番外編ー 幼女師匠の幼女無双
亮太君と理香ちゃんが寝た。
真っ暗な部屋の中で透視の力を使って他の部屋や扉の前も覗く。
この帝国に来て大分日がたったが、未だに外出を許可されていない。
もうこれは、最悪の展開と言って良いだろう。
この世界の幼女に出会えないなんて息をするなと言っている様な事だ。
幼女良いよ。
最高だよ幼女。
幼女ぺろぺろしたいよ。
「あーもう幼女に会いたい。なんで異世界に来て外に出れないんだよ」
まぁ
「このままだと俺達死ぬだろうけど」
そう、現実的に考えて俺達は死を待つだけ。
まず普通に考えて戦闘訓練なんてしないと生きて行けないと言う事は俺達の様に生き物を殺す事に慣れていない人達からすれば弱点でしかない。
今は模擬戦闘と武器の素振りくらいしかしていないが、今後帝国の人達の言う魔物や、ありえないだろうが、万が一魔族と戦闘することになれば躊躇いが死に繋がるだろう。
それに兵士達の教え方も教育者?からして見ればお粗末だ。
元々人に物事を教える事をした事が無いからかもしれないが....。
俺はもう既にコツも掴んだし、亮太君と理香ちゃんに人目を盗んで指導もしている。
ま、これが幼女好きか熟女好きかの違いだろうがね。
冗談は置いておいて、俺達のレベルも殆ど上がっていない。
それこそ未だにレベル3と低すぎる。
例え逃げ出しても直ぐに殺されるのがオチだろう。
いや、それすらも計算かもしれないのだが....。
どう考えても生き残れる術が見つからない。
要は詰んでる。
唯一可能性があるとすれば、亮太君と理香ちゃんの力。
あとは、殆ど可能性はゼロだが拓海君の存在だろう。
拓海君がどこにいるのかも分からない状況では期待できないが。
椅子にどっかりと座りながら、ふぅーっと大きくため息を吐いて座り直す。
死にたくはないけどこれも仕方ないか。
あーまだ幼女とイチャイチャしてないのに。
ペロペロしたいよぺろぺ、パサッ。
パサ?
何の音だ?
フッと顔を上げて音のした方を見る。
椅子の前に置いてある机の方から聞こえた変な音に不審に思ったんだが、どう考えても変な物が置いてあった。
さっきまで何も置いてなかった机の上に何故か不自然な便箋が置いてあった。
手紙...か?
いやでもこれは何だ?
まさか....幼女からの手紙!?....なわけないか。
でも周りはさっき確認済みだ。
部屋の前に居るメイドも普段通りだし、他の部屋の生徒達もいつも通り。
じゃあ外か?
外に向けて透視の力を発動するが、誰も居ない。
そもそも城の、それもかなり高い位置にあるんだ。
だとしたらこれは....。
不審に思いながらも取りあえず手紙なら読んだ方が良いか?と思い慎重に手に取る。
いきなり爆発とかしなくてよかった。
してたら俺の腕が消し飛んでただろうし....いや下手したらこの部屋全部消し飛んでたかも。
安易な判断だったと反省しながら折りたたんである紙を丁寧に開いた。
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メッセージ
宛先 折原 大吾
拓海です。
今、俺は魔王国の城で魔王として呼び出されています。
詳しい事は今後送っていきますが、今は緊急なので要点だけ
・帝国は皆を奴隷の腕輪を使って洗脳しようとしている。
・現状理香は洗脳されているかもしれない。
・亮太と折原先生は特殊な職業だから腕輪の力は効かない。
・腕輪の力の効かない者を殺す可能性が高い。
・俺が迎えに行くまで無茶はしないでください。
メッセージは一方的にしか送れないので定期的にメッセージは送ります。
三人とも無事でいてください。
PS.魔王城には幼女がいますよ。
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ガバッと思わず椅子から立ち上がってしまった。
これは!
拓海君....生きていたか!!
いや....それよりも
「魔王城に幼女が居る....だと!?」
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ふぅっと息を吐いて二人を見ながらあの時の状況を丁寧に説明した。
「と言う事があったんだ」
「いや!そんな重要な事があったんならちゃんと説明してよ!!」
「しかも重要な事を教えてくれたのに幼女にだけ反応するなよ」
二人が怒りを俺に向けるがサッパリ分からん。
何で怒られてんの俺?
「ま、まぁ良いけど....それなら拓海が来るまで大人しくしてた方が良いって事か?」
「まぁ亮太の言う通り大人しくしてた方が良いかもね。拓海がここから出してくれるだろうし」
二人の顔に余裕が生まれた。
ここ最近危ない事も多かったしな。
正直手紙が無ければ直ぐにでも逃げだしたかも知れないし....拓海の存在は現状大きい。
「そういう事だ。生憎俺の催眠眼で俺達の”ステータスを騙しているから”取りあえず拓海の言う危険な事態は避けられるだろう。」
「まぁそうだな。折原先生のお蔭で現状危険は避けられているし....後は拓海を待つだけか」
俺と亮太君で話を纏めようとするが納得しない様子の理香ちゃんは不満そうだ。
まぁ、他人まかせが嫌な性格だし当然か。
「むーっ!拓海の事は頼りにしたいけどそれじゃ嫌だ!」
さーてと。
拓海君が頑張ってくれているんだ。
教え子が動いているなら俺も助けるべきだろう。
拓海君が俺に手紙を送った理由も分かっているしな。
「やることならあるぞ。理香ちゃん、君にしかできない仕事だ!」
その言葉に驚いた二人はガバッと俺の方を向いて食い入るように見つめて来る。
無駄にはしないさ。
「君達二人はこれから幼女好きのロリコンになってもらう!!」
「「黙れロリコン先生」」
せめてこの二人が暴走しない様にしておくぞ。