【五十七階層】再戦スケルトン
ストックがないのに、投稿します。
堪え性のない私(;・ω・)
俺は、スタンピードについて調べてみた。
あることが気になったからだ。
調べた結果、あの島で起きたスタンピードの情報は得られなかった。
もしかしたら、世間が知っている以上にスタンピードは発生していて、俺たちがニュース等で知ったスタンピードは氷山の一角なんだろうかと思ってしまった。
そして、そんなニュースを探すと関連情報として、ダンジョン資源を利用した、新商品や画期的な発明が発表されているニュースが目についた。
なになに……廃棄ゴミから効率的に資源を取り出せるようになった?
ドイツ、フランス、イギリスの3ヶ国が共同開発……か。
『さらに効率化が進めば、海洋ゴミを回収するだけで黒字化するだろう』
スゲーな、日本のごみ問題も一気に解消するんじゃないのか?
ん? これは……放射能除去装置がダンジョン資源を使って完成!?
ロシアとアメリカの共同開発か……スゲーな世界情勢。
日本になんらかの成果はないのかな……………………おっ、あった。
なになに『強力な磁石の開発に成功した。なんとネオジウムの約1,5倍、市場に出るのはいつか?』
…………凄いのか?
たぶんすごいんだろう。
様々な精密機械の小型化が実現するかも知れないしな。
ただ、世界の発明に比べると、なんだかなぁ。
さてと、大きな買い物もしたし、ダンジョンに潜って荒稼ぎしますか。
ここ数日でレベルが上がり難くなったと感じる。
理由はホブゴブリンが敵じゃなくなったのが原因かもしれない。
慣れてきたのもあるけど、体格差を踏まえてもパワー負けしなくなってきた。
逆にこっちのパワーでホブゴブリンのミスを誘ってから、スピードを活かして連続攻撃を繰り出せる。
1度階段手前の大部屋で、6体のホブゴブリンを相手にしたけど、時間がかかっただけでスキルなしの無傷完勝を達成したこともある。
自分の力をスケルトンで試したくなってきた。
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地下八階、2体のスケルトンと遭遇した。
「あっ」
フローとフェイが猛ダッシュ、2人(匹)に先を越された。
あの娘たちが先に戦うことになった。
2対2の戦いを見学して気づいた。
スケルトンの攻撃が遅く感じる。
今の個体だけが弱いとは、今までの経験から考えると、ありえない。
今まで、ギリギリで避けていたスケルトンの二連撃すらちゃんと避けているように見える。
スケルトンの高速剣と二連撃は俺には厄介だけど、フローとフェイは完全に問題なくなったようだ。
そして、1体のスケルトンが4個のアイテムをドロップした。
スケルトンがドロップしたアイテムを視ると『マジックポーション(効果小)、MPを回復させる。使用限度は1日6本』と見えた。
効果小とは、どれくらいか判らないが、数回使って使用限界になる燃費の悪いスキルを、遠慮なく使えるじゃないか。
もっとこのアイテムが欲しい。
「フローとフェイ、次を狩るぞ」
「にゃん」
「ニャッ」
次に遭遇したスケルトンは3体だったから、1体ずつ受け持って戦う。
「加速」
反射速度上昇の二段階目のスキルを使う。
スケルトンの強さが体感で、どのくらい変わるかな?
うん、遅い。
これなら、盾で防がずに見切って避け、じっくり攻撃できる。
「カカカッ高速剣」
見えた!
剣の軌道が読めたので、トレントシールドで防ぐことに成功した。
しかも、あの重たい攻撃も体勢を崩すことなく受け止められた。
武器を使って攻撃を繰り返す。
避ける動作がまる分かりなので、うまく命中する。
「カカカッ、二連撃」
一撃目はじっくり見て、自分の姿勢をベストに保ったまま避ける。
そして、軌道が反転して二撃目がくる。
ギィン!!
