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第13話

淡々と自己紹介が終わり、次の男子生徒が立ち上がる。


「防人裕也だ。風紀委員権図書委員会長。 後、使い魔は前鬼ぜんき 後鬼ごきだ」

『前鬼だ、一応よろしく頼むわ!』

『後鬼。 よろしく』


左目に眼帯、髪は一房だけ背中半ばまで伸ばしている、制服からではわからないが引き締まった身体をしている。

前鬼は好戦的なのか荒いというか雑な挨拶になり、後鬼は寡黙なようで最小限な会話しかしなかった。

彼はそれに呆れながら着席し、その後に立ち上がったのはいかにも不良タイプな男子生徒である。


「天城富士也だ! つぐみ、おっと雨宮の従兄をやっている。 ちなみにこの髪は地毛なんで!

使い魔は~いないんだよな」

「フジくんの場合は中級と低級の精霊が契約もなにもせずに勝手に手伝うもんね

ひとりだけに決めたら争い起きるほどだし」


前髪に白銀のメッシュがかかった黒髪のざんばらヘッドに淡い黒のクールな瞳をしている。

制服ではわからないがほどよく引き締まった体格で顔立ちはややクール系、服装に統一感が無く制服姿もほとんどが着崩して着ているようだ。

使い魔に関しては苦笑しているようでそう言うとつぐみも苦笑を浮かべていた。

今も彼の周りを精霊達が囲っているのだろうことは誰の目に見えてもわかる。

特にひばりにはよくわかっていたりする。


絢爛武帝(けんらんぶてい)じゃねーか』


『なんでそんなやつがここに在籍したんだ?』


『あ、従兄だから心配できたってことじゃね?』


とざわめきが起こるほど富士也はよくもわるくも目立つようだ。


「はいはーい、静かにしてくださいね」


教師に言われて黙り込む生徒達。

その後も数人が自己紹介し、次の男子生徒の番となった。


「井鷹当夜だ。 つぐみや秀久や秋斗とみなもとは中等部の時に知り合った仲だ。

あ、秀久。 お前の不憫に俺を巻き込むなよ」

「俺だってすきで不憫を起こしてるわけじゃねーんだよ!」


世にも珍しい自然のレッドアイ。顔立ちは割とイケメンと自分で思っているようだが。

イケメンなので女子からの人気は高いし、兄貴のように接したりもするので男子からの人気も高い。

黒髪のショートにレッドアイという容姿をもつ彼はつぐみ達の知り合いであり、友達なのだ。

自己紹介中に言うと秀久は自分の意思ではないと声をあらげていた。


「ふ、二人とも落ちついてくだしゃい」

「いや、落ち着くのはみなもだと」

「ああ、みなもの方だよな。 とりあえず、よろしく」


慌てて会話にまざる彼女に秀久と当夜は苦笑を浮かべていた。

彼には使い魔はいるが、アンドロイドゆえに喋らないのだという紹介もされた。

そういう特殊な例もあるのだろうということは生徒達は考えていた。

そして自己紹介を終えると彼は着席し、小柄で低身長の女子生徒が席を立ち上がる。


「雨宮つぐみです。 趣味は裁縫と料理と家事全般です。 部活はひばりちゃんと同じ家庭科部に所属してます。 使い魔というべきなのか迷うけど……闇の妖精のラミと光の妖精の弥生と月の妖精のユエと火の妖精の焔香と水の妖精のスレイと土の妖精のジュリと風の妖精のヒュイと太陽の妖精のケルです

ほかにも妖精がいますけど、今のところはこれくらいの紹介にします。 つぐぴょんは癒し系のぷち獣だそうです、おばあちゃんが言ってました」

『主共々、よろしくおねがいしまーす!』

「ないない♪」


つぐみは笑みを見せながら自己紹介すると、彼女の周りに妖精が現れて笑顔で挨拶をする。

人形サイズの妖精達とつぐぴょんはみな笑顔でつぐみにくっついているようだ。

彼女が着席すると男子生徒が立ち上がった。


「工藤秋斗です。 好きなのは猫と戯れることで使い魔はこの蒼海龍のネプチューンです」

『お初におめにかかります、ネプチューンと申します』

「に~」


蒼みがかったショートの黒髪に澄んだ黒い瞳。

服の下にはガッチリと引き締まった筋肉が隠れている。特に足の筋肉はかなり発達している。

首マフラーにように巻きついている蒼海龍のネプチューンは静かに挨拶する。

賢い使い魔というのがネプチューンの印象である。

ネプチューンと同時に挨拶する秋斗そっくりのぷちは手を振っている。

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