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【八十六階層】ダンジョン再攻略④

 前回より楽に戦えるようになったスケルトンナイトだけど、それは3体までだった。


 魔法スキルの闇撃LV2が厄介過ぎた。


 おまけにこちらの魔法攻撃もLV1は避けられ、LV2は防がれてしまう。


 防がれても全く効かない訳じゃないんだけど、MPが勿体ない。





 ボス部屋の前に思ったより早く着いた。


 完璧ではないが、翠ちゃんと光太郎が道を覚えていたからだ。


 あんな構造のダンジョンなんか半分も覚えてねぇぞ。



 ボス部屋の中に入る、ボスって強さのモンスターはいないんだけど、数が今まで比較にならないからボス部屋と呼んでる。





 ゆっくりと部屋の中心部まで移動する、すると前方の奥から光の柱が立ち昇り、スケルトンナイトが出現した。






 その数9体!? ちょっとぉ! 前回と同じじゃん。




「ニャニャ!(石城壁)」

「にゃにゃっ(魔障壁)」


「光破LV3!」


 フロー、フェイが前回と同じく防御スキルを使い、光太郎が導線を調節して魔法攻撃。


 フローとフェイは翠ちゃんに防御スキルを使う。


「瞬足」

「瞬足」


 ひかると翠ちゃんが速度上昇スキルを使った。


「火弾LV3」


 俺も全力の魔法攻撃を使い、数を6まで減らした。


 ここまでは前回とほぼ同じ流れだ。

ただ今回は光太郎、翠ちゃん、ひかるの強さが爆上がりしている。



 俺は目の前のスケルトンナイトと戦いながら位置を少しずつ調整する。


 光太郎の魔法が再使用出来るまで待つ。




「フロー、フェイ、出来るな?」



「カカカッ 闇撃LV1」

「カカカッ 闇撃LV1」

「カカカッ 闇撃LV1」

「カカカッ 闇撃LV1」

「カカカッ 闇撃LV1」

「カカカッ 闇撃LV1」


 飛び交うスケルトンの魔法攻撃。


「にゃん」

「ニャン」


 大半がフローとフェイに向かったので、問題ない。



「いけるぞ! 光波LV3!!」


 光太郎の魔法は2体を消滅させてなお威力が残っていて3体目のスケルトンナイトにダメージを与える。


「風刃LV2!」


 ひかるの一撃は、光太郎の取りこぼしたモンスターを消滅させた。



 早く残り3体にした。



「カカカッ 闇撃LV2」

「カカカッ 闇撃LV2」



 スケルトンナイトの闇撃は、光太郎と翠ちゃんを狙った。



「グオッ!」


 パリン

「きゃ」



 的確に闇撃を回避できない2人が狙われた。

 流石は二十階層だと感じる。


「限界突破Ⅱ!!」

「怪力、いきます」


 光太郎も翠ちゃんも攻撃に入った。


 フロー、フェイ組。

 俺、翠ちゃん組。

 光太郎、ひかる組の3チームで、スケルトンナイトを圧倒する。



「LV2の魔法攻撃が来る前にやっちまうぞ!」





「カカカッ 高速剣」

「カカカッ 高速剣」




 スケルトンナイトの『高速剣』は避けられず、翠ちゃんとひかるが被弾した。



 そして、スケルトンナイトの1体が消滅する。




「カカカッ 闇撃LV1」


 翠ちゃんを狙った攻撃は当たらない、もうLV1の魔法攻撃は不意打ちされない限り大丈夫だろう。




 このあとのスケルトンナイトは大きな隙が出来る。


 4人がかりの波状攻撃で、スケルトンを倒す。



 残るはフローとフェイ担当の1体のみ。



「カカカッ 闇撃LV2」


 危なっ!

「うひゃっ!?」


 驚くことにフロー、フェイ以外を狙った魔法攻撃は、限界突破を使った光太郎がギリギリで避ける。



 加勢を嫌うフローとフェイを最後のスケルトンナイトが消滅するまで、見守った。




 時間が少しかかったけど、なんの心配もなくスケルトンナイトは消滅した。



「さあ、階段降りて帰ろう」


 光太郎に言われるまま階段を降りる。



 そして、前回と同じく部屋の奥には宝箱がある。


「またコボルトスパイスだったら、誰かが呪われてるぞ?」

「光太が言うから、不安になってきた」

「光太郎さん、それはフラグですよ?」

「光太さんが呪われていたんですね」


「ひかるちゃん!? まだ開けてないし」


「さあ光太、さっさと開けたまえ」


「俺がやるのかよ!? まったく……ああっ!!」



 宝箱から少しだけ見えるその中身は、紛れもなくコボルトスパイスだった。


「のぉぉぉ!?」


「にゃにゃっ!」

「ニギャー!!」


 いつもと違うフローフェイの鳴き声に振り返ると、モンスターが半円状に俺たちを取り囲んでいた。


 多分装備の質からして、五階層のモンスター、コボルトソルジャーだろう。


 本来なら一人で囲まれても慌てない程の雑魚モンスターなのに、俺を含めて全員が険しい表情を浮かべる。



 それはコボルトソルジャーが10体もいて、それぞれ全員が名前を持っていたからだ。


 スタンピードで初めてみた頭の上に名前が浮かんでいるモンスター【ネームドモンスター】だ!



 ココ、チョコ、モコ、モモ、マロン、ハナ、ソラ、レオ、モカ、サクラ。


 名前はかわいいが笑ってる場合じゃない。


 よりによって、光太郎は限界突破の後遺症が発動している最中だ。


「コボルトソルジャー、ランク3! 全員ネームドモンスターです」


「ひかる!!」


「はいっ風刃LV3」

「火弾LV3!」


 初期配置から散らばり囲まれているので、お互い1体しか倒せていない。


 こうなったらやれるだけ、やってやる!!


「みんな気合いれろ! ひかるは光太を守りながら頼む!」


「はい」

「はい」

「にゃん」

「ニャン」





 しかし、みんなの気合は無駄に終わった。


 ネームドモンスター達は思ったより弱かったからだ。


 確かに五階層で出てくるコボルトソルジャーより強い気はする。

 そう、気がする程度だった。


 あとは中々死ににくいって印象はあったけど、離島で体験していたから驚くほどでもなかった。


 むしろ、弱すぎる事に驚いた。



「こ、こんな疲れ方もあるんですね」


「まるで弥のギャグが滑ったような?」


「オイ光太」


「鉄アレイを持ち上げようとしたら、発泡スチロール製だった感覚と似ています」


「ひかるの表現の方が正しい」


「おちゃらけたくもなるわっ。俺、本気で死闘を覚悟したからさ」


 光太郎の言う通りだ。

 冷静に考えれば、離島で戦ってたあのモンスター程度なんだからな。


 翠ちゃんとこの実家ダンジョンのネームドモンスターと混同してたかもしれない。



 俺は改めて宝箱の中身を見る。


「喜べ光太、今回の報酬をコボルトスパイス約100本だ」


「流石はネームド、アイテムを拾う手間までネームド級だぜ」




 アイテムをマジックバックに詰め込んでから、出口に向った。


 こうして、俺たちは久しぶりの地上に戻った。



 しかし、地上ではタイミングの悪いイベントが起きていたのだった。














 ステータス




 ネーム……一関 光太郎

 レベル……28

 ジョブ……勇者(仮)

 ヒットポイント……1150

 ストレングス……127

 デクスタリティ……127

 マジックポイント……310

 スキル……限界突破3、光魔法3、再生2、剣技2、火魔法0

 パッシブスキル……EXP2倍

 コレクション……第一ダンジョン攻略補正




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