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【七十六階層】第一ダンジョン攻略⑦

更新遅くてすみません。

 

 十八階層の攻略を始めた。



 スキルなしで戦ってみると、動きはワーフォックスより鈍かったんだけど、若干戦いにくい気がした。



 俺の武器だと効きにくいのか、見た目がグロいから、どこかで躊躇してるのかもしれないな。



 あと、魔法攻撃にしても俺の火魔法と光太郎の光魔法で効果の違いが判明した。



 光魔法の方が殺傷力が高いと判断した。


 何時間か歩いていると、扉のある部屋にたどり着いた。



 光太郎がこの階層でも頼りになる。



「光太、ゾンビが多いところに特攻して欲しい。狙えるか、狙えるよな?」



「おうよ!」



 光太郎が嬉しそうに胸を張る。

 光太郎のイケメンオーラが全開になってるけど、ゾンビには効かないと思うぞ。



「攻撃をしないでガードに集中するなら2人で持ちこたえられそうです」


 ひかるちゃんが速度上昇スキルを使って手伝う気、充分なようだ。


「2人とも……任せた。応援には少し時間がかかるからな」


「はい」

「はい」


 翠ちゃんも攻撃力上昇スキルを使った。



 じゃあいくか。

 扉を開けて中を確認し、すでにゾンビがいたのを確認し、先制攻撃を仕掛ける。


「光破LV3」

「火弾LV3」



 光太郎の攻撃は、3体のゾンビを消滅させて4体目で止まった。


 俺の攻撃は2体を消滅させたが、これ以上重なるゾンビがいないので、火弾は突き抜けていった。



 残り5体のゾンビを、俺、フロー、フェイ、光太郎が戦い残った1体を翠ちゃんひかるちゃんが足止めする。



 ゾンビは力強いが動きは遅く、上の階層で戦ったワーフォックスよりも戦いやすい。

 ただ倒し切るのに時間はかかるが、翠ちゃんたちを気にしながらゾンビと戦うことが出来た。



 スキルを使って攻撃力を上げた翠ちゃんは、盾を使った防御面でも安定度が上がる。


 なので『攻撃力上昇スキル』というより『腕力上昇スキル』の方がしっくりする。



 でも、LV3のスキルを使ってもゾンビに力負けをするほど差がある。


 そして、ゾンビは鈍いと言っても、翠ちゃんよりは機敏に動く。



 翠ちゃんが力負けして倒されそうになるが、ひかるちゃんが翠ちゃんを支えて持ち直す。


 そしてゾンビの次の動きに対応するひかるちゃん。


 もしかして、昨日より強くなってないか?


 LV1とはいえ速度上昇スキルを使ったひかるちゃんはゾンビの動きにしっかり対応している。


 そして力不足のひかるちゃんを翠ちゃんが補う。


 そして、ひかるちゃんの短刀がゾンビの腹を裂いた。




 気がついたら、ゾンビを倒したフローとフェイも翠ちゃんとひかるちゃんを見守っている。



 厳しいかもしれないが、このゾンビは2人に任せよう。



 光太郎もゾンビを倒したが、フロー、フェイに見習って加勢はしないようだ。


 よそ見をしすぎて、最後に倒した俺も最後のゾンビとの戦いを見守る。



 やはり数の力は凄い。

 ゾンビとの戦力差を2人のチームワークで抑え込んでいる。



「すげぇ……」


 光太郎が感嘆してるが『勝てるかも』とは言わない。


 そう、ゾンビに対する攻撃回数が圧倒的に少ないからだ。


 それはスキルの時間切れを意味する。




 そう、加勢するタイミングは2人のスキルバフが切れて、ダメージを一回受けたあたりが適当だろうか。



 それにしても、ひかるちゃんは剣技スキルを使わないな。



「ひかるさん!」


「はい、加速!」


「剛腕!」



 おそらくバフが切れると思われる直前に、バフを重ねがけしたのだろう。


 翠ちゃんのスキルは『怪力』からランクダウンしたから、前より厳しくなるだろう。



 ほら、今のゾンビの攻撃が徐々に接触してきた。




 ……なのに…………なのに、ゾンビ相手に目を輝かせるんだ?


「攻撃回数が増えた」


 そうだ、今まで防戦ばかりの2人が反撃をしだした。




 なんで?


「ひかるちゃんを強くしてる」


 えっ? 光太郎?


「戦闘技術も身体能力もひかるちゃんの方が上だけど、視野は翠ちゃんの方が広い。2人で2人分の以上の効果を出している」


 2人はゾンビの攻撃を完全に防ぐのはやめて、3倍に返すやり方に変わってきた。




 なんか体が熱くなってきた。




 翠ちゃんたちは、ゾンビ1体に20分くらいかけて倒した。



 やりきった表情の2人に回復魔法を使う。

「お疲れさま。翠ちゃんみて興奮してしまった」


「えっ?」


「だから、この熱が冷めないうちに下の階に行こうか」


「えっ、あっ、はい!」




 十九階層は広大な洞窟エリアだった。




「このパターンってトレントが出てくるパターンだよな?」



「ああ。もしトレントなら、どれくらいの大きさかな。索敵LV1」



 俺は足速に洞窟内を進む。



 ダンジョンを進んで行くと、2体のモンスター反応を確認した。


「みんなこの先に2体のモンスターがいる。もちろん最初はフロー、フェイにやってもらう」


「にゃん」

「ニャッ」


 どうやら喜んでいる。



 そして、予想通り大きな大きなトレントと遭遇した。


 トレントの特徴は移動速度が遅いことと、トレントの射程距離に入らなければ動かないことだ。



 高さは6メートルはあるだろう。

 枝は防御用が4本と攻撃用が1本で、頂点付近には今まで見ない形の小枝がある。


 ほかの葉に比べて濃い色をしているのは気のせいだろうか。


 何かあるんだろうが、攻撃するには難しい位置だよな。




「ヒュージトレント、ランク10。火魔法が弱点で、回復機能を持つ」




 ちょっ『回復機能』ってなによ!?

