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19話 異世界からの住人

 テンマの発言に疑問を覚えた私は深く掘り下げる事にした。


「その異世界の人とは?」


「名前は名乗らんかったが、ワシは“あやつ”と呼んでおった。この世界には似つかわしくない小綺麗な男じゃった。あやつはロボットを連れて来ておってな。その整備を教えてもらったんじゃ」


 私の他にもロボットを作った人がこの世界に来ていたという事実…これは重要だ。

 その人が生きていれば元の世界に戻れる可能性が広がるかもしれない。


「その人は今どこに?」


「死んだ。ロボットの目の前でな」


 その一言は私を現実に戻した。

 可能性がなくなり、その場に崩れ落ちる。


「あれはもう悲惨じゃった。話すのも辛いわい…」


「それからロボットは主人を失い、そのままどこかへ消えていった。ワシは追いかける事も出来んかった」


 つまり、そのロボットを探せば手がかりが見つかるかもしれないのか。


「そのロボットってどこにいるか分かりますか?」


「分かる」


「本当ですか!?どこに!?」


「お前さん達もよく知っておるはずじゃ」


 私達がよく知っている…?

 そんなバカな…ロボットなんて見たらすぐ分かる。

 ーーーよく見てなければ分からないな。

 そういえばはっきりと姿を見ていないやつがいた。

 気付けば気を失っていたからだろう。


「気付いたか。ベートルは過去に主人を亡くしたロボットなのじゃよ」


 ーーーーーマジか。

 あの悪魔がロボット…確かに空を飛んでいたけど……


「ベートルは国をうろついている内に騎士団にスカウトされ、対魔王軍兵器として育てられた。もはや今のベートルはワシが知ってるベートルではない」


 対魔王軍のために育て上げられたロボットに対抗する手段なんてないんだけど。

 しかもそのベートルにリベンジとかカッコ良い事言ったけど無理だ。

 何か対策や兵器を作らないと…


「諦めろ。あいつには勝てんぞ」


「だけど、ベートルを整備をしていたあなたなら何か知っているはずでしょ?」


「知らん。騎士団に関われば死刑になるかもしれんのだ。頼むからお前さん達で解決してくれ。店の裏にあるガラクタならくれてやる」


 ダメか…

 しかし、そのガラクタから掘り出し物が見つかるかもしれないな。

 諦めるのはまだ早い。

 なんとしてもベートルから話を聞かなければ…そしてこの国から逃げなければ!



 








 ーーーガラクタしかねえなここ。

 組み合わせても良い発明品が出来そうにない。

 というかベートルの弱点が何か分からなければ対策も立てられないな。

 あーあ…積んだぁー…


「ラジオは好きかお前さん」


 テンマが窓から話しかけて来た。

 このおじいさんはさっきから変に話しかけてくる。

 関わりたくないのか関わりたいのかどっちなんだ。

 というか何でラジオを知ってんだよこのおじいさんは。


「違う世界から来たあやつはラジオというのが好きで毎日ラジオの良さを語ってきおったわ。まったく…異世界じゃそんなモンないというのに…」


「何が言いたいんですか…?」


「ーーー老人の独り言じゃ」


 意味深な発言だったな。

 何かその言葉には意味があるのだろうか。

 ラジオ……ダメだ…何も思い浮かばない。

 もっと何かヒント的な言葉がないと…


「ーーー周波数」


 周波数…ラジオ…クソッ!もうちょっとで何か閃きそうなのに!!


「ーーー頭……ベードルの頭にはアレが…」


「さっきからヒントを言うんなら堂々と言ってくれぇぇぇぇ!!」

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