【隠し階層8】ダンジョン対策庁③
大変お待たせしました。
不調の元が半分解消できたので、投稿いたします。
今、ダンジョン対策庁では、定例会議ではなく臨時の緊急会議が開かれていた。
「…………………………………………………以上の報告で全てとなります」
事の発端は、一部の大企業や財閥が独自で探索者やダンジョンについて研究していたのだが、一斉に表に現れたとこが緊急会議が開かれた原因である。
探索者の囲い込みなどは、探索庁も把握はしていたが、全て正規の探索者であったため大雑把な監視しかしていなかった。
今回、一斉にダンジョン対策庁にある要求を突きつけて来たのだ。
①……役所以外での探索者資格の取得化。
➁……ダンジョン資源の自由化。
③……探索者資格のランク分け。
➃……企業傘下の探索者税制優遇措置。
元々、別の団体や探索庁で検討していた事ばかりではあったが、有力な企業や財閥に一斉に要求されては、軽く受け流すことも出来ない。
会議はたったの4時間半で終わったが、企業、財閥対ダンジョン対策庁の折り合いを付けるのは五週間を要した。
それでも企業側が時間を長引かせたくないと譲歩しての時間だった。
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「では我々と企業とこ間で話し合った事で、国に報告する案が完成しましたので、発表させてもらいます」
「①の探索者資格の取得場所は、我々職員が2名を出向することと、安定した情報交換を獲得するため『拠点間通信』を実施出来る拠点のみとなりました」
「➁のダンジョン資源のは自由化は、アイテムのみとし、魔石については一度、国が回収してその後分配する従来のままとなります。」
「➃の税制優遇措置は、探索者20名以上を登録した企業のみとすることになりました」
「そして、③の探索者のランク分けについては、我々も実施する予定であったことから、全面的に受け入れることとなり、ランク分け方式はモンスター討伐ではなく、施設を使用しての能力テストで決める方式を取り入れました」
一方的な発表が終わると、ランク分けの詳しい方法や、ランクの種類等質問が多数あげられた。
「ランクの種類は探索者カードに魔石を使ったメッキ加工処理を実現させた○○重工からの案を採用し、『ブロンズ』『カッパー』『シルバー』『ゴールド』『レインボー』の5クラスとなります。ただ、色をそのままランク分けするより『D』『C』『B』『A』『S』とランク分けした方が探索者のモチベーションが上がるとの事なので、両方の名称で、対応できるように致しました」
「ランク分けの方法は、どんな施設でも公平な測定を可能とするため、パンチ力測定、動体視力測定、自己申告型のスキルチェックとなります。当然これだけで強さの優劣は決められませんが、大体把握していればよいので、この3つで判別します」
一通りの説明が終わり、参考までにどんな探索者がどんなランクになるのか、誰かが聞いてきた。
「試験的に12の団体から6名づつと関係者含め合計100名の探索者で測定してもらいました。結果は資格なしまたはDランク(ブロンズ)が殆どでしたが、団体側から送られてきた探索者は全員がBランクとなりました」
「企業側は出し惜しみなし……と言うことか……自衛隊の測定結果はどうなった?」
「はい、年に3ヶ月ほどダンジョン探索する者を、経験年数別にして纏めたので報告します。探索者経験1年の自衛官はCランク(カッパー)2年と3年の自衛官はBランク(シルバー)4年の自衛官はAランク(ゴールド)とBランクが半々に、そして初期から探索者となった5年弱の探索者は皆Aランクとなりました」
「流石に熟練の探索者は、探索者経験3年程度の自衛官と肩を並べられるのか」
ひとりが、危機感を覚えたようで発言をした。
「それって、あまり良いことではないですよね?」
「絶対数が違いますので全く問題ないですね。さらにBランクとなった一般探索者の過去の経歴を見ても模範となる探索者ばかりでした」
(経歴だけでは、信用ならないことがありますが、今の言うことではないですからね)
「で、私がリクエストしたあの者らは、測定できたのかな?」
「はい、壊滅したあの国から確保しました探索者【北の十二星】は半分がSランク(レインボー)で残りも余裕のAランク(ゴールド)となりました。さらに、我が国のトップ10に入る自衛官は全てSランク、しかもあの高円寺特准尉はスキル申請なしでの結果でした」
「あの、日本最強チームの高円寺か?」
「彼はアメリカのダンジョンに遠征に行っていたのでは?」
高円寺とは、自衛隊でありながらその職務はダンジョン探索以外をしない『特』の付く階級の持ち主
で、他国からも注目されるほどの実力者だ。
こうして日本は、この方針がきっかけで爆発的に探索者が増えたのだった。
作風が変わっていたらすみません。
次は見直しのみとなっているので、近日中に更新予定です。