 



 そんなツッコミを入れている間に、フロー、フェイが喜々として特攻していった。




 ラージトレントより強いのは分かっている。

 問題はどのくらい強くなっているのか……



 鞭のようにしなる枝は、フロー、フェイには当たらず地面を叩きつける。


 まあ、速いけど、ラージトレントのネームドモンスター『カエデ』と比べると違いが判らない程度だ。



 フローとフェイは幹を引っ掻いたり噛み付いたりしながら、器用に枝の攻撃を避ける。



 体力値を目算できる葉が落ちきって、攻撃が倍になる。


 フロー、フェイは余裕で避けているけど、たぶん俺は2本同時には厳しい威力と速度だ。


 盾を使えばなんとかなるかな?



 2つ目の防御用の枝から葉が消えた瞬間、頂点付近にある小枝が光った。


 すると、枝一本に葉が復活していた。


 これは面倒だ。

 1体倒すのにどれだけ時間がかかるんだ?



 ただ、小枝に着いていた葉の色は黄緑に変化していた。





「フロー、フェイ、加勢するか?」



「にぎゃぁ!」

「シャーッ!」



 怒られた……



 トレントはもう一度回復スキルを、使って葉が白色になって以降回復スキルを使わなかった。


 そして枝4本の連続攻撃は見ただけでも、俺には対処出来ないのが理解できるほど凄まじかった。




 フロー、フェイも全く危なげなく戦っているけど、ラージトレントの3倍近く時間を使っている。



 もう少しで、トレントの葉がなくなる。


 トレントの懐に入り、左右合わせて5回以上の猫パンチが炸裂する。


 はっきり言って猫パンチの速度は、俺でも目で追いきれない。



 あっ、トレントが消滅した。


 トレントはE級魔石を10個づつと一体からトレントの木材を8本ドロップした。


 トレントの木材は高値で買い取ってもらえるが、なんか割りに合わない気がしてきた。




「時間が、かかったな。ここらへんを数回狩ったら帰るか?」


 光太郎が聞いてきた。



「とりあえず、俺も2回くらい戦ってからだな」



「大丈夫なのか?」



 もちろん勝算はある。





 ダンジョン内を歩いて20分もしないうちに、トレントを見つけた。

 しかも都合のよいことに、1体しか出現しなかった。




「ここからは俺がやる! 火弾LV2」



 俺は頂点付近にある回復枝を狙って、魔法を使った。



 しかし防御用の枝が俺の火弾を弾くように防いだ。


 これで、俺がジャンプ攻撃をしたらやられるのが解った。



 防御した枝はすべて葉がなくなり、関係のない防御枝まで9割以上の葉が消え去っていた。



 ここからは長丁場だ。



 枝がしなるように襲ってくる。


 バチンッ!!


 背の高いヒュージトレントは上からの攻撃になりがちで、多彩性に欠けていて、思ったより楽に避けられる。



 2本目の攻撃も避けると流石にバランスが崩れてきて、反撃が難しい。


 なので、次は盾を斜め受けして反撃する。

 防御用の枝を切り抜けて、幹に攻撃が当たる。

 葉が消えたと同時に、トレントの回復が始まる。



 しばらく、このパターンを繰り返し、回復を使い切らせて

 攻撃の枝が3本になった。


「フロー、フェイ!」


「うにゃ!」

「ニャニャ」


 フローとフェイを加勢に入れ、俺の被弾回数を減らす作戦だ。



 狙い通り、トレントの攻撃はきれいに分散されて、俺、フロー、フェイと一本づつとなった。


 そこから先は簡単な戦いになった。


 程なくしてヒュージトレントを消滅させたが、俺の盾が完全に壊れてしまった。



 倒すまでに時間がかかり、俺の盾まで壊れたから翠ちゃんたちから『ここまでかな?』って空気が流れ出した。




 いやいや、別の意味で本気を出すからな。




 ■□■□■□■□■□■□






「よし、ボス部屋についたぞ。思ったより時間がかからなかったな」


「そんな反則技あるかっ!!」


「弥さん……」





 ある短縮技を使って、俺たちは20階層に降れる部屋までたどり着いた。















 ネーム……千歳 ひかる

 レベル……18

 ジョブ……剣士

 ヒットポイント……804

 ストレングス……120

 デクスタリティ……120

 マジックポイント……96

 スキル……速度上昇2、剣技2、攻撃力上昇1、風魔法0、闇魔法0

 パッシブスキル……エンペラーキラー、メタルキラー

 コレクション……孤児補正、四兄弟補正




いつも、誤字修正ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] このサイトで誤字が見つからなかったのは初めてです。 既に出版されていても誤字だらけの作品もありますので素晴らしいと思います。今後も楽しみに読ませていただきます。
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