よし、盾で防げる。
この瞬間、スケルトンは強敵ではなくなったと確信した。
ただ、倒すのに時間がかかった。
力はアップしたのに、倒すまでの体感時間は前回より気持ち早い程度だと感じた。
そして不思議なのは、倒しきるまでの時間がフローとフェイより少し早い程度なんだ。
魔法を使うコボルトだと、フローとフェイの半分の時間で倒せるのに、スケルトンはかなり手こずる。
スケルトンと俺は、相性が悪いのかもしれない。
このまま実験するように戦ったけど、やっぱりスケルトンとは戦い難い気がする。
苦手意識を持ったら良くないが、苦手なモンスターと認定してしまった。
もう少し戦ったら、帰るか。
そう思ったら、扉を見つけてしまった。
このパターンは、下に行ける階段のあるモンスターが多くいる部屋だ。
ドロップした、マジックポーションは3回で6本ある。
まだMPに余裕はあると思うが、念のため1つを飲んでみる。
うわ、なんか超薄味のスポーツドリンクみたいだ。
不味くなくてよかった。
「フロー、フェイ、これから大量と思うスケルトンと戦う。俺はスキル全開でやるから補助を頼む」
「うにゃ」
「ウナァ」
…………なんか『しょうがないにゃぁ』って言われた気がした。
「瞬速」
スキルを使って、扉を開けて部屋に乗り込む。
実はレベル3のスキルを使うと、次のスキルを使えるまでに、タイムラグが発生する。
ただし、魔法は別カテゴリみたいで、魔法攻撃だけは発射可能だ。
「火球LV3!」
多数いるスケルトンの動線が重なるポイントに攻撃魔法を放つ。
スケルトンの数は8体から7体に減った。
それでも倍するスケルトンの数だ。
「フロー! フェイ! 任せたっ!」
「うにゃっ」
「ウニャッ」
今回の戦い方は、防御一辺倒だ。
速度スキルに頼って、たくさんのスケルトンを引き付ける。
しかしスケルトンとの戦いに慣れていないせいか、3体しか引き寄せられなかった。
スケルトンの波状攻撃を余裕で避けるが、『高速剣』と『二連撃』は別だ。
今までに攻撃を受けた感触から計算すると、ドジをしない限り致命傷はない。
回復手段もあるし、ギリギリの戦いをやってみようじゃないか。
「カカカッ高速剣」
「カカカッ高速剣」
「カカカッ高速剣」
頭を狙った高速剣は、額をかすめたけど避けられた。腹部を狙ったのは盾で防げた。
ただ、脚を高速で突いてきたのは、対処できなかった。
脚に痛みが広がるが、以前戦った時に比べて軽い気がする。
気合いが乗ってるのかもしれない。
1対3の戦い……圧倒的な速度差を以ってしても厳しい戦いになっている。
スケルトンの剣技スキルは厄介だ。
数回、反射速度を生かして大きく避けてみたけど、避け幅が低いスケルトンが踏み込んできて対処されるし、大げさに移動したときは、フェイに向かって移動したから都合よくいかない。
「火球LV3」
このスキルを使った瞬間、俺たちの勝ちが確定した。
残りのスケルトンは3体、もはやお互いが受け持つ1体のみとなった。
フェイ、フロー、俺の順番で残りのスケルトンを倒したら、下に続く階段が出現した。
ドロップアイテムも、2体のスケルトンが2つのマジックポーションを落としたので4つのマジックポーションをゲットした。
さあ、次は地下9階だ。
ステータス
ネーム……六角橋 弥
レベル……29
ジョブ……軽戦士
ヒットポイント……874
ストレングス……162
デクスタリティ……191
マジックポイント……208
スキル……回復魔法3、火魔法3、速度上昇3、索敵3
パッシブスキル……早熟、アイテム鑑定、消費MP半減、転職
コレクション……孤児補正、双子補正、四兄弟補正