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不運極まる冒険譚!  作者: aito
第1章 転生させていただきました!
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こんな転生ですか?

プロローグ

 あの日はおかしいくらいの晴天だった。俺は一瞬その日出かけたわけを忘れそうになった。その日は俺が前から集めていたラノベの最終巻の発売日だった。

(ああ、もうちょっとで書店だ)

そう思いながら道路を渡る。・・・はずだった。俺はその場に倒れた。何が起きたかは分からなかったのだがおそらく熱中症だったのだろう。今思えばあの日に出かけなければこんなことには、少なくとも16歳で一度目の人生の終わりを迎えることにはならなっかったのに。


 気がつくとそこは何もない真っ白な空間だった。まあ正確に言えば白いことがわかるので光はあるのだろうけど。ふと何もなかった空中に四角い画面のようなものが生まれた。驚いてそちらを見ると女の人が写った。「わかってると思うんだけど一応言っとくね。あなた死んじゃったんだよ。」

やっぱり。てことは?

「もしかしてあんた女神か?」

「まあね。であんたどうするの?同じ世界に生まれ変わる?それとも異世界?異世界なら記憶もひきつげるけど?」

(きたぁぁぁ!これこそ俺が読んでいたラノベの展開だ!)

「もちろん異世界だ!当たり前だろ!」

(この後はおそらく道具的な何かをもらえる展開だよな)

「それじゃいってらっしゃーい!」

女神さまが笑顔で手を振り・・・あれええ??

こうして何もかもうまくいく気がしない俺の異世界転生がはじまってしまった。


 俺の勘は非情にも当たる。俺がはじめにおろされたのは定番、中世ヨーロッパ風の街・・・の監獄の中。ねえ女神様ぁ!?ちゃんと働いてくださらないと困るんですけど!?俺の運のせいですか?

その後たっぷりと尋問されたが何もしていないとわかってもらえた。謎の見張りをつけられることにはなりましたが・・・

「まぁ気を取り直して冒険者ギルドにでも行きますか。」

え?どこだろう?聞いてみるか。

「すみません、冒険者ギルドってどこですか?」

と、その辺を歩いていたおじさんに声をかける。

「ん?冒険者志望かい?がんばりなよ!ここからだと遠いからねぇ。街の反対側の端だよ。」

「あ、ありがとうございました・・・」

反対側かよ・・・ていうかがんばれってギルドに行くほうなんだね。冒険者になることじゃないのね。まぁ情報収集ができただけでも良しとしようか。その日一日かけて俺はギルドに辿り着いた。

(遠いにもほどがあんだろうが!)

 野宿で一夜を明かした俺は満を持して(?)ギルドへ

「おはようございます。新しく冒険者になられる方ですよね?これをお持ちくださいステータスがわかりますので。」

そういわれて500円玉ほどの丸いメダルを受け取るとステータスが中空に浮かんだ。

ステータスには名前、レベル、攻撃力などいろいろあったのだが・・・

「私、こんな人初めて見ましたよ。運がマイナスだなんて。運だけはレベル上げてもかわりませんからねえ。アーチャーはだめそうですね。タンクか剣士ってとこですけどどうされますか?」

「運がマイナスって何気に傷つくんですけど。まあそれはそうとして魔法使い?ウィザード?みたいなのってないんですか?」

「え?ないことはないですけどそんなにお金がかかる職業で大丈夫ですか?」

「お金がかかる?」

「知らないんですか?今は魔王が大気中のマナをほとんど吸ってて使い捨ての魔法石を大量に持っていないと戦闘なんてできませんよ。もっともそんなに持っていたら重くて動けないのでどっちにしろ役立たずなんですけど」

・・・・・・これも運なのかよ。この世界の魔王何してくれてんの?

