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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

たなごころの香草焼き

作者: おしょう

材料 (2人分)

活きのいい人間 / 1人

塩 / 少々

黒こしょう / 少々

乾燥バジル / 少々

乾燥ローズマリー / 少々

オリーブオイル / 大さじ3

赤ワイン / 大さじ1


できれば肉付きのよい成人女性が好ましい。男性や老人の肉は筋張っていて食用には適さない。幼児の肉が至上であるとの声も上がっているが、入手が困難であることに加えて、食せる部位がわずかであるため私はおすすめしない。食事は目で楽しむところも大いにあるため、華やかな女性が望ましい。

今回食膳に並ぶのは両の手首から先だけではあるが、切断はせずに生きたままで調理する。生物は絶命するとその瞬間から硬直が始まるため、食材の歯ごたえを、生命力を活かすにはこの方法が最良である。日本の活け造りや韓国の犬焼酎などでも同様の調理法が採られている。


まずは両手の爪を全て剥ぐ。専用のネイルピーラーを使うと綺麗に手早く剥けるのだが、一般家庭での調達は困難だろうので、ペンチでの代用法を紹介する。

ペンチを利き手で握り、爪を上下から挟みこむ。ここでペンチを水平に引いてはならない。水平方向への爪の癒着度はなかなかのもので、大の大人でも用意に剥がすことはできない。そこでテコの原理を利用し、爪のつけ根を支点として回転させるように上方向へ一気に曲げる。すると柔らかい爪半月部で簡単に折ることができる。

注意すべきは食材の生命力を途絶えさせないことである。失神しそうになったら、冷水をかけるなり電流を流すなりして意識を保たせよう。


10本の爪を剥ぎ終わったら流水で血を流し、薄皮をむきとる作業に入る。沸騰した湯に両手をさっとくぐらせ、すぐに氷水で冷やし表皮を剥離させる。ぶよぶよになった皮をつまみ優しくひっぱる。上手くいくと脱皮したヘビのように一枚続きの皮が取れる。


次に下ごしらえを行う。火を通りやすく、味を染み込みやすくするためにフォークで数カ所穴をあける。手の平と甲両面に塩、黒こしょうをまぶし、軽くすりこむ。手の甲側にバジルとローズマリーを指で砕きながら落とし、これもすりこむ。


フライパンにオリーブオイルをひき、甲側を下にして中火で5分焼く。しだいに手全体が赤黒く変色し血が流れ出すが、これは煮詰めると濃厚なソースとなるため捨ててはいけない。こんがりと焼き目が付いたら裏返して落し蓋をし、弱火で5分蒸し焼きにしたら完成である。


片手づつ大きめの皿に盛り、フライパンに残ったブラッディ・ソースに赤ワインを加えて味を整え、たっぷりとかける。彩りとして焼いたナス、パプリカ、オクラを添えて盛り付けるとより良い。食事中も食材が気絶しないように注意し、感想を聞かせてあげよう。気になるあの人と片手ずつ食べると上手くいくこと間違いなしだ。

処女作です。感想をお待ちしております。

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