーションを飲まなかった。


 それほどみんなは、自分のMPに自信を持っていた。


 部屋に入ると、モンスターは見当たらない。


「階段はない、部屋の中央に行くと出現するパターンだ。我と同士ムーンで道を開く。そこから誘導してモンスターを集めるから同士南の最強魔法を使ってくれ」


「リーダー、了解」


 そして現れたのは、8体のゴブリンジェネラル。


 南は改めてリーダーの判断に感心した。

(まだ、余力があると言っても同士ムーン、同士セイにこの数はまだまだ厳しい。ボクの最強魔法を魅せるに相応しい展開)



 戦いが激しくなっていく中、リーダーと北斗がモンスターをひとまとめにする仕事を達成した。



「北斗ナイス、リーダー流石です。行きます! 土弾LV4!!」


 攻撃範囲が2メートルを余裕で超える南の魔法が炸裂した。



「よし! 同士セイ、同士ムーン。残りは2体だ、勝ちは確定だから、ここで強敵との経験を積んでくれ」



 リーダーの言葉通り苦戦しながらも、セイとムーンはゴブリンジェネラルを倒しきった。



「みんなお疲れ様。さぁ帰ろう」


 ここで最後の戦いを見ていた北斗は、ゴブリンジェネラルの

 目の色が変わったよう見えた。



 ただ、今それを言ったとしても、再確認する術もないことから、北斗は何も言わなかった。



「階段がでた……」


「二十一階は宝箱と出口しかない」



 階段を下り、宝箱を開ける。


 宝箱の中身は、10キロ(5セット)ものモンスター肉(特上)だった。


 このパーティーにとって、入手難易度は高くないドロップアイテムだが、それでも特上のモンスター肉は嬉しい。


 その喜びも、この直後に起きるイベント発生に気づくのが遅れる要因となる。



 それはある攻撃を受けてから気づくことになった。



 全員同時に攻撃を浴びて、視界に入ったのは8体ものモンスター。


 ヒュージスライムだった。

 通常、一階層から五階層のモンスターがネームドになるのだが、スタンピード準備期間と重なってしまい、六階層から十階層のモンスターであるヒュージスライムがネームドモンスターになってしまったのだ。


 あり得ない状態からの攻撃に、精神耐性のある探索者でもパニックに陥った。

 さらに、モンスターの頭上には名前が見えていて、8体のネームドモンスターの出現が恐怖を増長させる結果に繋がった。


 悲鳴を上げて逃げ出すセイとムーン。

 何をしていいか分からず、身構える北斗と南。

 対処法を考えるリーダーだが、答えが出た時はモンスターの触手攻撃第二弾が始まった。


「慌てるな! 落ち着けっ!! ネームドモンスターでも ゴブリンジェネラルより数段弱い! 落ち着いて対処しろ!」


 しかし、敵の弱さより、MP切れによりスライムの弱点である魔法攻撃が出来ないなことに頭がいき、混乱から脱出出来ない。



 リーダーが出来たことは、パニックになっている同士を庇うことだけだった。


 実質、北斗と南だけでヒュージスライムを倒さねばならない状態になっていた。



 8体のネームドモンスターを倒したとき、立ち上がる事が出来たのは、北斗と南だけだった。



 暫く呆然としていた2人だけど、リーダーがダンジョンに吸収され、装備を残しただけとなり、セイとムーンが倒れたままになっていたことから、初めて生きていて、気を失っていると気づいた。


 2人が生きていることに、歩く気力が復活した北斗と南は、2人を背負ってダンジョンを脱出した。


 …

 ……

 ………

 …………



 探索者協会に報告した4人は、この出来事からダンジョンに潜るのを辞めたのだった。



 

ノクターンに意欲を燃やして、放置状態になっていました。


これから少しずつ下書きを作成したします。

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― 新着の感想 ―
[一言] \(^o^)/ですが  すいません m(。≧Д≦。)m 私が感想を書いたさいですかありがとうございます omr
[一言] 更新、有難う御座います。
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