第37話
「つぐみちゃんの言うとおりだよ! それはとても危険なことなんだよ!?」
ひばりもつぐみと同意見なのか怒りを隠せないでいる。
「…………(幸い怪我だけですんだけど、これで威力が高かったらしゃれなってないよ)」
「爆弾をつくるのはもう少し違うことに有効利用した方がいいですの!」
芹香と白姫が爆弾魔をみすえてそう告げる。
「なにも、爆弾に限定するんじゃなくてさ。 花火にしちまえば、誰もが喜ぶだろうに」
「あ、綾香ちゃんてば。 でも、花火というのはいい考えかもしれませんね
決めるのは本人ですけど」
「あとは人に向けずに違うところに向ければなおいいかもしれないね」
綾香は爆弾魔を見つめて言う。
みなもも爆弾魔をまっすぐ見つめているようだ。
鷹久は苦笑しながら綾香の隣に並ぶ。
「……あなた達は否定しないのですか? そんなの芸術でもなんでもないと」
「あなたは否定してほしいの? 否定するだけなら誰にだってできるよ?
でも受け入れてもらえることはそうそういないと思うの」
果梨の恐る恐るとした問いかけにみなもは小首をかしげて聞いていた。
困ったようなそれでいて慈しむような視線を。
羽のように優しく包み込むような。
「みなも、だけどな。 そいつの爆弾で怪我をしたやつが」
「だけど、死人はでていないわ。 最後まで迷っていたからか。それともなにか意味があったのか。
まあ、わからないけどそれでこの威力の半減になったんでしょうね」
秀久はみなもの優しすぎる態度に呆れたように近寄る。
そこへ、霜月が来て爆弾の被害をコピーした書類を見ながらそう言って笑った。
それを聞いて書類を覗き込む秀久。
「せりかっか!」
「うわ、どっちゃり用意したな」
「大根とネギがこんなにも(汗」
せりかさんがネギと大根を用意しながらすぶりをしている。
光一と龍星はそれを見て苦笑を浮かべる。
「いままで受け入れてもらえないことばかりでしたが、まさかそれ以上なことがおきそうです」
「ふんぬぅ」
せりかさんをみて後ずさる果梨。
彼女が怯えているようにもみえるのはせりかさんからのオーラのせいだろうか。
反省するようにうったえかけているりゅーさん。
「爆弾のことで反省などしません。 人を人として見てない者に爆弾を送ってなにがいけないんですか!?」
「人を人としてみないやつの代わりに私達が人としてみます! 人として接します!
あなただって特別、力があるだけでそれ以外は普通の人と変わりないですから!
……それでは駄目ですか?」
「苦しくて辛かった、その鬱憤が爆発してしまっただけ。 それを花火を作ることで鬱憤をかきかえましょうよ」
怜奈とみなもが首をかしげて情にうったえかける。
「わ、わたしは花火なんか」
そう言って一歩後ずさる果梨。
どうやらかなり狼狽しているようだ
「人として見られてなくて寂しかったんだね」
「それで爆破にいたり、魅入られたんだね」
「たとえそうだとしてもすぐに許されることじゃすまないことを君はしているんだ。 それは理解してほしい、君を否定するために断罪するつもりは僕らにはないから」
つぐみとひばりは近寄り、悲しそうな瞳で見つめる。
秋斗もまっすぐ見つめてつげる。
「人として、なぁ…」
「…………(深紅ちゃんは人だよ!)」
「そうですの!」
深紅が感慨深げにつぶやくと芹香と白姫は手を握りしめて笑った。
それに苦笑しつつ澪次に視線を向けると、彼も困った笑みを見せている。




