表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/48

36話 計画通り…!

 洗脳されたように見えた私達2人。

 しかし、実際には練りに練られたしっかりとした計画であったのだ。


 最初に計画が練られたのは爆弾の煙へ向かう道中である。

 アレーラの作戦が不安だと感じた私は念のために策を練っていた。

 それが“洗脳されたフリ”である。


 そしてアレーラの策は見事に失敗。

 敵が洗脳攻撃をして来た時に作戦は実行されたのだ。

 私は小言で呟いた。


『バルッサ…』


 そう…私は自分に対してバルッサの呪文を唱えたのである。

 バルッサは魔女リリースに教えてもらった3分間だけ目が見えなくなる呪文である。

 まさかこんな時に使えるとは思ってもみなかった。


 偶然にもアレーラにもその呪文は効いていたようでアレーラも洗脳を回避できたのだ。

 そして敵の本拠地に入り情報を集め、現在に至るという訳だ。

 酒に酔っているこの集団相手ならば、まだ分がある。

 これも計画通り…!


「ボッチャー様…いや…ボッチャー!お前の悪事もここまでだ」


「ふふふ…ふはははははははは!!」


 ボッチャーの高笑いが響き渡る。

 まさに強そうな敵がしそうな笑い方だ。

 怖くてちびりそうだぜ!


「マキよ…素晴らしい演技だったよ。君の忠誠心は嘘だったのか…これはやられたよ」


「だけどね…闇の一族の誓いを裏切った者には死しか待ってないんだよ。知ってたかい?」


 いや知らないですけど?

 そんな恐ろしい決まり誰も言ってなかったんだが…


「皆の者!こやつらを殺せ!“シャドウ系”の呪文を許可する!!なぶり殺せ!!」


 ヤバい。

 この状況は実にマズイ!

 早くノリコとベーちゃんを回収しないければ…


「てやあああああああッ!」


 アレーラが背中に背負った大きな剣を振りかざした。

 敵は真っ二つに切れたように見えたが、そのまま壁へと激突していた。


「ウチの大剣“クイダオーレ”は敵を切らへん剣や…だから血は出えへん。せやけど相手に確実にダメージを与える事ができるんや。その威力はベアーグリズリーのパンチと互角やで」


 アレーラに助けられた〜…!

 まさかそんなダサい名前の剣に助けられるとは思わなかった。

 しかし血が出ない剣ならば闇の一族にも通用するみたいだ。

 これは良い事だ!


「アレーラ!ノリコたちの救出に向かおう!」


「アカン!マルチネス達は放って置かれへんよ!」


 忘れていた。

 この場にはアレーラの仲間のバッカス達がいる。

 放置すれば闇の一族に何をされるか分からない。


「くそ…!こんな所で…」


 その時、突如として天井が崩れ落ちて来た。


「な、なんだアレは!?」


「モンスターか?」


「仲間か?」


 そこにいたのは仲間だった。


「待たせたな」


「マキマキー!お待たせー!ベーちゃんの帰還だよー!」


 ノリコとベーちゃん…まさか信教部屋に閉じ込められていたこいつらはもしかして演技をしていたのか!

 疲れたフリをしていたのか!


「どうどう?ベーちゃん達の演技さすがでしょ?」


「アカデミー主演女優賞ですね」


 くそ…

 まさかポンコツロボット達がここまで頼りになるとは思っていなかった…

 嬉しい誤算だ!


「目指す敵はボッチャー!!行くぞ!!」


『おお!!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