こんな帰還ですか?
街に戻るとそこにもまた異様な光景が広がっていた。商店街の店は全て閉まっており、代わりに大量のスケインと戦う冒険者たちがいた。
「おい、何があったんだ?」
近くで治療を受けていた冒険者に俺が聞くと
「街の東でこいつらがいっぱい出現していたんだがなぁ、どっかのバカな冒険者が門を開け放って行きやがったおかげで入ってきちまったんだよ。」
既に嫌な予感はしていた。三人の方を見ると明らかに様子のおかしなケイが目に入った。
「おまえかあぁぁ!」
「ちがあぁぁう!」
「嘘つくな!今は閉めてきたよな?」
「• • •」
「閉めて来い!」
こんな仲間しか集まらないのかよ。運がマイナスってそんなにひどいんですか、女神様!?
「今戦えるの俺だけだよな、ユイ?」
「私にだけ聞いたわけを聞こうか?」
うん、俺だけだ。街の中だと経験値が分け与えられないが仕方あるまい。そう思いながら加勢しようとしたその時
ヒュッ!
「え!?ユウマさん!?」
リコットの声がし、俺は倒れる。すぐにリコットがおれの口に回復ポーションを流し込む。足や肩にはまだ痛みが残っていたが傷はなくなったようだ。
「アーチャーの一斉射撃があたるってどういうことだよ!」
「アーチャーの運が悪いかお前の運が悪いかどちらかだろう。私のことをロリ呼ばわりしたうえ馬鹿にした罰だ!」
ユイが二つの可能性を指摘するがそれは俺にとってはほぼ一択と変わらない。俺を超える運の悪さを持った奴などまずいないだろうから。
「まぁ少なくともロリをロリと言ったことへの罰ではないな。」
「そこだけ確信を持つな!それにロリではない!」
「まぁまぁ」
そんな事をしているうちに討伐は無事に(?)終わっていたようだった。
「それじゃ報酬受け取りにでもいくか。」
「はい」
「うん、行こう!」
純粋なリコットと金が命になっていくと思われるユイが同じような返事をする。そうしてギルドに向かって・・・
「ちょっと待てー!」
「あ、ケイ!忘れかけてたわ。」
「酷くないか!?二人も!」
「「・・・」」
目線をそらす二人。
「えぇー!!」
「ま、全員そろったんだからいいじゃないか。」
「なぁそんなことより早く報酬を!」
金が欲しくてたまらないユイがせかしてきた。
「え、そんなこと!?」
若干かわいそうなケイを引っ張って俺たちはギルドへ。
まぁすんなり報酬もらえるわけないですよ。ステータスメダルの討伐体数を見せたところ「多すぎる」と怪しまれる始末。一難去ってまた一難どころじゃねぇよ!