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不運極まる冒険譚!  作者: aito
第2章 とりあえず一週間が過ぎたので・・・
7/20

領主の息子を届けますか


領主の邸宅はギルドから南に2キロほど離れた街の端の方にある。

「リコット、全員で行く意味はないのではないか?」

「そんなことはないですよ。その方がいろいろ事情を説明しやすいですし。」

「そうか?リコットがそう言うならそうしよう!」

ユイとリコットが歩き始めてから今更とも思えるやり取りをしていた。

「そう言えばリコットって本名じゃないんだよな?本名はなんて言うんだ?」

俺はふとそんなことを疑問に思い、聞いてみた。

「リープ=ピネです。」

「私も実は本名じゃないんだ。私の本名はケイドールというのだ。」

「あと、この格好もばれないようにしていただけで、決して私がそういう人ってわけじゃないですからね?」

「何!?そうだったのか!?」

ユイが普通に驚く。そりゃ失礼だよ。

「ちょっと待て誰か反応してくれないか!?」

「じゃあもう普通の格好でもいいんじゃないか?」

「いや、その、なんていうか慣れちゃって。それに今男物の服持ってないんですよ。」

「そりゃもうそういう人の域じゃねえのか!?」

「そんなことないですよー。それよりそろそろじゃあないですか?」

「ねぇ、またスルー!?」

そう言われて前を見ると少し離れたところに屋敷が見えてきた。

「あれか。何気に大きいな・・」

「当たり前じゃないか。領主の屋敷だぞ?」

「ケイ!?お前いたのか。」

「私だけいつも扱いが酷くないか!?」

そうこうしているうちに門の前へ着いていた。

「すみませーん。どなたかいらっしゃいますかー。」

俺がそう呼びかけるといかにもメイドらしい格好をしたメイドが出てきた。

「なんの御用ですか?」

「コミヤユウマというものなんですが、捜索願が出されてた領主の息子さんを見つけたんで通して頂きたいんです。」

「少々お待ちください。」

そう言ってメイドが屋敷に入ると数秒後に領主が走って出てきた。

「どうぞどうぞお入りください。」

そう言われ、応接間に通されるとすぐに

「私の息子は、リープはどこに!?」

と聞かれた。相当心配していたのだろう。それがものすごく伝わってくる。

「ここです。お父さん。」

リコットが返事をするが。

「な!?私に娘がいた覚えはないのだが!?」

「落ち着いてください。髪を伸ばしてスカートはいてるだけですよ。わからないようにするために。」

「そ、そうか。」

「聞いてくださいお父さん。私は冒険がしたいんです!この間は魔王の幹部を倒しましたし、活躍も出来ます。私がやめたらこの方達が・・・」

リコットがそう言っているところにかぶせるように領主さんが

「聴くのはお前の方だよ、リコット。まず私はお前に反対はしていない。少し待てとそう言ったはずだろう。お前を支援できるように準備を整えていたというのに。それに活躍するのはいいことだが周りのことを考えるようにしろ。お前の悪いところだ。一人でなんとかしようとしていつも無理をする。周りはとても心配するしお前は疲れが溜まるだろう、ちょうどいまみたいに。私から言えるのはこれくらいだ。」

(あれ?俺たちが頑張って倒したのってここでしめすため?しかも意味なかった!?)

俺はそんなことを考えたがもはや面倒にまきこまれるのは茶飯事だ。そこまで気にしなくなってきた。

「あれ!?じゃあいいの?」

「ああ。子供がやりたいと言うなら協力するのが親というものだろう。」

「ありがとうございます。」

リコットは深く礼をした。

「それと、家がいるようになってくるのではないか?それならうちの使っていない家を使っても良いぞ。」

ユイが疑問を抱き、質問をする。

「そんなにして頂いてもいいのだろうか?」

「ああいいんだ。これくらいしかできないがな。」

「「「ありがとうございます!」」」

お父さんいい人すぎだろ。

「それじゃあこれで失礼させていただきます。」

「ああ。連れて来てくれてありがとう。ユウマ君、それにお二人も、これからもリープを頼むよ。」

「はい。それでは。」

そう挨拶をして俺たちは屋敷を後にし貸していただいた家を見に行くことにした。

「なぁリコット、その家ってどこにあるんだ?」

「ギルドの近くだったはずですよ。たぶん。」

しばらく街を歩いて。

「着きました!ここ・・です・・・よね?ここのはずなんですけど。」

ついた家は外壁がボロボロで・・・

「なあ、これはおそらくスケインの時にこうなったんだと思うぞ。」

ユイがそう言った。まぁ十中八九そうだろう。ならば。

「ケイ。この修繕費は全部お前な。」

「そ、そんな!私の金が〜。」

「なんかすいません・・・。」

今すぐには無理そうだがとりあえず立派な家を使えるようになった。やっとあの宿の固いベッドとおさらばだ!

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