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不運極まる冒険譚!  作者: aito
第2章 とりあえず一週間が過ぎたので・・・
8/20

またクエストに出掛けますか


次の日、また全員で冒険ができることとなった俺たちは今まで通りクエストに出ていた。

「そういえば今ってこいつらが大量発生する時期なんだってな。なんでこの間はいなかったんだ?」

俺たちが今やっているのはフォグロの討伐。この時期にいないなんておかしいと受付で言われるほどのモンスターなのに。

「いなかったわけじゃないですよ。ただ私が少し先に街の外で殲滅してたんです。」

「リコットがか!?これだと私の役目が・・・」

ショックを受けるユイ。正直言ってリコットがそんなにできるなら俺もやることがなくなるのだが。

「でももう双剣はあんまり使わないようにしますから今まで通りお願いしますね?」

「使わないのか?あんなに強いのに。まあいい。私がやってやろう!ファイアー!」

「相変わらずスゲェな、その【魔砲】だっけ?てか打ち上げて当てるのはダメなのか?その方が全方位が・・・ってねてるんだった!」

「おはよう!」

全く。人の話を無駄にしやがって。それよりなぜかスケインまでいたんですが、なぜ残っていらっしゃる?

「あいつらまでは届かなかったか。範囲ばかり気にして射程を考えていなかったな!」

「笑顔で何言ってんだ!ケイ!仕事だ!」

「え、私!?」

「お前自分の役目忘れてやがったな!?」

「忘れてない!」

そう言って俺たち二人で突っ込んでいく。

「頑張ってくださーい!」

リコットの声だ。

「やっぱりリコットさん、双剣を振り回していただけませんか!?」

グダグダ戦闘は変わりそうにありません。


一応全てのモンスターを倒した俺たちはいつも通り酒場に向かおうとしたのだが。

[街の警備団の方たちは至急詰所に集まってください]

そんなアナウンスがかかりケイはどこかへ行ってしまった。酒場に着くといつも通りリコットはテーブルで眠る。もっと体力つけてくれよ・・・。そうして今日もまたユイと二人で話すことに。

「リコットにお祝いしてあげたかったのだが。やはり寝てしまったか。」

「疲れたんだろうよ。最近いろいろあったしさ。」

「そうだな!ゆっくり寝させておいてやろう。」

「なぁロリっこ、お前そろそろ新しい自分に合った服にしたらどうだ?」

「ロリじゃないっ!」

「シー!寝てるんだぞ?」

「ぐむむ・・覚えていろよ?あとこの服はどうしても捨てられないんだ。というか着ていたいのだ!これはお前と出会う前、ある人にもらったものなのでな。」

「そうか。じゃあ仕立て直してやろうか?大きさが合うように。」

「お前にできるのか!?」

何を隠そうこの俺は洋服屋の息子。小さい時から相当訓練している。中学生くらいからはやめてしまったが。

「そんぐらい朝飯前だぜ!」

「すごいな。なにもできないと思っていたが少しはできることがあったのだな!」

「なんだと!?」

「シー!寝てるんだぞ?」

「ん・・・。」

「まあ頼むぞ。今日の夜に私の部屋に来てくれ。その時に渡すから。」

「あ、あぁ。」

このイベントはいいことが起こってほしいぞ!?

「おい、ユウマ!大変だ」

そう言ってケイが戻ってきた。

「今度はなんだよ!」

「飴が降る。」

「「え?」」

俺とユイは声をそろえた。今飴といったのか?

「飴だ。ものすごい温度の飴が降ってくるんだ。家が危ない!」

ああこれはもう無理そうだわ。夜のイベントごと家がなくなる気がした。

家に着いたときには空がもう暗くなってきており、降り始めていたようだった。

「フローズン!」

ユイが【魔砲】を使わずに魔法を放ち飴をひやしていていく。固めてしまえば一つ一つは小さいので問題ない。それなりの魔法石を消費しているが仕方ない。家を守るためだ。

・・・・・

飴は止み、結果、家は守られた。だがしかし、消費した魔法石の額はケイが払っていた修繕費を上回るものらしい。

「私が守った意味を返せー!」

家が燃える以上の不運があったとは。もちろん魔法石は割り勘なのでバカにできない出費だ。これでは全員幹部を倒した分の賞金がほとんどなくなってしまっただろう。

「私だけ幹部を倒す前より貧乏になったんですけど!?ていうかリコットには賞金かかってなかったし!」

ケイがそんなことを言っているが、自業自得だろう。

「家があるだけいいと思え。少ない出費で家が買えたと思っとけ。」

「そんなー・・・」

「なんかすいません・・・」

金はなくなったが家はある。つまり夜の約束もあるのだ!そんな少しの喜びを抱え、初めての家で過ごす時間を迎えた。


ユウマは家の前で

「まだ夜まで時間があるので掃除をしようと思う。」

と言った。先に言っておかないとこいつらは何をしでかすかわからん。

「そうですね。」

「ああ、わかった。」

リコットとユイは返事をしたのだがもう一人の声が聞こえない。

「ケイはすぐに家に入ってしまってそのままだぞ?」

「遅かったか!てかあいつ立ち直り早っ!」

そう言いながら扉を開けると綺麗な廊下が目に入って来た。

「あれ?なんだ、掃除されてるのか!さすがリコットのお父さんだな!」

ユイがそう言う。

「掃除はしてないと言われてたんですけど。」

「みんな遅いじゃないか早く掃除を手伝ってくれ。」

そこには掃除をしているケイの姿があった。

「お前なにか変なもん食ったか?」

「相変わらずひどいな!?私だって掃除くらいするさ。」

「それはそうか・・でもやけに完璧だな。得意なのか?」

「まあな。昔からよくやっていたんだ。」

いきなり調子が狂いそうだが、どうせどこかにミスがあるのだろう。

「ありがとな。じゃ俺たちもやるか!」

ケイがやったところを見てみたがミスは何一つなく、塵一つないレベルできれいだった。

(疑ってごめん!)

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