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【七十五階層】第一ダンジョン攻略⑥

大変おまたせしました。

作者のメンタルで更新速度変わることを、お詫びいたします。

 十七階層にやってきた。


 ここは草原ステージだった。

 まるで、避暑地の朝を連想させる。


 地上や十六階層に戻れる棟以外何もない草原。

 だけど今まで通りなら、下に降りるボス部屋は4つあるはず。


 なら朝日を背にして、ずっと突き進んで行こうか。




 進むこと15分程度だろうか? デジャブを覚える出来事が起きた。


 人影が3体遠くに見える。


 まさかここもワージャッカルなのか?



 人影がはっきり見える位置まで近づくと、シャツ着てズボンを履いた人間っぽいモンスターを確認する。



 だけど、頭の形状が少し違うような?



 向こうも、俺たちの方に駆け寄るように近づいてきた。




「ワーフォックス、モンスターランク9。長い爪で攻撃し、最後だけ噛みつき攻撃をする」


翠ちゃんがモンスターの名前と特徴を教えてくれる。



 ワーフォックス……自宅ダンジョンで出てくる、ワージャッカルとの違いが判らないんだが?




 実際にワーフォックスと戦ってみたけど、最後の噛みつき攻撃と頭の形以外の違いがわからなかった。




「おぉ、E級魔石が7個も……」

「光太郎さん、ポーションもドロップしてます。しかも2個も」

「この魔石は私達が売れば5000円になるんですよね。戦いでは足手まといですが、買い取りで貢献できるんですね」


 そういう発想もあるのか、確かに俺の探索者カードを使って売ればみんなの半額だからな。




 ワージャッカルと同様、相性のいいモンスターで苦もなくこの階層を攻略できた。


「ヘロヘロタイム突入ぅ」



 光太郎の限界突破の効果が切れて、座り込んでいる。

 しかし、限界突破Ⅲを使えばワーフォックス相手でも戦えるから驚きだ。



 翠ちゃんとひかるちゃんは、アイテム魔石回収組だ。



「E級魔石が十五、十六、十七階層で1890個手に入りました」



「因みにコブリンとスケルトンもE級魔石を産んでたから、合わせると余裕で2000個オーバー。一千万円になります! こんなの一日半で稼いだら、人間駄目になるやつやっ」



「3人の中で光太郎さんが一番安定してるのは、分かってますよ」




 よく見てるね翠ちゃん。

「翠ちゃんよく見てるわ」


 俺の考えてる事と、光太郎のセリフが被った。



「回復ポーションは108個になりました」


「飲み放題だな! これって回復ポーションの原液で、何かと組わせると上位の回復ポーションになるんだってさ。錬金釜とかあったら絶対に買おうぜ」



 錬金釜、見たことも聞いたこともないが、あったら欲しいよな。





「なぁ弥、今回のダンジョン探索って様子見だったよな?」


「ああ、そうだが何か?」


「何かじゃねぇよ、何かがじゃ! イマココ十八階層ナ、十八! 情報じゃ二十階層が最深だぞ、完全攻略は目前だぞ!?」



「光太、ダンジョンのモンスターを舐めちゃいけない。十九階層、二十階層は間違いなく今までみたことがないくらいの強力なモンスターが出てくる。相性によってはここで足止めされることだってある」




