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【二十六階層】駅近ダンジョン2回目

誤字報告、とても感謝をしています。

 最初の10体くらいまでは、わざとゆっくりとGモールと戦って、光太郎たちに視ることを専念させた。

 Gモールの動きやパターンを学習してほしいからだ。



 そろそろ相手をさせようかと思ったら、都合よく単体のGモールを見つけた。


「な、翠ちゃん、光太やってくれ」

 七瀬さんって言いそうになった。



 2人の戦いを見てると、完全にGモールに力負けしている。


 だけど、動きのコツを掴んだのか、うまく戦えてる。

 おかげで、吹き飛ぶような当たりは受けていない。


 慎重に慎重に戦いを進めて、30数回攻撃を与えた時点で消滅した。


「よく見てたじゃないか。今度はGモールの突進がきたら光太は盾を斜めに構えて壁に当てるようにしてみよう。そうしたら動きが止まったところを狙って、翠ちゃんが渾身の一撃をぶちかましてみよう」


「おう」

「はい」


 次は、運良く5体のGモールを見つけた。

 モンスターとめったに遭遇しないこのダンジョンでは5体は貴重だ。


「ラッキーだ!素早く倒して孤立させよう」


 普通に戦うと、3回程度の攻撃でGモールは消滅する。


 まあ、2回で倒せちゃうことも、時々あるんだけど。


「弥のやつ、あんなに強かったのか……翠ちゃんは他の探索者と比べてどう見える?」


「はい、私がパーティを組んだ人たちと比べても、強いと思います」


「ほら、最後の1つは任せたぞ!」



 早くこいつらに慣れてくれよ。



 ◆

 ◆

 ◆



 行き止まりの部屋で昼食を食べる。


 俺はコンビニのおにぎりを食べながら、見張りをしている。


 翠ちゃんと光太郎には、しっかりと休んでもらうように言って、座らせている。



「弥さんは、休憩をとらなくても良いんですか?」

「そうだ、俺たちに気を使いすぎて、倒れるんじゃねぇぞ」


 2人は休まない俺に気を使ってくれるが、まだ軽い運動しかしてない。


 この階層なら24時間は戦えるぞ。


「悪いが俺は休憩するほど、戦ってない。だから気にするな」



「ボソボソ」

(俺、弥があんなに化物だとは、全く気づかなかった)

「ボソボソ」

(私もです。見たかぎりでは初心者と変わらない挙動をしていました)


「ボソボソ」

(アイツ、どのくらい強いんだろうな?)

「ボソボソ」

(一般の探索者たちの間では、スキルを3つ発動出来たり、地下7階層で戦える人を強者と位置付けていました)


「なあ、弥。使えるスキルって何種類あるんだ? 今まで何階まで潜ったことがあるんだ?」


「ボソボソ」

(光太郎さん、ストレートすぎます)



 なんかひそひそ話をしているかと思ったら、俺のことか。

 光太郎と翠ちゃんなら、正直に答えないと後々面倒になるかもな……主にバレた時の言い訳とか。


「スキルは2つで、4階まで潜ったことがある。あそこはなかなか強くて、一対一じゃないと勝てないかなぁ」


「ボソボソ」

(凄いけど、凄すぎじゃないみたいだな)

「ボソボソ」

(そうですね。相当な探索者だったなら、一緒にダンジョンに潜るのも気が引けますから)



