第36話 爆弾魔
「さっき、群体せりかさんずが走っていったんだけど」
「見つけたんだろ。 まさか、こんなに早く見つかるとは相手も思ってないだろうしな」
「鼻がよいもんね、群体せりかさんずは」
秋斗の言葉に龍星はつぐみの頭を撫でつつそう告げるとつぐみはにこにこ笑顔でせりかさんを抱っこしてなでていた。
「かっか~♪」
「せりかさん、爆弾を口にふくんだら駄目だよ。 ぺっしなきゃ」
撫でながらせりかさんを宥めるように注意するつぐみ。
「なんで爆弾をふくんで平気なんだろう」
「これも謎のせりかさんぱわーかもしれないよ、ひばり」
ぽつりとつぶやくようにひばりが言うと和明は苦笑しながら言った。
謎のせりかさんぱわーで誰もが納得、それがせりかさんクオリティである。
「ひーくん。しっかり!?」
「く、くそう。 せりかさんめ八つ当たりにささなくてもいいだろうが」
おろおろしながら秀久を支えるみなもと痛みに顔をしかめる秀久。
やつあたりにやられる方もかなり大変である。
『かっか~!』
『離しなさい!?おろしなさい!?』
暫くして群体せりかさんずが戻ってきたのだ。
爆弾魔もきっと連れているのだろうことは間違いない。
「あ、女の人だね」
「匂いをかぎつけられて連れてこられたか」
「えらい、困惑しとる顔しとるで」
レイナ・澪次・深紅はその様子を見てそれぞれつぶやいた。
そのまま群体せりかさんずは爆弾魔を龍星達の目の前におろした。
女子生徒の名前は加藤果梨と言う。
「な、なんですの?」
「いや、件の犯人はあんたなんだなって思って」
「確かに彼女の力ならそれはありえそうだよね」
びくびくと怯えながら問いかけると龍星はそれを見ても表情をかえずに言う。
秋斗も彼女の能力をペーパーディスプレイで調べるとそう告げた。
「「彼女が触れて爆弾にしたいものを爆弾にする能力」でしたよね、先輩」
「わ、私の能力がそうだとしてなんでここに連れてこられないといけませんの」
つぐみの問いかけに彼女はツン、とつっぱねながら言う。
「あんたが爆弾魔だからじゃねーか」
「だから? もしそうだとしても私がする理由がありませんわ」
秀久の言葉を聞いて不敵に笑いながら女生徒は言った。
「生徒会長に恨みがあってか、前の事件での関わり合いがあるかのどちらか。
あなたの場合、どちらもあてはまりそうなんですけどね」
光一は爆弾魔の女子生徒を見つめてそう告げる。
澪次はそれを聞いてペーパーディスプレイで調べると納得した顔をする。
「わ、私はどちらでもありませんわ!」
きょどりながら否定することはかなりわかりやすい。
「そういうところが怪しいって言ってるようなもんだぜ」
「どうして、あなたみたいな人が」
秀久はそう言いながら女子生徒を赤い瞳で睨みつける。
みなもは悲しそうに女子生徒を見つめていた。
「じゃあ、聞くが。 なんのために爆破したんだ?」
「それは芸術のためですわ!」
龍星の問いかけに彼女は興奮したように叫んだ。
「芸術だあ? あんなただの爆発のどこが」
「あなたたちみたいな者にはわかりませんわ、あれはとても芸術性のある爆発なんです!」
光一は呆れたように女子生徒――果梨をみて言う。
果梨はうっとりした様子で語る。
「そうだとしてもなんの罪もない生徒を傷つけるのは執行部としては許せません!
人で試すなんてもっと言語道断です!」
つぐみは怒りながら果梨を見つめて言った。
果梨はため息をはいてなんでわからないかといった様子である。




