第47話
十分ほどたった頃だろうか、村井が会社から出てきた。
不機嫌そうな顔をしているようだ。
どうやら村井はのんびりと歩いて公園に向かっているようだ。
龍星と芹香と秋斗達は離れた場所から隠れながら、つぐみと裕樹と深紅は忍び歩きをしながら後を追う。
後を追っているとつぐみに声が聞こえてきた。
(しね………)
村井が見ている方向には一組のカップルがいた。
彼が殺人を終えるのに三分かからないだろう。
つぐみは裕樹と深紅の手を握って声をかける。
すると二人は振り向いて頷いてくれた。
次にテレパシーで秋斗と龍星と芹香達にもある内容を伝えた。
そして深紅の合図と共に飛び出して声をかける。
「止まりなさい! 爆発魔‼ 執行部です!」
「執行部?(なぜ、私が犯人だとわかった……)」
つぐみの声に振り向いてそう考えるが……。
思い出していただきたい。
今のつぐみの服装を、そう今の彼女の服装は……。
「小学生が執行部の真似なんてするもんじゃないよ」
と、嘲笑うようにつぐみを見て言った。
「あたし、そこまでちっちゃくないよ‼?」
「落ち着き、つぐみ。 わっちら特別班があんたを逮捕するで。
それと異能力者はなにもあんただけやないで?」
「あんたの心の声はすべて筒抜けだ、大人しく捕まって留置場に入りな」
暴れるつぐみを諌めて深紅と裕樹が村井を見つめて言った。
「心が…? しかし君たちみたいな子供に警察官のようなこと認めているなんて妙ですね。 もしかして、私を犯人だと知っているのは君たちだけなんじゃないですか?(だったらこいつらをここで始末すれば……)」
村井は怯みすらせずに冷静な態度である。
「私には力をさずかった責任と使命があるのですよ。 ですから捕まるわけにはいかないんですよ」
ニコニコと笑い笑いながら村井は言った。
「は?」
「使命だぁ?」
「なにちばけたことを」
茫然とするつぐみと呆れている裕樹と深紅。
「互いを運命の相手だと信じている恋人達、苦難を乗り越え大きな夢を叶えた時すばらしい幸福をつかめるでしょう……ですが。
幸福とは爆弾のようなものです。 どうせいつか失われるのですから、この私のように!」
村井の周囲の空間が歪んでいるように見える。
まるで陽炎でも起きているような…そんな印象を受ける。
「大きければ大きいほどに喪失した時の傷が深くなる。
ですからせめて、幸福が膨らみすぎないうちに終わらせてあげるんです」
その時、つぐみ達に耳障りと寒気という症状が現れた。
つぐみ達は理解した、爆破の予兆だと。
つぐみは咄嗟に太ももにある銃ホルスタ―から銃を出して、村井の足に向かって撃った。
「今すぐやめて‼」
つぐみが撃った弾丸は村井から逸れて地面に着弾した。
「外れた? もう一回‼」
つぐみは拳銃をもう一度発砲する。
次の弾丸は彼の腕に間違いなく飛んでいった。
しかし、彼のそばによると不自然に逸れていったのだ。
「外れたんじゃなくて外されたというわけか」
裕樹は刀を取り出しながら呟いた。
「私の力のイメージは見えていないようですね」
「それはどないやろうな?」
村井が言うとおちょくりだす深紅。
彼女は笑っているのがわかる。
「ふん、挑発のつもりか? なんの意味があるのやら。
無駄だから、死ね」
歪んだ空間が消えた。
しかしつぐみ達は理解した、十数人をも殺した不可視の爆弾が向かってきていることに。
「待ってたで?」
深紅はそう言うとピィン!という金属音と共になにかを投げた。
深紅が投げたのはゲームセンターのコインだった。
それが村井の視界に入ると突如爆発した。
続けて龍星と裕樹と秋斗達が走って村井に刀や拳を叩き込んだ。
芹香は遠くから弓矢を放っている
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