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10話 ウェルカムようこそマジカルビレッジ

 三兄弟から頼みを聞いた私はアイザークの村へと再び歩みだした。

 内容はとてもじゃないが言えない内容だったので、ノリコ達には伝えない事にした。

 銀色の三連星は笑顔で手を振りながら見送ってくれている。

 ラストの町へ向かう勇者を倒すボスとは思えないほどの良い笑顔だ。


 それよりも三兄弟と別れた事によって話す相手がいなくなってしまった。

 寂しくなった私はノリコのマナーモードを解除した。


「良い狼達でしたね」


「お前の声久々に聞くと落ち着くな」


「告白ですか?」


「お前の声聞くとやっぱりイラッとするな」


 マリアはまだ爆睡中。

 話をしても起きる気配はないのでノリコと話をして暇を潰そう。


「お前の頭の方はどうなってる?」


「そうですね…なんか崇拝されてます」


「へ?」


「宗教みたいに私の顔をリリースが拝んでいます」


 会ってもないけどリリースって女の子はやっぱり頭が少しおかしいようだ。

 しかし、アイザークの村は勇者立ち入り禁止の村だ。

 リリースがそんな魔女のいる村でどう生活しているのか気になる…

 まぁ村に着いたらすぐに分かるか。


「アイザークの村までの距離はどれくらいだ?」


「もう少しです。近いです。私の頭を近くに感じます」


「ノリコ。そのまま頭まで導いてくれ」


 頭レーダーを頼りにアイザークの村へと歩く私達。

 行く道中には骸骨が所々落ちている。

 これが銀色の三連星の仕業なのか魔女の仕業なのかは分からないが、ここはとても危険な場所である事を再認識できた。


 段々と骸骨の数が多くなってきた。

 怖さが増してきた事により、トイレが近くなってきた私はマリアをノリコに渡し、木陰に隠れて用を足す事にした。

 村がすぐそこにあるようだが、警戒は怠ってはいけない。

 もしかしたら罠がそこにはあるかもしれな…


「ウェルカ〜ム…アイザークへ…」


 目の前にある木が喋りかけてきたように見えたが、そんなはずは…


「ようこそ…我が村へ…ニヒヒヒヒヒヒヒヒ!」


 で、で、で、で、出たーーーーーーー!

 切り株おばけみたいなの出てきたんですけどぉぉぉぉぉ!?

 ていうか用が止まらないって!!


「おまえ…出過ぎ…おい…勢い強めるな…」


 ごめんなさい!!

 溜まってたんです切り株おばけさん!!

 とりあえず一旦用は中断だ…この場から逃げなければ!


「て、敵だ!!敵が出たぞ!」


 急ぎすぎたせいか、ノリコの前に現れた時にズボンがずり落ちてしまった。


「博士。丸出しです。近くでお盆を拾ったので装備できますよ」


 お盆を装備した。

 前の防御力は高いが、横と後ろの防御力はゼロである。


「うん。バカ」


 ポンコツロボットをお盆で叩き、ズボンをしっかりと履き直しマリアを背負って逃げる。

 まだあの切り株おばけは迫ってきてはいない。

 早く村に着いてくれ!


「見えました。アイザークの文字です」


 よくやっ…


 ではここで目の前に見えた光景を素直に述べる。

 勇者への暴言が書かれた看板、磔にされた大量の骸骨達、ノリコの頭を持っていった大きな鳥の大群、身長3メートルを超える大男が村の入り口に立っていた。


 おいおい。

 また異世界へ来てしまったのか私は。

 世紀末に来た記憶がないぞまったく…ハハ!

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