「じゃあ・・剣士で・・」

「はい、それではとりあえずこの剣を。あとは仲間を集めるなりなんなり好きにしてくださいね」

お姉さん最後雑だな・・・そう思いながら礼を言い仲間募集の紙を張っておく。低レベルでも仲間がいるのは心強い。というか一人だと運が悪すぎて何に出会うかが怖すぎるだけなのだけれど。とりあえずステータスを見ながら待つことにする。

名前:コミヤユウマ レベル:1 攻撃:30 防御(物理):30 魔力:30 防御(魔法):30 運:-30  評価:運以外はレベル相応               職業:剣士 性別:男

(・・・なんもいえねぇ)

「すみませーん。えーと、さっきこの張り紙張ってた人ですよね?私を仲間に入れていただけませんか?」

そう言ってやってきたのは修道女のような格好をした髪の長い同い年くらいの可愛い娘だった。これは珍しくラッキーなことが起きたか!?そう思いながら

「お名前と職業、レベルを聞かせてもらってもいいですか?」

「はい、えーとリコットです。職業はヒーラー、レベルは2です。」

「あれ?ヒールも魔法じゃないの?ていうかレベルをヒーラーだけで上げるのはきつくないの?」

「あ、えーと基本は回復薬の調合とか魔法も少しはつかいますけどね。昨日は他のパーティーにいたんですけど追い出されちゃって・・・」

「ふーん、まぁこれからよろしくな。」

なんか順調かもしれないぞ!

「あの、えーと先に伝えておきたいんですけど・・・」

「なに?」

「私、男ですので。」

前言撤回、順調さは微塵もなかった。初めての仲間が男の娘とは・・・誰得だよ!?と思いつつ二人目に期待する。どうせ駄目だろうが。

「すまない。この張り紙をはったのはあなたか?ぜひ仲間にしていただきたい。先ほど冒険者を始めたばかりなのだ!」

やっぱりだめそうだ。一目でわかる。リコットはまだいいのだがこいつは絶対にダメな気がする。ショートカットに大きすぎるワンピースのような服を着ている。そして右手には身長よりも長い杖を持っていた。

(ここはさらっと断っとこう)

「すみまs・・」

謝ろうとした俺にかぶせてリコットが

「えーと、これからよろしくお願いしますね。」

「うむ、よろしくたのむ。」

「おいおい、勝手に仲間にするなよ!」

「では、自己紹介させて頂く。」

「勝手に進めんな!」

なんかもう入れることになった少女は

「私はユイ、見ての通り職業はウィザード、レベルは1だ!」

「ていうか魔法石ないと魔法って使えないんじゃないの?」

「ステータスに魔力というのがあるだろう。私はそれが生まれつき高いのだ。よってウィザードとなることができる。私の魔力値は50だ!」

・・・・・・・

「いや俺とさほど変わらなくね!?」

「そのうち上がるのだ」

「はぁ・・・ま、あとタンクが来ればそこそこのバランスはとれるだろ。」

「おい、今ため息をついたな!何が不満なのだ言ってみろ!」

「え、あの、ユイさん落ち着いてぇ。」

何やらいろいろ言われているがとりあえずスルーしておくことに。こんなことしてる三人に近づくような奴いるのか・・・

「そういえば見張りさんて仕事ないの?」

何気にずっとそばにいた女性らしい容姿の見張りに声をかけた

「え?急に私?いや確かにドジってて戦力外通告受けたんだけど・・・」

「見張りさんなにしちゃったんですか?」

ふたりの会話に興味を示すリコット。

「いやあの・・囚人が「親が病気で・・・」とかいうから檻から出してあげただけなんだけど・・・」

「「「絶対それだよ」」」

見事に三人の言葉が重なる。

「で結局職業はなんなのだ?もちろん冒険者としてのだが。」

ふと本題に戻すユイ。

「あ、一応タンクだよ。レベルは23かな。」

「高っ!じゃあパーティーに入るってことでいいか?見張りさん?」

「あぁまぁいいだろう。あと私の名前はケイだよ。よろしく。」

「じゃあとりあえず今日は解散で、明日からはクエストやっていこうぜ!」 

三人がそれぞれ返事を返す。(見張りってあんな風に仕事を放棄していいのかな?ま、俺には関係ないかな?)こうして記念すべき冒険者生活一日目(異世界生活一日目ではない)が幕をとじた。この日一番印象に残っていたのはリコットと風呂に入ったことだろうけど・・・

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