第22話 クレープ屋さんで!
クレープ屋がある場所にてつぐみ達は並んでいる行列に驚きを顕にする。
列には子供やその親が手を繋いで並んでいる様子だった。
ちなみにつぐみ達はちゃんと並ぶことができていた。
「うわ~、凄い列だな☆」
「そういいつつ楽しそうだね、綾香」
にこにこ笑顔の綾香に溜息をもらす鷹久。
「なんでこんなにちっちゃい子がいるんだろうね?」
「それは、多分あっちの方じゃないかな」
つぐみの疑問に秋斗は笑みを見せながら視線を促す。
その先にはバスガイドさんがおり、なにやら告げているようだ。
「みなさーん! 休憩は一時間です! あまり遠くにいかないでくださいね!」
と、バスガイドはそう叫んで報告していた。
「どうやらタイミングが悪かったみたいですね」
「そうみたいだね」
歩美がそう言うとひばりも笑顔で頷いた。
「俺はさきに座る場所を確保してくるよ」
「…………(うん、お願いするね。 りゅうくん)」
龍星がそう言うと笑顔で頷く芹香。
そのまま彼は列から離れた。
クレープがさらに甘くなりそうな予感がしそうである。
「なら、俺もそうするか」
「え、お兄ちゃんも?」
そう言って列から離れようとすると真朝が声をかける。
いきなり兄までも動く理由がわからないようである。
「人数が多いからな。 お、富士也! ちょうどいいところに、真朝のこと見ててくれ
俺は龍星と座る場所をとっとくからさ」
「へ? あ、おい!?」
当夜は苦笑していたが、途中で見知った人物を見つけて呼び寄せて真朝の後ろに押し込むと去る。
「い、いきなりすぎるよ」
「あ、あはは……そうだね。 富士也もなんというか不憫だね」
つぐみと秋斗はその様子を見て苦笑を浮かべていた。
そう会話して顔を見合わせるつぐみと秋斗。
「クレープは何個までいいかな」
「あんまり買いすぎないでくだしゃいね」
「みなも、いうだけ無駄だと思うぞ」
「ですね、私も同感です」
目が輝く秀久にたしなめるみなもだが、光一と歩美には無理な気がしていた。
暫くして全員に順番が周り、場所取りに抜けた龍星達の分も買うとその場から離れる。
なお、つぐみとひばりは子供と勘違いされていたので落ち込みモードになっていた。
やりとりは省いておいた方が店員さんの命のためだろう。
「そ、そのうち背も伸びるって、ひばり」
「そ、そうだよね!? まだ伸びるよね!」
あまりにも見ておられず声をかける和明に振り向いて笑顔になるひばり。
そんなわけないという空気読めない発言をできる彼ではないので笑顔で同意した。
まあ、ひばりの落ち込み顔をみたくないからだろうが。
「つぐみ、どうして止めたの」
「あ、あの人も悪気があったわけじゃないし、それにきちんと謝ってくれたし信じてくれたじゃない
だから、ね?」
つぐみとひばりの背の件でちょい不服そうな秋斗になんとかなだめようと手を握っている。
クレープは秋斗とつぐみがどちらも持っているが。
そう、あの勘違いのあと店員は平謝りで謝罪してクレープを増量してもらうことになったのだ。
「ふふ、見ているだけで楽しめるわね」
「危ういとも言えるけどね」
霜月がクレープを4個もちながら笑うと澪次はくす、と笑みを見せながら言った。
ちなみに彼女の注文の数にはつぐみ達全員が驚いたのはいうまでもない。
「やっぱり驚くよね~」
「そりゃ、驚かない方がありえへんやろ」
「まあ、驚くなという方が無理だな」
レイナと深紅はクレープをお互い食べ合いしていたが、あの時の光景を思い出して楽しそうに笑う。
会長にもこういう可愛いところがあるんだと認識されたのが嬉しいのだろう。
当夜も戻ってきた時の量に目を見開くほどだった。
それは龍星も光一も秀久も秋斗達も同じなのでいうまでもないが。
「いや~、会長にああいうところがあるとはな~」
「そうだね、僕もさすがに驚いたかな」
綾香がけらけらと笑うと鷹久も驚きをかくそうとせずに苦笑を浮かべる。
「凄いでしゅよね」
「ですね、あんなに食べれるんでしょうか」
みなもと歩美は霜月のクレープの量に目をまんまるくしながら凝視していた。
「なあ、光一。 俺よりうわてがいた場合はどうしたらいい」
「しるかよ、そんなことで落ち込むのはお前くらいだぞ」
落ち込み気味の秀久に呆れたように話す光一。
「…………(りゅうくん、また猫乗せてるの?)」
「ああ、ベンチに座ったらいちはやく乗ってきた」
ちなみに芹香はというと龍星の隣に座り、膝のうえにいる黒猫を見ていた。
黒猫はゴロゴロと喉を鳴らしながら龍星と芹香に頭をこすりつけている。
それを見て二人はくすり、と笑みを浮かべて背中をなでている。




