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魔眼の王~思考読解の邪視~  作者: くろふゆ
  第二章 終焉の鐘が鳴る rule uselessness kills each other
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021話 姫宮詩乃

 姫宮詩乃は一人暮らしの居間で、自分の大切な親友――九条透について考えていた。


「……今でも覚えているよ、透。私たちが初めて出会ったあの日のことを……」


 彼は冷静沈着でありながら、ときに行事などで熱く盛り上がる……ふりをする性格であり、物事を額縁の外から俯瞰的に見ることで、私情を一切挟まず問題の解決や正確な答えを導き出す力がある。少しばかり頑固な一面があるが、基本的に人の話をよく聞き、与えられた情報が有用かどうかを己の中で取捨選択し、大切だと思うことや道理に合ったことは素直に聞き入れ自分の糧にすることができるし、柔軟な思考を持っていると思う。


 それに加えて、他人の思考や感情を、精神面や言動から読み解くことが得意だ。


 しかし、そんな透も『誰かに愛されたい』と強く思っている。

 心の奥底では一人になることを怖がっている。

 だから、詩乃はそんな彼のことをほうっておくことができなかった。


「神様、もしも孤独を分け合うことができるなら、透の半分を私に下さい」


 ずっと側で見てきたからわかる。彼の強さの理由が。

 背負ってきた無数の痛みが、九条透の狂気じみた強さを裏付けている。でも――

 辛いことや悲しいことを知っている人間ほど、他人に対して優しくできるはずだから。


「今、透は何をしているんだろう?」


 なぜか凄く嫌な予感がする。こういうとき、自分の勘はよく当たるのだ。

 詩乃は思い切って、透のスマホに電話をかけてみる。


 しかし、いつまで経っても呼び出し音が鳴り響き、透が電話に出ることはなかった。


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