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35話 結果にコミット

 今夜は私達新入りの信者が入った事でお祝いをする事になった。

 隣にはアレーラ、バッカス、ニキータ、マルチネスが座っている。

 という事は5人も今日は信者になったのか。

 素晴らしい!素晴らしすぎるぞ今夜は!


「ではでは、今日は5人の新入りが入ったのをお祝いしよう!魔王様万歳!」


『魔王様万歳!!』


 数百人ぐらいいる闇の一族の声は地響きとなって体に伝わってきた。

 マルチネスはビールを飲み、ニキータとバッカスは先輩信者達に媚を売っていた。


 だが、この場で1番はしゃぎそうなアレーラは席を立ち、外の空気を吸いにいった。

 意外な一面を見た私はアレーラの元へと向かった。







「どうしたアレーラよ。今夜は盛り上がろうではないか」


「ーーーすまないがちょっと1人にしてくれ」


 いつもの関西弁ではなく、標準語を喋っているアレーラは違和感がある。

 これじゃあただの美人になってしまうぞ。

 信者になったから標準語になる必要はない。

 今夜は盛り上がろう!


「いいではないかいいではないか。ほら。たこ焼きっぽい食べ物もあるぞー」


「自分は少食だから良い。夜風に当たっているのが好きなんだ」


 そのクールキャラを今すぐやめて欲しい。

 惚れてしまうから。

 調子も狂うし、いつものうざい関西弁のアレーラにもどってくんないかな…


「しばらくしたらいつもの自分に戻る。みんなと楽しく待っていてくれ」


 その時アレーラが見せた笑顔に私はときめいてしまった。

 もう!

 酒で忘れてやるぞ!!

 恥ずかしくなるから!!


「くそったれ!アレーラのくせに可愛すぎるぞこのこのー!!」


 酒に溺れるとはこの事か。

 酒に身を任せ、飲むしかねえな!

 しばらく飲んでいると酔いが回ってきてボーっとする闇の一族が増えてきた。

 私はまだ飲めるがな!


「おい!貴様!何をする!」


「ウチに触ったやろ!?セクハラやで!!」


 外の方から騒ぎ声が聞こえた。

 1人はアレーラの声だ。

 それもあのうっとおしい方のアレーラだ。

 何かそれはそれで寂しいけど、こっちの方が嬉しい。


 もう1人は闇の一族の先輩信者のようだ。

 宴会でのお決まりトラブルのセクハラで間違いない。


「ちょっとマキ!こいつ何とかしてーや!ウチの体を触ってくんねんて!」


「誤解だ!!新入り!私を助けてくれ!」


 しょうがない。

 このトラブルは私が鎮めるとしよう。


「酒に溺れるのはそこまでだ!!」


「いいぞ新入りー!かっこいいぞ!」


「ヒュー!イカすぜ新入り!」


 まるでヒーローみたいだ。

 ここはカッコよく決めるぜ!


「ボッチャー様見ててください!これが私の忠誠心です!!」


 ボッチャー様が見守る中、私は…

 闇の一族の先輩信者を殴った。


『え!?』


 他の先輩信者達が驚いた顔でこちらを見ている。

 言ったかもしれないが、これが私の忠誠心だ。


「アレーラ…忠誠心って何やったっけ?」


「えーとなー…それはあれや。腰痛とかに良く効く薬やな」


「そうそう!毎日飲んで元気の源!ってそれコンドロイチンや!!!」


『…………』


 先輩信者が静まり返った。


「何の真似かなマキ君。僕は君を期待していたんだけど…?」


 ボッチャー様がイラついているようだ。

 顔は見えないが、伝わってくるよそのイライラは。


「アレーラ君。私の関西弁はどうだったかね?」


「アカンアカン!アンタのボッチャー様への忠誠心と同じで0点やわ!スベリ倒しまくりや!」


「さすがアレーラ…分かってんなー」


 そう。

 私は最初から洗脳などされていない。

 演技をしていたのだ。

 実は、これはアレーラと再会した時に立てられた計画だったのでしたー!!

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