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15話 騎士団長探し

 現在、私は騎士団と遭遇していた。


「どこの勇者か知らないが、騎士団長マルコ様に怪我を負わした罪は重い。国へ連れて帰り、死刑に処す」


 なぜ、こんな事になっているのかですって?

 まぁ、原因は1つしか考えられないと思いますが、1時間前を振り返って見ましょう。







 アイザークの村を出て数時間、スカパラズの集落までもうすぐというところまで来た。

 特に敵とも遭遇せず、危なげなくここまでは来れた。


 ノリコのマナーモードを解除、頭も元あった場所に戻し、普通の騎士になってもらう事にしました。

 デュラハン設定は悪魔側の方に遭遇した時に利用させてもらい、それ以外の人には騎士として振る舞った方が安全だと考えたからだ。


 相変わらずノリコは目的地に向け無表情で歩いているが、頭が戻って来て嬉しいのか早歩きになっていた。

 しかしその時、ノリコが急停止した。


「前方に人影を発見しました。鎧などを着ている事から騎士団だと考えられます」


 前方を確認すると確かに人影が見える。

 人の視力では人影が限界だが、ロボットであるノリコには何を着ているかまではっきりと確認できる。

 ノリコの発言が本当だとすればこのまま騎士団の方にお話をお伺いしに行き、元の世界への出がかり、又は違う街へ案内してもらおう。


 そのまま歩き続けていると私の目でも着ている物が鎧である事が確認できた。

 特に警戒している様子はなく、昼間から呑気に酒を飲み、グータラしている。

 警戒している様子がないと言っても見張りは2人確認、しかし、アクビをしながら適当に警備しているようだった。

 本当に騎士団なのか不安になってきた。

 ただ、素直に話せばきっと分かってくれるはず!


「ノリコ、ここで待機していてくれ」


「はい。かしこまりました」


 ノリコを連れて行っても嫌な予感しかしない。

 ならば置いていけばその心配はいらない。

 私1人が話をしに行くのが賢いやり方だ…そのはずだった。

 しかし、運命の歯車は思い通りに動かない。


 騎士団の警備の方に近づき、話を聞いてもらおう。


「すみません。お話をお伺いしてもよろしいですか?」


「はい?どちら様ですか?」


「ここら辺を旅している勇者のパーティーの一員なのですが、迷子になってしまいまして…」


「それは大変だ。それじゃあ地図を広げるから街を教えよう」


 なんて良い人なんだこの人は。

 今まで悪魔だの魔女だのでまともな人間に会った事がなかったが、この世界の人間達は比較的優しい人種のようだ。

 警備の人が地図を取りに行っている間、キャンプの周囲を見渡していた。

 すると酒を飲んでいた騎士団の1人が私の横を通っていった。

 酒の飲み過ぎでトイレが近くなったんだろう。

 気にすることはないな。


「待たせた。それでは次の街は…」


「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


 後ろの方から悲鳴が聞こえた。

 後ろといえば先ほど酔っ払いの騎士がいった方角だ。

 それからノリコがいる方角でもある。

 察しの良い方なら分かるはずだ。

 あのポンコツロボットがしでかしたんだと。


 急いで悲鳴の地点に辿り着くと、酔っ払いの騎士が手を気にしながら地面を転がっていた。

 ノリコは先ほどから動いているようには見えない。


「何があった?」


「この酔っ払いの方が用を足すから動いてくれと言ったんです。ですが、博士からここを動くなと命令があったので動かないと言ったら無理やり動かそうと殴りかかってきたのですが、私の体が硬かったのか転がっているのです」


 要するに私の命令に忠実すぎてこうなってしまったという事か。

 これは私にも責任がある。

 ノリコの頭を理解しきれていなかった私に非があるな…クソッタレー!


「騎士団長様!!!大丈夫ですか!?」


「こ…こいつを捕まえろ!!即刻死刑じゃぁぁぁぁぁ!!」








 という事がありましてこうなっています。


「このマルコ様に怪我を負わした罪は重いぞ!国に帰ったら即刻死刑じゃ死刑!」


 某配管工みたいなヒゲをした騎士が騒いでいた。

 こうなったらそのまま連行された方がいいな。

 弁明しようがない。


 騎士団に連行され、我々はマリオーネの国へと向かっていた。

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