第15話 検査ですよ~!
能力持ちの人は月に一回ある検査をしないといけないのである。
まあ、能力といえるかはわからないものなどでも検査はよくされている。
そもそも能力はひとによってまちまちなのでどこで検査なんてものはあんまりおおまかに知らされない。
ちなみにあいりは遠隔操作なのでグラウンドに来ていたりする。
まあ、行く場所が決まってるものは精神感応は第33教室にいき、予知系は第23教室に向かう。
遠視は第一教室校舎煉の第37教室だ、透視は第26教室で検査をうけることになっている。
透視系の検査を受ける少女はカードになにが書かれているのか当てている。
波なら波と答え、星なら星と答えていく。
念動力の使い手の子は針を斜めの向きに動かしたり、重いものを持ち上げたりしていた。
そしてところ変わって、あいりや綾香の方ではというと……。
能力を使い、グラウンドで重いものを遠くの方までテレポートさせていた。
それを見て記録を取る教師達は記録の内容を告げる。
距離は78メートル38と出て、誤差は53だということが告げられた。
「うーん、まだまだかな~」
「こればかりはうまくいかせるのが難しいよな~☆」
あいりと綾香はお互いの記録を見て笑顔で笑っていた。
本人達とっては記録など、どうでもいいことなのだ。
「いよーいしょ☆」
と、楽しそうな声が聞こえてきたのでそちらに視線を向けると綾菜がおり、硬いコンクリートを重力が乗った拳で叩き割る。
これも記録されていくのだが、教師連中は相変わらずの彼女のちから加減に呆れていた。
まあ、幼馴染である康也も呆れているのだが。
「相変わらず、すごい威力だよな~」
「うんうん、綾菜ちゃんのはほんとすごい計測方法だけどね」
ぽつりとつぶやく綾香とあいりは感嘆の声をもらしていた。
「まあ、そうしないと教師の人が吹っ飛ぶしね」
「かなりの馬鹿力とともに重力がのるからな」
計測を終えたのか鷹久と斗真が苦笑しながら歩いてくる。
それに気づいて振り向く綾香とあいり。
笑顔で近寄り、斗真はあいりを抱きしめて額にキスしていた。
くすぐったそうに身をよじるあいりらをみて仲良いな~くらいにしか思わない綾香と鷹久。
まあ、他のやつらは砂糖を口からはいているが。
ちなみに鷹久の異能は金剛体といい、単純な肉体強化能力なのだ。
特別レアというわけではないが、その力は大きいので常人の数十倍の筋力を発揮し、これに耐えうる頑健さと骨密度を得られ、相対的に耐久力や肉体の防御力も向上するものとなっている。
まあ、鷹久ならではの異能といえるかもしれない。
次に斗真のは彼の考えているものを”何か拒絶”することで、可能にするものだ。
言霊とは違うが、それはそれで使いかってはかなりよかったりする。
「おー、プールでは光一が計測してるんだっけか」
「うん、元素の素の雷での計測らしいよ」
「確か、それを緩衝材につかっての計測だよね」
「相変わらず、光一のもすごいよな」
プールで起こる轟音に関心する綾香・鷹久・あいり・斗真の4人。
「能力によって検査の数が多い方も大変だよな」
「光一もだけど、ひばりとかつぐみもそうだもんな」
鷹久の呟きに綾香はいまもどこかで検査しているであろうつぐみとひばりを思い浮かべる。
「ねえ、綾香ちゃんに鷹久くん。 そろそろ他のみんなのところに行かない?」
「そうだな、見てから一緒に汗ながしたらいいし」
「うん、みんなの力も気になるしね」
「んじゃあ、いくか」
そんな会話しながら行こうとしていると。
「私とこーちゃんも行く~♪」
「い、息が?!」
抱っこされた康也をそのままにしながら近寄る綾菜を見て苦労するなぁという表情を見せた綾香達。




