46話 ダンジョンクエスターズ
怖がりな相方と地下ダンジョンを進んで行く。
途中でモンスターは現れなかいが、さっきから変な感覚に襲われていた。
「何か頭が痛いな…アレーラは?」
「ウチは何ともあらへんよ。恐怖感で頭がおかしくなりそうやけど」
これはこの霧のせいか。
唯一まともなはずの私がまともでなくなってしまったらパーティー全滅は避けられない。
単独行動のノリコ、はぐれたべーちゃんというポンコツロボットとの合流は第一優先、ゴーストを倒し呪いを解くのが第二優先、あわよくば伝説の武器も手に入れるのが第三優先だ。
命よりも大切な物はこの世界では存在しない。
「なぁなぁ…マキマキってこの世界の人ちゃうんやろ?」
「どうしてそんな質問を?」
「なんとなくや。気分を紛らわそうと思って…」
気分を紛らわすか…確かにその通りだ。
このままでは頭がおかしくなってしまう。
アレーラと会話をしながら進んでいこう。
「私は日本という国から来た。こことは違う異世界から来たのだ」
異世界…そういえば忘れていたけどアレーラに聞いておくか。
「なぁアレーラ。お前マルチネス救出の報酬を忘れてはいないだろうな?」
「報酬…?あ!?…な…何のことやろな〜」
今1回思い出したよな?
闇の一族からマルチネスを助ける代わりに情報を教えてくれるという報酬をすっかり忘れていた。
どうせだしここで聞いておこう、
「報酬は報酬だ。約束は守れ」
「わ、分かった…えぇと…ウチが関西弁が得意なんは…その…ウチも異世界から来たからなんや」
やっぱりか。
私や水道橋博士以外にも日本から来た人がいたんだ。
こんなにも重要な手がかりはない。
アレーラには悪いが取り調べさせてもらうぞ。
「どうやってここへ?」
「えーと…あ!スイッチや。スイッチを押したらここにいたんや」
やはりスイッチを押すのは変わらないようだ。
しかし、なぜスイッチなんだ?
しかも突然目の前に現れるなんてまるでワープでもしてるかのようだ。
何か共通点でもあるのか…
「もうええな。これでこの話はおしまいや!」
「まて…まだ話は…」
「ブゥオオオオオオオオオオオッ!」
謎の雄叫びが地下ダンジョンに響き渡った。
まるで獣…そんな雄叫びだ。
「なんや今の…」
「気をつけろ…近づいて来てる」
走りながらこちらに近づいてきていた。
姿は見えないが確実に足音が近づいてきてる。
「逃げるぞ」
「はいな!」
私達は再び逃げ出した。
ここでの戦闘は意味がない。
第一優先はあくまでも仲間との合流なのだから。