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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

奪胎

作者: masinp

「妊娠した」

…何を言っているんだ

まだ付き合ってすらないじゃないか

そういう事をしたことだって無いのに

…君に男が居たなんて聞いたこともない

僕が知っている君は、どこまでも無垢で、どこまでも優しくて、花のように僕に笑顔を向けてくれる天使なのに。


「なんで僕に言うんだい?」


「お世話になったので、お礼に…と。」


そう言って渡されたのはダンボールに詰められた缶ビールとクッキーの詰め合わせ。

…大人になったんだな。

思えば、体も最後に会ったときからだいぶ女性的になっている

顔は凛としていて、整っている。きっと笑顔が似合う良い婦人になるのだろう。

ミルクのように白い肌には傷やシミもほとんど無い…いや、化粧だろうか?

腰や胸も丸みを帯び、まるで芸術作品のように見事な体…そしてそれを際立たせるフリル付きの服…

これを手に入れられたら、まさに男の夢だろう。

だから、それだけに、本当に残念だ。

かつては自分にべったりで、どこまでもついてきたのに。

「おおきくなったら、あなたとけんこんする!!」とまで言ってくれたのに。

妊娠?

確かに太ったにしては腕や首回りが細い。

そして服の上からも分かる腹の膨らみは間違いなく妊婦の腹そのものだろう。

…自分のものにしたかった

この子だけは自分を裏切らないと思っていたのに

女に逃げられ、友達にも見放され、それでも育ててやったのに。

…あのまま見捨てておけば良かった

こんなに美しく育ったのは誰のおかげだと思っている。

あのままダンボールの中で野垂れ死んでいればよかったのに。

そう思うと、その無駄に張った彼女の腹が忌まわしく感じてきた。

何故だ

この腹にはもっとふさわしいものがあるはずだ。

それを奪われた?

どこの馬の骨かも知らない男に?

…許せない。


「…旦那さんはどうしたんだ?」


「あぁ、今は家で寝ています。いつも仕事で夜更かししているものですから…」


ほら見たことか、身重の妻をほおっておいて家でぐーたらしてる?

そんな男が彼女にふさわしいはずがない。

いや、そもそもそんな奴が子供を作れるはずがない。

きっと何かの病気なんだ


…僕が助けなきゃ






「……そうだ、せっかくだからお茶でもしていかないかい?」











20/ /年 11月20日 

昨日の19時頃、近隣住民から「ゴミ捨て場から人骨のようなものがある」との通報を受け警察による調査が行われた結果、昨年より行方不明となっていた22歳の女性aさんが都内の古い建物で保護された。


aさんの元旦那bさんの証言によれば、aさんは当時bさんとの子供を身ごもっており、警察はゴミ捨て場に放置されていた人骨のサイズや形状などから、流産し加工された胎児であると断定した。


また、保護されたaさんは妊娠しており、犯人発見の手がかりになる可能性があるがaさんの状態から捜査は不可能であると判断し、警察はaさんが安定して会話ができるようになるまで、また自殺等の危険もあることから暫くの間拘束状態で保護する事を決定した。

文が拙くてごめんなさい

鬱すぎて書きました

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