 どうやら、疲れは取れたと思って良いみたいだな。


「よし、早歩きでどんどん狩ろう!」



 ◆

 ◆

 ◆



 しばらくすると、光太郎の動きが良くなった気がする。


 たまに貰う攻撃も『まだまだ!』と言って怯まなくなっている。



 すでに、今日は40体のGモールを倒したけど、

 モンスター肉は3つしか出現していない。


 41体目を光太郎が、倒した時にモンスターが肉をドロップした。


「やったな、これで昨日と合わせて6つ目だ。なんとか均等に分けられるな」


 軽く息を弾ませながら、嬉しそうにする光太郎。


「はぁはぁ、これだけ苦労したんだ。美味くなかったら怒るぞ」


「すぅぅ、ふうぅぅ。私も期待しちゃいます」


 七瀬さんも感動を隠せないようだ。

 なんか、大袈裟過ぎないだろうか。


「じゃ、これは俺が預かっておくな」

 マジックバッグに肉をしまう。


「間違いないです。 弥さんの持ってるバッグは、マジックバッグなんですね」


「へぇ、これが噂のマジックバッグか、どこかの雑誌で、小型のマジックバッグに装飾して写真をSNSに投稿しているのを見た。凄く金がかかるらしいじゃん」


「まあな、だけど今はモグラ退治だ。行くぞ光太、翠ちゃん」



 それからさらに戦ったけど、翠ちゃんがきつそうにしているから、終わりにした。


 帰りの通路で、2回ほどGモールと遭遇したけど、俺が倒した。



 ロッカーで着替えてから、昨日の探索者レストランに入った。



 特に反省することもないから、食べて落ちついたら、手に入れた魔石やモンスター肉を、分けることにした。


 七瀬さんが消音シートがくっついてる小皿を、出してくれた。


 七瀬さんは、色々と細かい知識があって頼りになる。


「光太郎さんを探索者にする集まりでしたが、こんなに戦利品を集めることが出来ました。これも弥さんのお陰です。ありがとございました」


 真面目な表情の中に、満足気な面影を感じてしまう。

 実際にそうなのだろう。


「ああ、探索者になるのは厳しいって話だったけど、こんなに順調に探索者になったのは弥のお陰だ。ありがとな」


 光太郎にも面と向かって礼を言われると、むず痒いな。


「でも、均等に配分するってことで、いいのか?」


「そうです。ほとんど弥さんが倒したんですから」


 まあ、そう思うのも無理はないけど、決めたことだし、この程度ならフローとフェイでダンジョンに潜れば、あっという間に集められる。



「最初に決めたことだし、肉も金にも困ってないからな。さあ分けよう」


 この2日で手に入れたモンスター肉は6個、魔石は69個だった。


 偶然『3』で割れる数だったので、光太郎と翠ちゃんに23個ずつ魔石を渡した。


「おおっすげえ! この魔石、全部売ったらいくらになるんだ?」


「1万1500円です、光太郎さん」


「おおっ、スゲェじゃん。もっと強くなったら探索者で食っていけるんじゃねぇのか」


 光太郎は、はしゃいでいるけど、食べていけるほど稼ぐにはまだまだ先の話だぜ。


「ふぅ、光太郎さんこれは殆ど弥さんが倒したんですよ。手伝ってもらったことを踏まえれば、私たちの働きは1000円くらいです」


 七瀬さんが『ダンジョンは甘くないのよ 』と忠告してくれる。


「げぇ!? 割に合わねぇ……だけど、あれだけモンスターを倒してるのに、強くなった実感がわかないんだよなぁ」


 それは俺も感じた。


 俺の時はびっくりするくらいパワーアップして、あのGモールが雑魚に早変わりしていたからな。



「私は最後の方で強くなった実感があります」


「えっ、そうなの? 俺が鈍いのか?」


「それは判りませんが、強くなったのは弥さんのお陰です。弥さんのサポートと回復スキルのお陰で、たくさんのGモールを倒すことが出来ました」



 素敵な瞳でまっすぐ見つめられると、照れる……いや墜ちるから。


「……ふぅん、ねぇ翠ちゃん、来週の土日は予定あるのか? なければまたここに来ないか? 」


「えっ、特に予定はないですが」


 こんな美人が連続で土日暇なのかよ!


「今なら、弥が付いてくるぜ」


 俺は景品かっ!


「分かりました、来週も同じ時間で良いでしょうか?」


 景品に釣られた!?


「それだけ、弥が便利ってことだろ?」

「そうです。強さじゃなく、回復スキルはレア中のレアなんですから」


 こうして、来週も駅近のダンジョンに行くことになった。


 そして、光太郎の発現するスキルが、回復スキルより、ずっとレアだったと後に知ることになる。















 ステータス


 ネーム……一関 光太郎

 レベル……3

 ジョブ……一般人

 ヒットポイント……60

 ストレングス……6

 デクスタリティ……9

 マジックポイント……14

 スキル……限界突破0、光魔法0、再生0

 パッシブスキル……EXP補正2倍

 コレクション……なし




 ステータス


 ネーム……七瀬 翠

 レベル……3

 ジョブ……農耕士

 ヒットポイント……75

 ストレングス……9

 デクスタリティ……9

 マジックポイント……15

 スキル……攻撃力上昇0

 パッシブスキル……農業、モンスター鑑定、EXP補正1.2倍

 コレクション……なし





タイトル変更の提案です。

『終末ダンジョン~あの有名なダンジョンが俺の家に出現した~』



どこかの作品と丸かぶりしていなければ変更する予定です。


最近の人気のダンジョンものと被ってないのは確認済みです。



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