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The wonderful reality  作者: 狐藪
6/17

とりあえず鍛えるそうです‐続

ステータスを一通り確認してみたが、まぁこんな物だろう。


比較対象がいないのでなんとも言えないけど、初期ステータスにしては、まぁまぁだと思う。


てか、体力少ない。


体力がゼロになったら死ぬんだろう?

なら、体力を上げないとだな。



そう思いながら、二人にもステータスを見せると何故か困惑した様子で、深刻そうに顔を見合わせている。


「え?どうしたの?もしかしてあんまりステータス良くない?」



俺が問いかけると、「いえ...ステータス自体はそこそこ良いのですよ」と的を得ない答えを返してくる。


ステータス自体は良いのなら、そこまで戸惑う必要は無いんじゃないのか?


「うむ。由々しき事態じゃな....まさか職業が魔王ではないとは....魔王召喚されたものは必ず魔王になるのは嘘だったのでござろうか?」


「その可能性も否定出来ません....ですがステータスはいいのですし、スキルも見たことない物ばかりなのですよ」



へ?二人が悩んでいる事って俺が魔王の職業に就いていないって事?でもステータスには確かに魔王って職業が()の中に入ってるだろ。


「もしかしてこの(魔王)って書いてあるのは関係無いって奴か?」


俺がステータスの(魔王)と書かれた場所を指差すが困惑した様子で首をかしげた二人はステータスを食い入る様に眺める。


「えぇと、拓海さん。そこには何も書かれて居ないのですよ?」


「幻覚でも見えておるのか?」



はい?

いや、ここに確かに書いてあるだろ?


「いやいや、ここにはっきり書いてあるだろ?」


そう言って職業欄に書いてある(魔王)と(復讐者)と(魔導師)を態々読み上げる。一体二人は何を言ってるのかサッパリ分からない。


こんなに、ちゃんと書いてあるのに。


「どう言うことでしょう?そもそも、職業欄には一つの職業しか乗っていないのです。それに私達には何も見えないのですよ」


「変でござるな。拓海は嘘を言ってる様には見えないでごさるし....拓海にだけ見えている可能性が高いでござるな」


「俺だけに見えている?....どう言うことだ?」


うーんっと、悩みながらも取り合えずその事は保留にして、他のスキルを確認する事にしよう。


「その事は一旦保留にして、スキルはどうやって確認するんだ?」


俺が問いかけるとフェアリーはステータス欄のスキルの名称の所を指差した。


「スキルの名前の所を指で触れば詳しいスキルの効果が分かるのですよ。只、スキルの効果は本人しか分からないのですが」


なら、取り合えず順番にタッチしていくか。


───────────────────

単騎無双Lv1


オリジナルスキル

味方の数より敵の数が多い場合に自動的に発動。

自身と味方の体力、MP(魔力)、パワー、ディフェンスが1.5倍に上昇



設定調整Lv1


ウルトラレアスキル

スキル、職業、種族、ステータスを変更することが出来る。

但し、()内の数値、スキル、職業、種族を入れ替える事しか出来ない。


無限成長Lv1


ウルトラレアスキル

常時発動スキル

敵を倒した際に得られる経験値が2倍になる。

このスキルを持つ者はステータス上限を越える事が可能。


アイテムボックスLv1


通常スキル

生物以外の全てを最大200個収納することが出来る。


鑑定Lv1


レアスキル

相手と自分のステータスを確認できる。


────────────────────



一通り黙ってスキルを見ていく。

大体が、まぁそうですよねって具合のチートスキルだった。

だが、これで()の意味がわかった。

設定調整スキルを使えば職業を変えることが出来るってことだな。


そして()内の内容は他者には見ることが出来ないってことも。

まぁ、試していないからなんとも言えないけど。


只、一つだけ意味の分からないスキルがある。


書庫Lv1だ。


書庫Lv1


オリジナルスキル

この世の理を知る事が出来る。



.....意味が分からない。


理を知る事が出来る?

調べたい事が分かるって事か?っと疑問に思ったが何となく違うような気がする。


いや、正確に言うなら、本質はもっと別にあるような気がする。

それと全部のスキルに書かれているLv(レベル)とオリジナルスキルやレアスキルと言った説明文。

レベルを上げれば能力が上がるって事なのか?

オリジナルスキルって事は俺しか持っている奴が居ないってことだろう。

他のスキルは、レアとか通常って書いてあるから持っている人がいるって事か。



「そういえば、スキルとかどうやって使うんだ?」


「スキルは使いたい時にそのスキルの名称を念じるか、声に出せば自動的に発動するのです。只、念じる場合は、声に出すより発動するのにコツがいるので難しいと思いますが」



へーっと適当に相槌を打って考え込む。

声に出したら、それだけ発動したときに敵に警戒されるだろう。


難しいとは言え、念じて発動することに慣れればそれだけ有利だろうな。


モノは試しだと思いつつ、二人の怪訝な視線を無視して集中する。


″設定調整″



.....。


やっぱ、いきなり発動するわけないか?

何も変化が無いのでちょっとガッカリしながら首を横に振る。



いやいや、これが出来ないと、絶対不利になる。


何がダメなんだ?

何か他に発動に必要な条件があるのか?


そもそも、ステータスの変更ってスキルを発動した後、どうやって変更するんだ?


うーん。

オリジナルスキルだから発動難易度が難しいとか?


試しに、発動出来そうな鑑定スキルを先程と同じように念じてみるがやっぱり発動しない。



「もしや拓海はスキルを発動しようとしてるのでごさるか?」


「え?あーうん。だけど全然発動しない。なんか、コツとかあれば良いんだけど....」



楝鬼に聞くが、コツなんて分かる様なら直ぐに教えていると言ったので、どうやら俺には念じて発動する方法は難しいようだ。


まてよ。


ふと疑問に思って先程のスキルの内容を思い返す。

確か、鑑定スキルは″相手と自分のステータスを確認できる″だった。


もう一度やってみよう。

今度は自分のステータスを確認するようにイメージしながら....。


″鑑定″


パッと目の前に先程と同じ内容のステータス画面が表示されて思わず顔がにやける。目の前にいるフェアリーと楝鬼も驚いた様子で目を丸くしていた。


「まさか....鑑定スキルとは言え、こんな早く発動できるとは驚きなのですよ!」


「そ、そうでごさるな。普通、念じただけで発動するには、かなりの時間が必要なのだが....」



「いや、結構難しいぞこれ。と言うより多分....うん。取り合えずもう一度試してみるか」


もう一度ステータスを消して....と言うより消えるように念じたら簡単に消えたのだが、今度は先程のやり方ではなく、声に出して発動する。


「″鑑定″.....あー、うん。そう言うことか」


先程のように目の前にある自分のステータスを見て″違い″に気付いた。


「何か分かったのですか?」


「いや、分かったってより、使い方を理解した」とフェアリーに伝えるが、首を傾げるだけで全く理解していない様子だ。


と言うより、コツならあるだろ。

いや、単純に無意識で使い方をマスターしたから二人は使えているのかも知れないけど。


おそらくだけど、考え方の違いが発動に左右されるって事だろう。

試しにもう一度、今度は楝鬼のステータスを見ることを意識して鑑定を声に出して言うと、楝鬼のステータスが表示されてほぼ確信した。



多分確定だな。

何も意識しなくても、声に出すだけで効果が出るんだ。

只、言葉に出さずに発動する場合は具体的に意識する必要があったのだ。



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