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【八階層】アイテムショップ

3日ほど、連日投稿を延長します。

皆様の応援でやる気が出ました。

 扉を開けると、建物の外観より狭い感じの店内だった。


「いらっしゃい」


 ダンディなおじさん店員が挨拶してくれた。

 俺は、自分の持ってきた魔石がどのくらいの値段になるか早く知りたいので、早速聞くことにした。


「すいません、魔石を売りにきました」


「探索者かい? カードは持っているかな? ああ……なら、確認させてくれ」


 俺は、先に探索者カードを見せてから、持ってきたF級魔石を40個を渡す。

 ダンディおじさんが、目に力を入れた気がした。


「おう、その魔石なら1個500円だ」


「安っ!?」

 2匹目以降はわりと楽に倒せたけど、命がけで巨大ネズミ1匹倒して500円か……もしかして探索者って割に合わないのか?


 すると、表情が読まれたのか、こんな話をしてくれた。

「ん? 兄ちゃん、買い取りは初めてかい? まぁ強くなれば、その程度の魔石なんて100個くらい簡単に集まるさ。 それより、ドロップアイテムは高く買い取るぜ」


 と、言われつつ2万円を受け取った。


 たしか、家にはあのF級魔石が40個ほどあるはずだよな。


 すると初日を除けば、稼働は2日と半日。

 収入は約4万円。


 真面目に働いた方がよくないか?


 しかし、もう少し強くなれば100個くらい1日で集まるみたいだしな。


 ふと他を見ると、モンスター肉がショーケースの中に陳列されていた。


 封を開けると、消えてしまう不思議なラップに包まれている。


 モンスター肉の陳列棚は3列あって、名札が置かれていて、こう記されてた。


 ダンジョン産S1ランク肉、1㎏1万2600円。

 ダンジョン産S2ランク肉、1㎏2万1200円。

 ダンジョン産S3ランク肉、品切れ。


「うわっ高いなぁ、こんな肉を毎日食べていたのか……」


「ほう、毎日食べているか。それじゃダンジョン産の肉は買い取れないか……ダンジョン産の肉も、1年前から買い取れるようになったからな。もし余ったら買い取るよ」


 俺はちょっと疑問に思った。

 無機物ならともかく、誰かわからないような奴が持ってきた食品を、簡単に買い取るのか?


「ん? なるほど、肉の買い取りに疑問を持ったか。 兄ちゃんも気づいたと思うが、モンスター肉をドロップした時、不思議なラップに包まれてるだろ? あれをほどかない限り、肉は腐ったりしないんだ」


「そんな事があるんですか?」


「ああ、それについては直ぐに判明したんだが、品質を確認する装置の量産に、時間がかかってな、買い取りは難しかったんだよ。なんでも、1台1億円以上かかるって話だからな」


「えっ、それじゃこの店にも?」


「いや、私は『アイテム鑑定』のスキル持ちだからな、でも宮仕えは遠慮したいから、国には支援してもらってるが、自分の店なんだよ」


「ふうん」


 このおじさんも『アイテム鑑定』のスキルを持っているのか。


 でも、モンスター肉が保存が出来るって聞いたのはラッキーだった。


 高い方のモンスター肉を凝視する。


『モンスター肉(上)』

『わりと美味しい』

『食べると、少しだが経験値が手に入る』


 鑑定結果だと、今食べているモンスター肉より、美味いらしい。


 1㎏2万円オーバーにはビックリだけど、もう少し稼げるようになったら、買ってみたい。


「ところで、お、私がモンスター肉を売ったらいくらになるんですか?」


「ほう、いくつかモンスター肉があるのかい? S1ランクは5500円で、S2ランクは1万2000だ。 うちは鑑定に手間がかからないから、役所より少しだけ高く買い取ってる。その代わりダブついてるアイテムは役所の相場より若干値が下がるな。 まあ、役所の指導もあるから、そんなには変わらないさ」


 ふむ、良いことを聞いた。

 だけど、よっぽどモンスター肉が余らない限り売ることは無いだろうな。


 ただ装備品や、他のアイテムは値段の付いていない物や桁違いに高い物があった。


 ただ、回復ポーションは、名前と値段だけで実物はない。

 防犯のためだろうか。


 理由は、回復ポーションの値段を見れば解ると思う。

『回復(ポーション)白≡16万円』

『回復P黄≡24万円』

『回復P緑≡50万円』

『回復P水≡140万円』

『回復P青≡未入荷(販売予定価格≡800万円)』

 

 一番安いやつで16万円からだ。

 しかも値段の上昇率が、半端ない。


 だが、よくよく考えたら、回復ポーションが病院で常備されていれば、怪我で死んじゃう人とかいなくなるんじゃないのか?


 だとしたら、16万円や24万円なんて安い方かもしれない。

 そんなことを考えていると、話しかけられた。


「回復ポーションが、気になるか? 今はまだまだ値段が張るが、そのうちもう少し安くなるだろう」


「いや、あの……えっと店長の武藤さん、ですよね?」


「ああ、そうだ。よろしくな、兄ちゃん」


「武藤さん、回復ポーションって、怪我を直ぐに治せるなら、その値段って逆に安いんじゃ」


 店長は少しだけ首を捻っていたけど、急に納得した感じになった。


「兄ちゃん、もしかしたら回復ポーションを医療に使えると思ったのかい? 理由は解らないが、回復ポーションは『探索者』にしか効果がないんだ」


「えっ、そうなんですか? それなら納得です」

 そうか、そうだったのか。


 怪我人を探索者にするのは、難しそうだしな。

 俺にしたって、フローとフェイがいなければ、たぶん死んでいただろう。


 この後、武藤さんと少し話をしてから、店を出た。



 家に帰ると、ちょうど電話が鳴り、受話器を取ると役所からの電話だった。


 話の中身は、5日後の朝に役所の探索者たちが数人、ダンジョンの種類を確認しに来るというものだった。


 役所の人たちが、どこまで強いのか興味深いな。


 よし、それまで趣味の家庭菜園は、少し手を抜こう。


 明日から本格的にダンジョンに潜る事にした。














 ステータス


 ネーム……六角橋 弥

 レベル……3

 ジョブ……一般人

 ヒットポイント……76

 ストレングス……23

 デクスタリティ……26

 マジックポイント……46

 スキル……回復魔法0、火魔法0

 パッシヴスキル……早熟、アイテム鑑定、消費MP半減、転職

 コレクション……孤児補正、双子補正、四兄弟補正



回復ポーション、値段設定に10日くらい悩みました。



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