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【三十四階層】駅近ダンジョン2階

あらすじを、追記いたしました。

誤字報告たいへんありがたいです。

 武藤さんのところのアイテムショップで『来週の金曜日に魔石を多めに売りたい』と伝えて、開店前に行く約束をした。


 何故開店前かと言うと、武藤さんが近々公開許可のおりる、新商品の説明会をしてくれるって話だったから。


 あと、数人他の探索者が来る予定とも言っていたな。





 土曜日の朝、翠ちゃんと駅の改札前で待ち合わせするのが恒例になってしまった。


 電車を待っている時に、翠ちゃんから相談を受けた。


「弥さん、光太郎さんも言うと思いますが、そろそろ地下2階に行きませんか?」


 翠ちゃんがダンジョンの地下2階に行きたいと言ってきた。


 しかも、読心術並の観察力で光太郎も行きたがってると予測していた。



 たしかに、2人の成長速度は凄い。


 光太郎は完全にGモールの攻撃を見切り圧倒している。


 翠ちゃんより力が弱いと本人は落ち込んでいたが、反射速度では翠ちゃんを大きく上回っていると感じる。


 その遅い翠ちゃんですら、Gモールの突進攻撃を貰うような鈍さはない。


 だけど、地下1階と2階の力の差は別物だ。



 でも強敵と戦う経験も良いかもと、考えてみた。



「じゃ、今日はそのまま地下1階で狩りをして、明日から地下2階に行くか」



「はい、実は光太郎さんからメールがきて、私から頼めば『うん、と言ってくれるぜ』とありました」



 読心術じゃなかったのかよ。

 それよりも光太郎、そんな頼み方をしたら、俺が女の頼み事に弱い人間に見えるからな。








「なんで俺独りで、2匹のもぐらを?」


「煩い、回復スキルは使ってやるから逝けっ! できなかったら地下2階行きは、なしだからな」


 少し厳しめに仕返ししておいた。



 でも、光太郎はかすり傷1つで、2体のGモールを倒してしまった。


「光太郎さん、強くなりましたね。私の方が先輩なのに」


 最後の小声、聞こえたよ。

 悔しそうにする翠ちゃん、結構負けず嫌いなんだね。



「それじゃあ、今日は地下2階に降りる階段を見つけて、終わりにしよう」


 そう、俺たちはまだ地下2階に降りる階段すら見つけてない。


 自分のところにあるダンジョンよりも広大な造りなのは、3日目で分かった。




「はい、少し待ってください」


 翠ちゃんが背中のリュックから、何かを取り出して広げる。


「えっと、今はここら辺だと思いますから、こっちの方に階段がありますね」



 そうだ、ダンジョンの地図なんてものがあったんだ。

そりゃ、下階に行く階段だって記されてるよな。




 翠ちゃんが、俺をじっと見てる。

 やめて、心を読まないで。



「ふう、弥さんこちらに行ってみましょう」


 翠ちゃんが呆れたように俺を見るんだが、気のせいだよな?



 ここから、地下2階にいく階段にたどり着くまで20分くらいしか経っていなかった。



 だけど、そこまで見つけたGモールは0体で、他の探索者パーティと1回遭遇しただけだ。



「地下2階へ続く道は、やっぱりモンスターと遭遇しませんね」


「階段は4箇所もあるのに、狩られまくってるのか」


「4つも!? あっ……」


 階段が4つもあるのに思わず声がでちゃったけど、そこは声に出したら不味いやつだ。

 光太郎でも知ってることを、知らないってのは変に感じるだろう。


「……」

「……」


 案の定、2人の視線が冷たい。


「今度、弥さんとじっくりお話しする必要がありますね」


 いや、毎回話してるよね?

