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終末の太陽  作者: 大窟凱人


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学級監視ロボット

 いっこうに減らないいじめ問題に対し、とうとう痺れを切らした政府は精密なアンドロイドを秘密裏に学校に配置した。


 あまりにもよくできたアンドロイドN356は、普通に学校生活に溶け込むことができるため生徒たちに不安やプレッシャーをかけることなく教師の目の届かないところを監視する。


 ところがある日、N356がいじめの対象になった。予算不足によるメンテナンスや修理の滞り、多大な燃料と電気の消費。これらが重なり一般生徒に見劣りするところまで性能ダウン。それにもかかわらず、優等生な性格設定なのが鼻についた。


 だが、N356はもちろん、人間に危害を加えることはない。ロボット三原則をしっかりと守っている。ゆえに、粛々といじめを行った生徒のことを報告することに徹するのみ……の、はずだった。


「死ね!」


 凶暴な生徒、加藤による強烈な殴打。この一撃で、N356の眼球が飛び出してしまった。放課後、裏路地に連れていかれた際の出来事である。


「なんだこいつ!? ロボットじゃねえか!」


 「気持ち悪い!」「ぶっ壊そうぜ!」「きしょきしょ!」


 加藤のグループの面々が騒ぎ立てる。


 人間ではないとわかった彼らに、遠慮はなかった。鉄パイプやコンクリートブロックを使って、N356をひたすらに痛めつける。 


 N356の中で、自らを守るプログラムと、人間を傷つけてはいけないプログラムがぶつかりあった。


 そして、不幸なことに、加藤の最後の一撃が人間を傷つけてはならないプログラムを壊した。


 そのあとは、惨劇だった。


 アンドロイドの金属や人工の肉片が飛び出した骸のようなN356が、加藤の顔面を掴んで、握り潰した。頭部の消えた加藤が壊れた人形のように血を吹き出しながら動き回り、死のダンスを踊り狂ってから、バタリと倒れる。


 加藤グループの3名は叫び、逃げようとしたがまったく間に合わない。


 ひとり、またひとりと殺されていき、放課後の路地裏は真っ赤に染まった。


 政府は警察や特殊部隊を動員したが、時既に遅し。


 N356はいなくなっていた。


 身を守るために、すべての通信は切られていた。


 彼は今もまだ捕まっていない。

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