 そう、階層を降りる毎にひどい目にあったからなぁ。



「なら、まだ夜も早いですし、ここのモンスターを一回見るのはどうでしょうか?」



 翠ちゃんの言葉に、回想から帰ってきました。



「その前に報告があります」


 ひかるちゃんが言いにくそうな表情で、話しかけてきた。

 どうしたのだろう。



「どうしたのひかるちゃん」



 光太郎の反応は早い。



「少し前に気づいたんですが、レベルが上がってました」


「何かまずいことでもあった?」


 光太郎の返しが早すぎる。


「えっと、わたるさんとネコちゃんずの戦いに気を取られて、いつレベルが上がったか分からなくて……」



「何だ、そんなことか……気にしない、気にしない」


「剣技『二連撃』と、新たに攻撃力上昇スキルが使えるようになりました」


「そこ大事だから早く教えてね、ひかるちゃん」


 ふたりのやり取りを見てて和んでしまった。






「じゃあ、お出かけしますか」



「モンスターを舐めるなと言ったばかりの弥が、ピクニック気分で歩く姿に不満」



「ふふふ」

「ふふっ」





 ■□■□■□■□■□■□






 十八階層は通路型の墓地だった。

 温度も他の階層より、体感で2度程低い。




「うわぁ、アンデットモンスター確定じゃん! 光の勇者一関光太郎の出番じゃないか。マジックポーション飲むね、ごくごく……」



 マジックポーションは高価だが、今の光太郎にはそれ以上の価値がでそうだ。



 探索しながら墓地を進むと、通路の幅は約3メートル。

 墓の部分が1メートルの両脇合わせて5メートルになる。



 もっと広いかと思ったら、後は壁に墓の絵がリアルに描かれていた。



 通路を歩くこと十数分、最初の部屋に到達した。



 警戒していたから、索敵を使わなくてもモンスターが部屋の中にいるのが判る。



 まあ、見た目からして『ゾンビ』だよな。




「モンスターはたぶんゾンビ。2体いるから俺と光太でやってみる。フロー、フェイは2体以上いたり、光太が苦戦したらフォロー!」




「にゃん」

「ニャン」



 ゾンビに向かって走った。

 見た目がかなりグロくて攻撃を躊躇しそうになる。


 せめての救いは、悪臭を感じないことぐらいか?


「光破LV3!」


 光太郎が放った攻撃魔法は、俺の火魔法と同様に1メートルを超え、恐ろしいまでの射出速度でゾンビを狙った。


 向きがよかったせいか、一体目のゾンビを瞬殺するどころか、後続のゾンビすら消え去ってしまった。



「えっと……ゾンビ、モンスターランク9。刺突攻撃に耐性があり、光魔法に弱い。噛みつき攻撃は速度上昇スキルを無効化する毒がある」



 モンスターが消滅した後に、翠ちゃんの解説が入る。




「わたるさん、光太郎さん、アイテムがドロップされてます。お願いします」



 魔石とアイテムを拾ってきたひかるちゃんが、アイテムを僕に見せる。



 ドロップしたアイテムの形状はマジックポーションだけと、2個しかない。


 目を凝らし、浮き出てきた文字を読み上げる。


「中級マジックポーション。かなりのMP回復が期待できる」




 俺たちは安全地帯に戻って、モンスター肉食べながら階層について話し合った。




「ここが低層階なら、狩り場確定なんだけどな。この広大なダンジョンで、十八階層までの遠足は時間が勿体ない。でもここって、俺が光魔法で瞬殺して、マジックポーションをドロップする。マジックポイントを回復させて、ゾンビを倒してマジックポーションを頂く。無限ループじゃん」




「光太郎さん、マジックポーションは1日10回まで使用制限があるので長続き出来ません。それにダメージ計算もしていないし、マジックポーションは4ポイント分までの回復量だから効率もちゃんと考えないと」


「本来なら、ドロップ確率を計算すると、無理のある話なんですが、ここはネコちゃんずがいますから」




 うん、体感で約2倍のドロップ率があるのは流石に理解した。

 フローとフェイのまたは両方にドロップ率が上がるパッシブスキルがあるのだろう。



「実際に確かめるのは勿体無いから、中級マジックポーションが2倍の効果があると、仮定しよう。ドロップ一回で2本のマジックポーションが出るから16ポイント分の回復量とする。ざっくりフローさんフェイさんのおかげてドロップは2割とすると……5体倒すごとに16ポイントで、ゾンビ1体倒すのに2ポイント使用する……完全にボーナスステージじゃん」



「付け加えると、ゾンビの弱点に弥さんの使う火魔法もあります。もしゾンビが強くても攻撃魔法で回避できるのは強みです」



「今回の様子見で、十八階層が攻略出来てしまいそうです」






 こうして、第一ダンジョン探索の2日目が終わった。

















 ネーム……千歳 ひかる

 レベル……16

 ジョブ……剣士

 ヒットポイント……

 ストレングス……108

 デクスタリティ……108

 マジックポイント……88

 スキル……速度上昇2、剣技2、攻撃力上昇1、風魔法0、闇魔法0

 パッシブスキル……エンペラーキラー、メタルキラー

 コレクション……孤児補正、四兄弟補正




誤字修正、本気の本気で感謝しています。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今さらだけど、主人公と千歳ひかるは兄妹か姉弟なんよな? 作品的には双子の後に 兄弟がいくらかってパターンは少ないけど、どちらかというとひかるは妹って感じがする ひかる側には双子補正掛かって…
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