願いとメイド
魔王の願いとは
セフィと冥夜が話終わったのを見て切り分けたアップルパイを出すウィル爺
この世界に来て初めての食事、甘い匂いに誘われ一口食べ手を止める冥夜
「冥夜殿?もしやお口に合いませんでしたかな?」
心配そうに覗き込むウィル爺に首を振る冥夜
「このサクサク食感の歯ざわりがいいパイ生地にシャキシャキ食感の甘酸っぱいりんごと相性ピッタリの甘さ控えめカスタードクリーム、こんな美味しいアップルパイ初めてだ。」
「それは良かったですじゃ」
微笑むウィル爺とうまさに感動する冥夜
セフィの方を見るとアップルパイをハムスターみたいに口いっぱいにほうばってた
「セフィ食べ終わったら服をどうにかしたいんだが」
こちらを向きもごもご何か言っているが聞き取れない
「飲み込んでから話せ」
食べ終わり食器を下げるウィル爺
「服は今来ているのではいけないのか?」
俺の格好を服だと思っているがパジャマだ
「これは寝巻きだ」
「そうだったのならまずは服を買いに行きましょう」
「いやいや寝巻きで外に買い物とか恥ずかしいから」
「その点なら任せなさい」
手を冥夜に向け魔法をかけた
「変化魔法」
なんということでしょうセフィの魔法で服が透明になり下着姿に
「おい」
冥夜のちょっと冷めた呼び声にはっとして慌てて魔法を解除
「変態王よ何か言い訳はあるか?」
ジト目で見下しながら話しかける冥夜、土下座をしているセフィはばっと顔を上げ
「ちがうの本当は服が変化して普通の服になって出かけられるはずだったの」
「はずかちょっとさ召喚の失敗や魔法の失敗こうも続くと本当に魔王なのか?」
冥夜の発言に動揺してうろたえるセフィその状況から察した
「魔王じゃないのか」
セフィはごまかせないとわかると覚悟を決め冥夜に真実を話した
「正確には元魔王ね」
その答えにびっくりしてぽかんとした。セフィは話し続けた
十数年前、セフィの元支配する国はいろんな種族が手を取り合い共に栄える国を目指していた。だが現魔王はその考えが気に入らず叛逆を企てセフィを一人になるよう仕向け罠に嵌め現魔王と複数の部下でセフィを瀕死にまで追い詰めたが完璧にセフィ一人という状況は不可能であった。とどめを刺されるとこで間一髪、駆けつけた部下がセフィを助け出し城から脱出させ命からがらこの始まりの地へたどり着いた。その間に国は攻め落とされて最後に残ったものは部下数人と手持ちの装備品のみ国を取り返すためこの地で力を蓄えることに
経緯を話し終え悲しげな顔をするセフィ
「願い事は現魔王を倒して国を取り返すことか?」
冥夜の問いに頷くセフィ
「私の願い事は確かに国を取り戻すことだが罠によって失った力も取り戻さなくてはならない」
「どういうことだ?」
「取り返そうにも私は罠に嵌められ力を失ってしまった。国を取り返したとしても今のままでは国を守れない同じ悲劇を繰り返してしまうかもしれない」
話終わり悲しげな顔をし下を向くセフィ頭に軽くチョップをいれ
「そんな顔をするな、なら失った力を取り戻し元の完全無欠超絶な存在になって国を取り戻そう安全を保証してくれって言ったがある程度の協力ならするぜ」
笑いかける冥夜、元気が戻ったセフィ
「そうね、でもそのまえに冥夜あなた自身の強化をしましょう」
「強化かいいねでもまずは服を頼む」
肩をトントンとされ後ろを向くとウィル爺が根っこの部分をハンガーのようにして服を持っていた
「冥夜殿この中で着たいものはありますかな」
にこにことウィル爺が服を見せてくれたがどれも似たようなデザインの執事服だ
「せっかく用意してもらったのは嬉しいんだけどなウィル爺、俺が欲しいのは普段着とかなんだまぁ、今は買い物しに行くのにちょっと借りてもいいか?」
「借りると言わず記念に一着どうぞですじゃ」
「どうぞと言われてもこれ家の主セフィのものだろう勝手にあげるのはいけないんじゃないのか?」
ちょっと困り顔になる冥夜
「その服は私のじゃなくてウィル爺の私物よ」
「私物!?いやいやウィル爺この服絶対切れないだろ」
セフィの言葉に驚きつつウィル爺を見ると
「姫様の言うとおりこれは儂の私物じゃよつまり誰にあげようと儂の勝手なんじゃよ」
「しかし、またなんで執事服をこんなにもってるんだ?」
疑問に思ったのでウィル爺に聞いてみると頬を赤くしながら
「実はのう儂専用の執事服を注文しようとデザインとかして服屋に頼んだんじゃがデザインを人間サイズにしてしまってのう儂ようじゃなく人間用の執事服になってごらんのとおりじゃいやはやお恥ずかしい限りですじゃ」
恥ずかしそうにしながら笑って話してくれたウィル爺
「まぁそういうわけで冥夜殿一着どうぞですじゃ」
「そういうことならお言葉に甘えてありがたく頂戴するよ」
さっそく服を選ぼうとすると
「冥夜、どの執事服着るの?」
話しかけてきたセフィどの服を着るのか興味津々のようだ
「そうだな、これにするか」
特にこだわりもないのでシンプルな執事服にしようとしたが
「冥夜はこっちがいいって絶対似合うはずよ」
燕尾服のほうがいいとセフィが決めてしまった
「冥夜殿そのデザインなら予備用としてこっちもどうぞですじゃほぼ同じデザインですじゃ」
ウィル爺から執事服をさらに二着もらった
「それじゃ純白の間を冥夜専用の部屋にするからそれ持って着替えたらこの部屋に来てね部屋案内はウィル爺がするから」
「ああ、了解」
セフィの居る部屋から出てウィル爺と共に部屋に行くことになった
「冥夜殿それでは迷わないよう後ろをついてきてくだされ」
ウィル爺は触手の長さや形を変えることができるようだ歩くのに適した形になり部屋まで案内された
「冥夜殿、申し訳ないのじゃがちょっと用事を済ましてくるので着替えたら部屋の前にいてくだされ」
話終わるとウィル爺はすぐに行ってしまった
「ここが純白の間で俺の部屋になるとこか少しだけ楽しみだな」
少しだけワクワクしながら部屋に入ると純白といわれるだけあって何から何まで白一色の部屋だ汚したらすぐわかるぐらい白い
「真っ白だなまったく落ち着かないな後で模様替えしよう」
着替えが終わり部屋の外にでてウィル爺を待ってるとメイド姿の女の子がこちらに来た
「あら、あなたは見ない顔ね?」
緑色のくびれミディ髪、ワインレッドの瞳のメイドはこちらを見ている
「執事服を着てるようだし新しい使用人さんね執事歴は?」
「働いたことはないからゼロだな」
「なるほど、それならちょっとこっちに来て」
冥夜が話そうとする前にメイドの女の子に引っ張られそうになったのでふんばろうとしたがすごい力で抵抗しようがなかったそのまま冥夜はメイドに引きづられる形で連れて行かれてしまった。
仕事大変で次は来月になると思います暇になればもう少し早くなるとは思いますが(´・ω・`)