第3話
更新ですよ~
『ぷぉ~!』
「きゅい!」
「わう!」
「ないない♪」
声に気づいて起き上がると自分にそっくりのぷち騎士王と真っ白な子狐と真っ白もしくは銀色の子犬と己そっくりのぷちが膝の上に乗っていた。
どうやら起こそうと乗って、声かけをしていたのだろう。
「お、おはよう、みんな。 とりあえず降りてくれるとありがたいかも」
苦笑しながらそのままのっそりと身を起こして膝の上にいる彼らを下ろす。
そして、笑みを見せてから時計を見た。
目覚ましが鳴るまで、あと五分だった。
未だ目覚めぬ目覚ましのスイッチを切り、大きくのびをする。
ベッドから降りたその体躯は小さく、小学生の高学年程度であろうか?
長い茶髪に、大きな緑色の瞳の女の子。
そこまでならふつうに小学生の領域だ。
しかし、彼女の胸元に実る女の象徴たる果実は、メロンもかくやというボリュームがある。
彼女の名前はつぐみ。
雨宮 つぐみ。
私立翠翔学園の“高校2年生”である。
その身長は、誰もが驚きの138cmくらいしかないのだ。
小学四年生女児の平均身長並である。
「よし!」
そのちいさな体に気合いを入れて、つぐみは兎柄のパジャマを脱ぎ捨てた。
ちなみにこれはとある女性からの贈り物であったりする。
雨宮家の両親は神社で宮司などをこなす家系である。
つぐみが十歳の頃、近所に住んでいるつぐみともっとの仲のよかった友人がいた。
その彼女を失ったことで彼女の心象に大きなトラウマを残すことになった。
事件ともいうべきもののせいともいえるかもしれない。
つぐみの両親は多忙な為、代わって雨宮家の家事を取り仕切ってきたのはつぐみとなっている。
はじめの頃こそ近所に住むお兄さんの母に手伝って貰いはしたものの、いまでは立派にひとりですべてを切り盛りしていた。
洗濯を終え、夜遅かった両親のための朝食を用意し終えたつぐみは、白いブラウスに紅いリボン。黄色い縁取りの入った黒のブレザーに赤いチェックのスカートという翠翔学園の制服姿という出で立ちで玄関へ向かった。
長いストレートの茶髪が綺麗にポニーテールにゆわれており、太ももにかかるくらいの長さでゆらゆらと揺れている。左右のオレンジ色のリボンには鈴が付いていた。
ローファーを履いてつま先で三和土を軽くトントンと叩くと、静かに鍵を開けた。
「行ってきます」
「わう!」
「きゅん!」
『ぷお!』
「ないない!」
つぐみは寝ているであろう両親に気を使い、小さな声で言ってそぉっと家を出た。
それに続くように道中を共にする者達。
「うわ~! 桜が綺麗だな~」
「ないない~♪」
とつぐみは呟きながら心臓破りの坂前のバス亭まで来てつぶやいた。
暫くしてバスが止まり、中に入ると窓から桜を眺めて到着するまで暇をつぶしている。
バスが止まり、扉が開いたので降りて校門前に行くと、人影が見えた。
「おはよう、雨宮」
浅黒い肌に、スーツ姿だが、その内に詰め込まれた、
針金の束ねたかような筋肉質の肉体は隠しきれない。
「おはよーございます♪桐原先生♪」
と、笑顔で挨拶するのは低身長で小柄な体躯に大人な果実をもつ少女だ。
彼女の名前は雨宮つぐみ。
ちなみに目の前にいる男性は、翠翔学園が誇る生活指導も受け持つ教師……桐原直人教諭だ。
「ああ、おはよう! それと……雨宮、今回は残念だったな?
一応尋ねてみたんだが、駄目だそうだ」
「仕方ないですよ。 検査日に風邪をひいてしまったんですから」
済まなそうにしながらも封筒を渡してつぐみを見つめる桐原教諭。
つぐみは苦笑いしながらも手を横に振って気にしないでほしそうに話す。
「でもな、先生は人助けをしてそれで風邪をひいたとしても悪いことではないと思うぞ」
「……はい!」
そう桐原教諭が笑いかけるとつぐみは頷いて靴箱の方へと向かう。
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