 ダンジョン関連の世間話だけど。



 そのまま、モンスターのない通路を進むと『もうすぐです』と翠ちゃんが言ってくれた。


 ここのダンジョンに来て、初めて扉を見つけた。



 扉を開けると、そこには6体のGモールがいた。



「くっ、ついてません」

「スキル、使うか?」


「翠ちゃん、光太、1体ずつ任せるぞ」


 Gモールが突進するよりも早く動いて、群れの真ん中に行く。


 サッカーの要領で翠ちゃんと光太郎にGボールをパスする。


 後は、回りのGモールを切り伏せるだけだ。


 Gモールの突進を掌で軽くあしらって、剣で突く。


 接近してきた別のGモール2体を薙ぎ払う。


 Gモールが消滅して、小さな魔石になったが、2人はまだ戦ってる。


「えっ、うそ!?」

「信じらんねぇ!!」


 どうやら、Gモールと戦いながら俺を見るくらいの余裕はあるようだ。






 地下2階へと、行く階段は家にあるダンジョンと変わりなかった。



「地下2階です。この横には地下1階の入り口に転移できる魔法陣があります。そして出現するモンスターは大きな蝙蝠です。Gモールと比べると、力が弱いですが、代わりに機動力があるので注意してください」


「翠ちゃん、詳しいね。どこまで調べたん?」


「地下3階までです。弱かったのでそれ以上の知識はいらないかと」


 俺は新しいモンスターと戦えるのが楽しみだ。

 地下2階だから、コボルト程度だろう。


 家じゃあ、ダンジョンを更新する度に死にそうな目に遭ったからな。



 いた、都合よく3体しかいない。


 見た目は、確かに巨大蝙蝠だけど、Gモールより小さい。


「3体見つけた。最初は俺がやるけど、そっちに行くかもしれないから警戒してくれ」


「はい」

「おう」


 巨大蝙蝠は一斉に俺目掛けて襲いかかってきた。


 しかし遅い、翠ちゃんの仕入れた情報はガセネタだったみたいだ。


 先ず、1体を払うように斬る。

 続けて、返す動きでもう1体も斬る。


 巨大蝙蝠は斬られる直前、速度が上がったような気がした。


 あまりに鈍いから急に動くと狙いが定めにくい。


 お陰で1体、光太郎の方に行ってしまった。


「光太、行ったぞ!」


 光太郎と翠ちゃんが、巨大蝙蝠と戦う。


 俺に纏わりついていた2体は2撃目で消滅した。


 えっ? 魔石が1個?


 魔石の数に疑問を感じるが、光太郎と翠ちゃんの戦いを見学しよう。


 たしかに、Gモールより速い気がするが、微々たる差でしかない。


 ただ、光太郎や翠ちゃんが攻撃しようとすると、速度を上げて回避している。


 解った。


 巨大蝙蝠は、攻撃回避が得意なモンスターだ。

 だけど、その回避速度ですら鈍い。


 チェンジアップにさえ気を付ければ、Gモールと大差ない難易度だと思う。



「翠ちゃん、手加減した攻撃をしてくれ。光太、翠ちゃんの攻撃を避けたところを狙え」



「はい」

「おう」


 翠ちゃんは言われた通り、軽い攻撃をしたみたいたけど、速度は変わらない気がした。


 巨大コウモリは、速度を上げて回避したけど、避けきれていない。


 で、その後の光太郎の攻撃はしっかりと命中した。



 その要領で戦っていると、まもなく巨大コウモリは消滅して魔石を1つ落とした。



「なんか、思ったよりチョロいな。慣れれば俺1人でも倒せそうだぜ」

「私は時間がかかるかもしれません。あのモンスターは(ジャイアント)バット、ランク1のモンスターです」


 地下2階なのに、ランク1なのか。

 もしかしたらランク1でも強さが色々あるのかな。


 家のダンジョンはコボルトだったけど、けっこう苦戦したからな。



 結局予定とは違って、そのまま地下2階のGバットを倒しまくってしまった。














 ステータス


 ネーム……一関 光太郎

 レベル……8

 ジョブ……一般人

 ヒットポイント……160

 ストレングス……16

 デクスタリティ……24

 マジックポイント……32

 スキル……限界突破1、光魔法0、再生0

 パッシブスキル……EXP補正2倍

 コレクション……なし




 ステータス


 ネーム……七瀬 翠

 レベル……6

 ジョブ……農耕士

 ヒットポイント……150

 ストレングス……18

 デクスタリティ……18

 マジックポイント……30

 スキル……攻撃力上昇1

 パッシブスキル……農業、モンスター鑑定、EXP補正1.2倍

 コレクション……なし






どうでもいい知識集

固有スキル

一般人……なし

農耕士……農業

軽戦士……速力上昇、索敵

戦士……剣技、攻撃力上昇


続く

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