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【四十一階層】翠、自宅ダンジョンに入る

少しはやいですが、投稿します。

 育てている野菜に水をあげているだけでは、言い訳が思い付かないかった。

 自宅のダンジョンを見せたい気持ちと、教えるとフローとフェイが探索者だと教えるようなものだ。

 だって、付いていきたいって『ニャアにゃあ』言うに決まっているから。





 さて、どうしたもんかと部屋に戻ると、じっとりと睨んだ翠ちゃんと、彼女の左右にフローとフェイがいた。


 何があった?



「弥さん、今までの疑問がすこし解けました。弥さんの家の地下がダンジョンに繋がっていたんですね?」



 ホワイ?



「猫ちゃんたちが教えてくれました。そして考えにくいのですが。この猫ちゃんたちも、探索者なんですね?」



 フロー、フェイばらしたな?


 フローとフェイを見ると、何故か誇らしげな感じがする。


 俺の気のせいだよな? 反省してるんだよな?

 猫の探索者なんて、トップシークレット扱いだよ?


 だけど、実はここのダンジョンに誘いたかったんだよな……


「ばれてしまっては仕方ない。翠ちゃん見学してみるか」


 俺は強引に翠ちゃんをダンジョンに誘った。



「えっ、ええっ!? だってそんな……装備だって持ってないし」


「大丈夫だよ、地下3階までなら確実に翠ちゃんを護りきれるから」


「えっ! …………弥さん、ずるいです」


 微妙な表情の翠ちゃん。

 照れているようでもあるが、口が少し尖っている。

 どんな感情をおもてにだしているのかな。


「それでいて、すごく鈍いです」


 なんで、ディスられる?



 念のため、翠ちゃんには俺が使っている盾を貸し出した。


 2つある武器の内、1つを持たせたら、すごく重く感じたそうなので、盾だけにした。



 翠ちゃんを改めてダンジョンに招待する。



「本当にダンジョンです。こんなことって……」


 驚くのも無理はない。


「まあ、驚くよね。ちゃんと役所には届け出てるから。だから俺は管理者の資格もあるんだ」



「猫ちゃんは?」



 とうぜん目を逸らす。


「地下1階はGモールだ。駅近ダンジョンと同じだな」


 違うのは4人(匹)パーティだってこと。


 早速、2体のGモールと遭遇した。


「ニャッ」

「うにゃ」


 フローとフェイが、ダッシュする。


 重い一撃を与えて、壁際に張り付けたら、俺でも見切れない速度のネコパンチ連打を浴びせる。


 まさに、肉球乱舞。

 Gモールはあっさりと消滅した。


「えっ? 速っ えっ!? 早っ もう?」


 翠ちゃんの語彙力が低下している。


 魔石を拾ってると、翠ちゃんがやってきた。


「ビックリしました。まさか猫ちゃんたちまで、こんなに強いなんて……」


「ん~、まあ俺より強いからな」


「うそっ……」


 このダンジョンに来てから、翠ちゃんのキャラが変わってないか?


 その後も、Gモールと遭遇する度に驚く様子を見せる翠ちゃん。


 何がそんなに珍しいのか。


 20体近いGモールを倒して、地下2階に降りた。


「この階層はコボルトが出現する」


「……はい」


 1体のコボルトを見つけた。


 翠ちゃんを見る。


「コボルト、モンスターランク2、連携攻撃に弱い」


 あの距離でも判るのか、それより翠ちゃんを見るだけで望んだ答えが返ってきた。


「翠ちゃん、やっぱり便利だな」(翠ちゃんをサポート役にしたら戦いやすいだろうな)



 コボルトもあっさりと倒し続けて、扉のある大部屋まで来た。


「弥さん、疑問に思ったんですが、モンスターの遭遇率が高すぎませんか?」


「ん? 駅近のダンジョンが、狩られ過ぎてるだけじゃないの?」


「それも考えましたが、それにしても異常な気が……しかもアイテムも頻繁に落としてませんか?」



 それは俺も感じた。

 駅近ダンジョンだとドロップするモンスター肉は約半分だ。


「にゃあ、にゃにゃあ」

(それはわたしのスキルなの)

「ニャアニャニャァァ」

(それはワタシのスキル)


 フローとフェイが、珍しい鳴き方をしてるが、どうしたんだろう?



