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【三十六階層】第三のスキル 地下5階

誤字報告がいつもありがとうございます。



 今日も、レベルアップを目指してダンジョンに潜る。


 地下1階と2階は、フローとフェイの無双タイムだ。

 フローとフェイは強敵を好んで戦う傾向にあるんだが、弱いモンスターも大好物だ。


 猫パンチ1発で、相手をダウンさせて様子をみる。

 これで生きていると、弧を描くように回り込んでからのスーパー猫ジャブの連打を浴びせる。


 その後の様子から俺は猫の心を読んでみた。

『生きてるかな?』

『手加減したから大丈夫だよね?』


 Gモールは消滅するが、コボルトはまだ消滅しないので、相手の隙をつくタイミングで一直線に向かい首に咬みついて、両足蹴りで更なるダメージを与える。


 たいがいはここで消滅するんだけど、たまに生き残るモンスターがいる時は、殴って転がして、消滅するまで遊んでいた。


「フロー、フェイ、そろそろ行こう」

 と、言うときっちり止めを刺すから、本能が『狩りで遊べ』となってるのかもな。




 地下3階に到達し、最初のスライムを倒したら、知らせが頭の中で響いた。


『速度上昇スキル【高速】を覚えました』


 俺は3種類目のスキルを身につけたようだ。


 よし、今日はこのまま地下5階のモンスターと戦ってみよう。



 スライムを蹴散らすように倒し、ボクサーウサギとフローとフェイの連携プレイで始末する。


 下に降りる階段が出現する部屋には、多くのボクサーウサギがいたけど、それすら敵じゃない。


 これくらいはできないと、この下では戦えないだろう。





 地下5階にたどり着いた。

 いつも通り、地上に行けるであろう魔法陣があり、その先に奥に行く通路が見える。


 5階は、4階と様変わりして、ゴツゴツした洞窟を思わせるフロアだった。


 しかし、足場は平らで壁の凹凸も緩やかだ。


 狭い場所もないし、戦い難そうな感じはしない。

 壁の質感は、ざらざらとしたウレタンに近い感触で湿度も温度も快適だ。

 駅近ダンジョンでも同様だけど、どの階層も、モンスターと戦いやすい環境なんだ。


 モンスターの遭遇に関しても、曲がり角付近を警戒していれば、問題ないだろう。



 洞窟の広がった場所を見つけた。


 注意して進むが、モンスターはいない。

 ここから道は5つに分かれて、一番左の道を選んだ。


 その先の広い場所で、モンスターを見つけた。


 モンスターは体長1メートルちょいの人型モンスター『コボルト』だ。


 地下2階で戦ったコボルトとは違う装備を持っている。


 小型の盾を持ち、磨かれていない小振りの剣を握り、一拍遅れて俺たちに気づいた。


「ギギギ」

「ギギギ」


 コボルトは2体、どう戦うか……


 俺が考えていたら、既にフローとフェイが動き出した。


 速い!

 目で追いかけるのがやっとの速さだ。

 これが、遊びじゃないフローとフェイの速度か。



「高速!」


 俺もnewコボルトを警戒して、速度上昇スキルを使い、援護の準備をする。


 コボルトは盾で構える前に、フローとフェイの攻撃を貰ってのけ反る。


 コボルトの攻撃も、簡単に避けてカウンター猫パンチ&噛み付き攻撃をした。


 このコボルトは動きが遅くないか?

 1回空振りしたボクサーウサギ程度な感じがする。



 もし、ボクサーウサギみたいに、空振りする度に攻撃速度が上がるような特殊能力でもない限り、敵じゃない。


 ボクサーウサギで鍛え過ぎたかな?


 だけど、俺の考えは甘かったと直ぐに思い知った。


 初めてモンスターが、意味の解る言葉を使った。


「ギギ闇撃LV1」

「ギギ闇撃LV1」


 モンスターの発音と同時に、黒に近い紫色の塊が発生して、フローとフェイに向かって弾け飛んだ。


「危ない! えっ?」


 テニスボールサイズの攻撃魔法を、フローとフェイはヒラリと避けてしまった。


 さらに余裕があるのか、仕返しの攻撃までしていた。


 つ、強い。


 俺独りだったら、今のでヤバイことになったかも知れない。

 死にはしなくても、確実に勝てない。


「ギギ高速剣」

「ギギ高速剣」


 コボルトが別のスキルを使ってきた。

 コボルトの攻撃が桁違いに速くなる。


 しかし、それもフローとフェイは躱し、反撃する。


 魔法攻撃も、高速剣も見えるけど、避けられる自信がない。


「フロー、フェイ、援護はいるか?」


「ニギャッ!」

「ふにゃ!!」


 ……なんか、怒られた気がする。


 ならば、俺のやることはコボルトの戦いを、視ることに徹する。

 こいつにもあるはずだ、弱点ともいえる攻略法が。


「フロー、フェイ、じっくり戦えるか?」


 俺はフローとフェイに防御に重点を置いた戦い方を要求した。


 今のでフローとフェイが理解したら、間違いなく探索者として賢くなっているのが分かる。


 そして、予想通り確実にヒット&アウェイで

 戦ってくれた。



 そして、暫く見学していたらコボルトは消滅して魔石を落とした。


 落とした魔石はF級魔石32個、コボルト1体で16個になる。


 地下2階で戦ったコボルトは魔石が3個だった。


 やはり、落とす魔石の数と強さは比例するのかも知れない。


 ならば、駅近ダンジョンで見たスライムとここのスライムは種類が違うことになる。


「翠ちゃんがいれば……」


 フローとフェイが振り返る。


 あっ、つい言葉が出てしまった。

「いや、翠ちゃんってさ、モンスター鑑定のスキルを持った探索者なんだよ。ほら、1回ご飯を作りに来てくれたことあるだろ?」


 なんで、フローとフェイに言い訳じみたことを言ってんだ?



 もう一度2体のコボルトと遭遇したから、フローとフェイにまた、じっくり戦うように頼んだ。


 やっぱり、ここのコボルトにもパターンがある。


『攻撃』『闇魔法』『高速剣』『ぎこちない攻撃』『ぎこちない攻撃』『攻撃』『闇魔法』『高速剣』『ぎこちない攻撃』『ぎこちない攻撃』『攻撃』『闇魔法』『高速剣』『ぎこちない攻撃』『ぎこちない攻撃』『攻撃』『闇魔法』『高速剣』『ぎこちない攻撃』『ぎこちない攻撃』『攻撃』『闇魔法』

 ここで、2体のコボルトは仲良く消滅した。


 高速剣の後の攻撃がどうも不自然だけど、

『攻撃、闇魔法、高速剣、下手な攻撃、下手な攻撃』のサイクルで動いていると解った。


 もしかしたら、別の動きもするかもしれないが、フローとフェイがこの戦い方を続けるならば、コボルトの攻撃もこのパターンで変化しないと思う。



 次は俺がコボルトと戦う番だ。














 ステータス


 ネーム……六角橋 弥

 レベル……12

 ジョブ……軽戦士

 ヒットポイント……434

 ストレングス……77

 デクスタリティ……89

 マジックポイント……114

 スキル……回復魔法3、火魔法3、速力上昇1、索敵0

 パッシブスキル……早熟、アイテム鑑定、消費MP半減、転職

 コレクション……孤児補正、双子補正、四兄弟補正



どうでもいい知識集


固有スキル


重戦士……物理防御、魔法防御

上級戦士……剣技、速力上昇、攻撃力上昇

治癒士……治癒、ステータス看破

鍛冶士……アイテム作成、アイテム鑑定



続く……かも?


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