【八十七階層】探索者ランク分けへ
駅前ダンジョンに潜っていた数日の間に、探索者のランク分け制度が出来たんだって。
DランクからSランクまでの5ランクあって、ランクに応じて入れるダンジョンが制限されることになった。
当然俺は自宅ダンジョンの管理者だから、説明の連絡が入った。
まずダンジョンの難易度に応じたランクの探索者で入れる制限が課された。
バレなければ問題ないそうだが、発覚したらペナルティがあるそうなので注意してくれと言われた。
なお、管理者が自分のダンジョンに入る場合のみ例外だと教わった。
ついでなんで色々と聞いてみた。
第一ダンジョンに入るには、Cランク1名かDランク2名以上またはランクなし5名以上。
なので、Dランク1名にランクなし2名以上でもオッケーになるらしい。
第二ダンジョンは、Bランク1名かCランク2名以上でDランク6名でも第二ダンジョンには入れない。
そして今までは簡単に入ることが出来なかった第三ダンジョンでは、Aランク1名を含むBランク2名以上、Bランクオンリーなら5名以上と難易度が上がる。
それだけ危険なんだろうなって思う。
そういえば、新規探索者登録の受け付けが、かなり混み合っていた。
ランク制度の影響だな。
ランク登録は初回が5万円、更新は20万もするって教わったんだけど高いな。
ただ、企業が参入してきたから、会社ごとに補助金があるらしく、負担額は変わるらしい。
俺には自宅ダンジョンもあるし、ダンジョン制限開始日を過ぎても、そんなに気にしなくていいかなって思う。
光太郎たちは、判定しておいた方がいいのかな?
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時は少し過ぎていた。
色々と新居とその他の手続きが面倒くさくて、大変だった。
ダンジョン探索の方がストレスを感じないのは、気のせいじゃないはず。
忙しい理由は、旧家も大改装するからだ。
構想としてはアパートチックにして、光太郎たちの部屋を用意するつもりだ。
新邸の浴室の大きさに満足し、これからテレビの大画面を堪能するところだ。
最近の探索者関連のテレビ番組が多い。
耐久力はダンジョンの外でも有効なため、身体を張る役目をもった探索者が重用されている。
バイクと競争させたり、スタントマンをしたり等いろいろある。
高難度アスレチックを攻略するイベントは見ていて楽しかった。
おっ、例のランク判定試験を放映するだと!?
『ここでは、あの話題沸騰中の探索者ランク判定試験がこの会場で催されます』(ここでは、この会場で どちらか要らないかと…)
こんなのテレビで流していいのか?
『なお撮影可能なのは、日本全国でもこの会場だけとなっていて、参加者全員から許可を頂いております。…というか、撮影OKの探索者しか探索者ランク判定試験に参加出来ません』
そうだよな。
『何名かお話を聞いてみましょう。 ……すみません失礼します。沢山ある探索者ランク判定試験会場でここを選んだ理由を教えて下さい』
『おれって結構いいランク判定が出ると思うんですよ。民間の試験会場って当地社のスカウトしかいないって聞いたからです。他所からもスカウトがいっぱい来たら迷惑でしょ?』
何を言ってるんだ、こいつは……
『あ、あはは……ありがとうございました。
確かに、民間の試験会場は他社のスカウトは来ません。ですが役所の試験会場は、ランク判定の交付場所は部外者立ち入り禁止だったはずなんですよねぇ。でも会場の外側ならいるかも知れません』
こいつ、頭がおかしい。
次は女子2人組にマイクを持っていった。
『はい、私達女子のグループだけで下層に行きたいので、輝く探索者カードを持って仲間を集めに来ました!』
『そうなんです。もしここで集まらなくても、テレビを見ている探索者から連絡してくれるかもなので、私達ローカル探索者サイトの栃木県版にいまぁす』
宣伝してるよ。
『ここって、撮影されるけど、判定料が安いって聞いたから、ここにしました』
ほうほう、馬鹿正直者発見。
『前回の判定が納得できなくて。ほら、セカンドオピニオンってあるじゃないですか? それです。ここは2回目のランク判定料も安いし』
こいつはモブ決定だな。
『探索者友達が欲しいから……』
『家から一番近かったから……』
『あと5人も仲間が見つからないから……』
色々な探索者がいるもんだ。
試験の1つは、反射能力試験。両手でとどく範囲のタッチパネルにランプが光ったところをタッチするだけ。
10秒間の練習のあとに、30秒のテストが始まる。
ゲームみたいで楽しそう。
2つ目の試験はパンチングマシーン。
アナウンサーの話を聞く限りでは、パンチ力の数値は本人でも見えない仕様だとさ。
でもここでは見れてしまう。
柔らかそうな壁を叩いて、その陥没具合で測定する、俺のイメージとかけ離れたパンチングマシーンだった。
それぞれの数値は見れるけど、単位は不明だし、数値も10から100の間でバラバラだった。
最後は申告制のスキルチェックだ。
申告通りスキルが使えるかの確認で、これは説明だけで放映されなかった。
試験の後は軽食が出され、受験者が食休みしている間に試験成績から探索者ランクが決まり、新探索者ランクカードやランク更新の交付で完了ってことだ。(試験の種類数や内容の描写が少なすぎて民間と役所に分ける意味が無い気が…)
交付状況は音声が切られていて、映像と番組のエンディングテロップが流れていた。
流れていた映像を見ると銀のカードを貰っていたのが1名、あとは銅のカードがほとんどだった。
見間違いかもしれないけど、変化のないカードを貰っていたのが3人くらい居た。落ち込んでる様子だったから、見間違えじゃない気がする。
そこは気を使ってカットしろよとか思うんだが。
因みに、自分の判定に納得いかないって言ってた男は、ランク無しだった。
今日はなぜ暇なのにダンジョンに潜らないかと言うと、これから光太郎がくるのだ。
見たい物があるらしいが、どうせ見るなら俺のテレビを使いたいって事だから、まっているのだ。
カランカランカラン♫
この音は俺の新邸のインターホンの音だ。
どうやら光太郎が来たらしい。
モニターを見ると菓子の袋で顔を隠してる光太郎がいる。
「ははっ光太郎らしいや」
俺は光太郎を迎え入れた。
ステータス
ネーム……フロー
レベル……40
ジョブ……ネコ
ヒットポイント……866
ストレングス……116
デクスタリティ……346
マジックポイント……232
スキル……魔法防御4
パッシブスキル……悪食、成長補正2倍、ドロップ確率2倍
コレクション……孤児補正、五つ子補正、五兄弟補正、ネコ補正、第一迷宮制覇補正
ネーム……フェイ
レベル……40
ジョブ……ネコ
ヒットポイント……866
ストレングス……116
デクスタリティ……346
マジックポイント……232
スキル……物理防御4
パッシブスキル……悪食、成長補正2倍、モンスター遭遇率2倍
コレクション……孤児補正、五つ子補正、五兄弟補正、ネコ補正、第一迷宮制覇補正