 コボルトは7体いたけど、密集してるとこを

 狙ってボコボコに叩きのめして、消滅させた。



「ちょっ、強すぎる!?」


 翠ちゃんの『クールビューティ』キャラが崩壊しつつあるが、気にしない。


 気になるのは、スライムとボクサーウサギの正体だ。



 地下3階に突入した。


 ここからは、速度を落として普通に歩く。


 5分も歩かないで、2体のスライムと遭遇した。


 遭遇率は順調だ。

 2体ならフローとフェイに任せて、翠ちゃんの近くで待機する。


「ラ、ラージスライム……モンスターランク3!? 2本の触手攻撃をする?」


 間違いない、このダンジョン駅近ダンジョンとは少し違う。


 駅近ダンジョンは、1階2階はモンスターランクが1で、3階はモンスターランクが2だった。


 ここは階層とモンスターランクが今のところ同じだ。


 翠ちゃんのスキルで、ボクサーウサギまで暴いてしまおう。


「翠ちゃん、念のため周囲に警戒して」


 俺もスライム退治に参加する。


 強さで言えば、フローとフェイの方が強いが、攻撃力だけなら俺の方がある。


 しかし、スライムは物理攻撃に強かったか。

 しかも『ラージスライム』と言ってた。


 駅近ダンジョンのスライムは『スライム』だったはず。

 それなら、あの弱さも納得できる。


 スライムが2体で余裕のあるときに、翠ちゃんが話しかけてきた。


「弥さん、ここのダンジョンモンスターの強さがおかしくないですか?」


 そんなことを聞かれても解らない。


「これが、普通のダンジョンじゃないのか? 役所の人は『ウノ』だって言ってたぞ」


 翠ちゃんは、イマイチ納得してないようだ。

 だけど、それ以上の追及はなかった。



 扉の前までたどり着いた。


「翠ちゃん、4階のモンスターと1回戦ったら終わりにしよう」


 コクリと頷く翠ちゃん。


 扉を開けるとそこには密集した7体のラージスライム。


 今では、このスライムも敵じゃないから、スキルを使ってなかったけど、やってみるか。


「火球LV2!」


 ジュッ! ジュッ! ジュッ!


 一直線上に重なっていたラージスライムは、全て消滅した、どれだけ魔法攻撃に弱いんだよ。


 今度は4体重なってるところ狙って、試してみたいな。


 残り4体のスライムは、すこし時間がかかったけど、ノーダメージで消滅させた。



「……弥さん、スキルが反則過ぎます。それに猫ちゃんの動きも……」


 たしかにフロー、フェイと俺も張り切ってる。


 不思議だ。



 地下4階に到達した。


 4体のボクサーウサギと遭遇したから、倒してから翠ちゃんに、こいつの名前を聞くことにしよう。


「火球LV2」


 2体重なっていたボクサーウサギに、魔法攻撃をする。


 1体目突き抜けて消滅させたけど、2体目は倒せなかった。


 それなりに強いと改めて解った。


 でも、フローとフェイのダブルパンチであっさり消滅する。


 のこり2体となったボクサーウサギも時間の問題で、俺がタンク役をして、フローとフェイの、アタッカーで楽に倒した。



 小さめの口をポカーンと開けている翠ちゃんに、ボクサーウサギの名前を聞いた。


「あれは、(ジャイアント)ラビット、モンスターランク4で、徐々にパンチが鋭くなる、でした」



 やはり、俺の読みは間違ってない。


 翠ちゃんをサポーターにすれば、初見モンスターとの苦戦も緩和されるかも知れない。



 ここの魔法陣を使って、家に戻ってきた。




 翠ちゃんはしばらく黙っていたが、急に帰ると言い出した。


 俺のした行動で何かまずかったことがあったのか?



「弥さん、今日()帰ります。また明日」



 そして、翠ちゃんはいなくなった。


「また明日……か」


 翠ちゃんにしては、来る時間も言ってないし、明日の予定も聞いてない。




 夕方に翠ちゃんからメールが来た。


『先ほどはすみませんでした。明日の予定はありませんか? 大丈夫でしたら13時頃に伺います』


 翠ちゃんも抜けてるところがあるんだな、と、思いながら『明日は一日中暇だから、いつでもおいで』と返信をした。


 ただ、翠ちゃんの何かを悟った顔と、悔しそうにしていた表情が頭から離れなかった。














 ステータス


 ネーム……六角橋 弥

 レベル……15

 ジョブ……軽戦士

 ヒットポイント……434

 ストレングス……77

 デクスタリティ……89

 マジックポイント……114

 スキル……回復魔法3、火魔法3、速力上昇1、索敵0

 パッシブスキル……早熟、アイテム鑑定、消費MP半減、転職

 コレクション……孤児補正、双子補正、四兄弟補正



あと、1話で切りが良くなるので、そこまでは頑張ろうかと。



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