第43話
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つぐみは階段を下りながら心の声に耳を傾けて集中する。
【ふむ……思っていたより遅くなってしまったな。 救済を送るのはいいが自分のことをないがしろにしてはいけないな……次はいつ救済しようか】
という思考がつぐみには聞こえてきた。
その声をつぐみは聞いた途端にまるでどす黒いなにかにまとわりつかれるようなそんな感覚に襲われた。
相手の感情が強ければ強いほどつぐみへとその思考が届けられてしまう。
その影響か、思わずつぐみは階段から足を踏み外してしまいそうになってしまう。
「つぐみ!」
「あ、秋斗くん……」
秋斗に慌てて手を引かれて引き寄せられて、目を丸くするつぐみ。
「つぐみ、大丈夫か?」
「…………(つぐちゃん、体調悪いのなら行かないほうがいいよ?)」
「せりかっか!」
「ふんぬぅ!」
立ち止まったことに気づいて声をかける龍星と芹香。
その表情はとても心配そうにつぐみを見ているようだった。
せりかさんとりゅーさんも近寄り、つぐみを見上げているようである。
「本当に体調悪いのなら行かないほうがいいぞ」
裕樹がつぐみを一別してからそう言って階段をすばやく降りていく。
「つぐみ、裕樹の言うとおりだ。 だから、今回は」
「嫌だ! お兄ちゃん達だけを危険な目に合わせて自分だけ安全な場所にいるなんてできないよ!」
諭すように声をかける龍星を見上げてつぐみはきっぱりと言った。
相手の目をまっすぐ見つめているのは意思の現れだろう。
「…………(つぐちゃん……)」
芹香は心配そうにつぐみを見つめているようだ。
妹のように思っているからこそ心配でしょうがなくて守りたいのだろう。
「龍星さん。 つぐみの意思は硬いみたいですよ」
「……ふう、やれやれ。 つぐみは頑固だな、まあそうだよな。 わかった、ただし危険なマネはしないこと! いいな?」
秋斗は苦笑を浮かべて言うと龍星もわかりきっていたのか苦笑を浮かべているようだった。
そしてつぐみを見つめて来ることを許可して、条件をだす。
「…………(もし守れなかったら、せりかさんの刑だよ?)」
「せりかっか♪」
芹香はそれに便乗するように笑いながら言うとせりかさんもノリノリで笑う。
「う、うん! ま、守るよ絶対!」
握りこぶしをしてやる気を示すつぐみ。
それからつぐみ達は階段を降りて、デパートから外に出てサラリーマン風の男を追跡することにした。
「よっし、まずは相手の行動を把握するか」
「ああ、それから詰問しても問題はないだろうしな」
龍星は足音を消して、歩き出して裕樹達もそれに続く。
もちろん裕樹の召喚獣の蛇も慎重に追跡しているのがわかる。
「…………?(どこに行くのかな……?)」
「まさか、また事件でも」
「それはないと思うよ? あの人の思考を読んだ時にそれはなかったから」
芹香とつぐみもおぼつかない様子で足音を消そうと忍び足をしていた。
秋斗はまるで猫のように足音をけして尾行しているようだ。
仕草も猫のようだとはどこまで猫を観察していたのだろうかと疑問に思うことだ。
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