表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ダンジョンメンタルクリニック

シンジケートの懲りない面々

作者: 悠木 凛

「アニキ、あの医者、一体何者なんです?」


 のっぽが車を運転しながら、丸いほうに聞いた。


 アニキと呼ばれた男は、それには答えずに「もう数年前の話になるかな」と言った。


「樹界深奥に一人で潜っては、レアハーブをごっそり採ってくる、凄腕の冒険者がいたんだ」


 のっぽは、「一人で潜ってレアハーブを!?」と驚いて言った。


 ダンジョンハーブの中でも、最深部にしか存在しないという貴重なものがレアハーブと呼ばれており、闇ルートで非常に高値で取引されている。


「ああ。そいつは最新鋭のプロテクトスーツを着込んでいて、フルフェイスのヘルメットをかぶっていたから、その正体を知っているのはごく一部の人間だけだった」


「アニキ、まさか、あの医者がその凄腕だっていうんですか?」


のっぽに聞かれ、丸いほうが「さあな」と答える。


「俺も、奴の正体は知らないんだ」


 笑いながら言うのを聞いて、のっぽは「おどかさないでくださいよ」と言った。


「しかしな、そいつには、あだ名がついていた」


 丸いほうが、ニヤリと笑って言う。


「ヘルメットも、プロテクトスーツも、そいつが身に着けているものは、すべて真っ赤だったんだ。その見た目のせいだろう。ついたあだ名が『ブラッディ・エリー』だ」


「ブラッディ・エリー?」


 のっぽは、「ブラッディ・マリーじゃなくてですか?」と聞き返した。


「そうだ。なぜエリーになったのかは、俺にもわからん。しかし、なぜかさっきあの医者と話しているときに、ブラッディ・エリーのことを思い出したんだ」


 丸い男は、「案外、ブラッディ・エリーは女だったのかもしれないな」とつぶやいた。


拙著『ダンジョンメンタルクリニック(3)』の、後日談です。

本編では、院長先生にコテンパンにやられていたシンジケートの二人組ですが、気になる言葉を残しています。


『ダンジョンメンタルクリニック』及び、スピンオフ作品の『医大に受かったけど、親にニューハーフバレして勘当されたので、ショーパブで働いて学費稼ぐ。』と併せてご覧いただければと思います。


どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