第四話 冒険者ギルドに到着
市場ストリートを見た後、冒険者ギルドの前に到着した。
冒険者ギルドは決して立派とは言えないが、このエリアでは最も大きな建物だ。
5階建ての高さで、この世界においてはまるで高層ビルのような存在だ。
「チリン!」
ドアを押す瞬間、掛けてあるベルが鳴った。
ここが冒険者ギルドか……!
汗臭さと暑い空気が混じり合った空気がドアわ開けた瞬間、僕の顔に当たる。
この恐ろしい臭いと熱気は学校の運動部の部室と同じだ。
アニメで見たのと同じように、冒険者ギルド内は非常に賑やかで、多くの冒険者達がギルド中で会話して、飲んで、クエスト掲示板の前で適切な仕事を探している。
目の前の光景は、おそらく全てのオタクが憧れる光景だ。
彼らが笑っている様子を見て、僕は久しぶりに興奮を覚える。
僕はそんな笑顔の出し方すら、もう忘れた。
まだここにいる冒険者は笑顔をでいる資格がある。
なぜなら、ここに立っているのは生きている者だ。
僕が彼らと一緒に立つことができるは、ここ何年がで唯一の幸運なことだ。
これは死んだはずの僕が、こうしてまた生きられている証だ。
僕は僕を賭けの対象にする神達が嫌いだが、「僕がまた生きている」という点については、彼らに感謝しなければいけないのは確かだ。
僕は冒険者達を避けてフロントに行く。
そして、フロントの受付係をよく見る。
フロントの受付係は猫耳があるの女性亜人で、人間の部分が90%、動物の特徴が10%くらいで、ほどんと人間と同じだ。
猫耳の女性亜人は完璧な美人で、茶色のショートヘアと可愛らしい白い猫の耳を持ち、豊かな胸と乳袋デザインの制服を着用している。
思わず彼女に見惚れてしまう。
本能で彼女の胸をちらっと見た後、名札が彼女の胸元にあるのが見えた。
この猫耳の女性亜人の名前はシャーロットだ。
「こんにちは!お手伝いできることはありますか?初めてお見かけしますニャー、こちらにいらっしゃるのは初めてですかニャ?」
シャーロットの声を聞いた時、僕はすぐに彼女の豊かな胸から彼女の黄色い瞳の目に視線を移す。
シャーロットの声からは不機嫌さは感じず、おそらく男性の視線に慣れているため、自然な対応をしている。
これがプロか……!
彼女の質問に対して僕は数秒間ぼんやりとしていたが、それから心の中で準備を整え、心の中で「第三位に話したい言葉」を言う――
「僕、冒険者ギルドに参加する。」
この言葉を口に出した瞬間、僕はすごくドキドキした。
これは元の世界では絶対に口に出せない言葉だ。
ちなみに、僕が「話したい言葉のランキング」で第一位は「一緒に家庭を築いて、子供を産んでください!」で、第二位は「ついにあなたを倒した!」だ。
第一位の言葉は、童貞にとってはまったくの夢の話しだ。
いや、多分仲の良いカップルや夫婦もこの言葉は言えない。
「新人冒険者ですか?それでは、少しお待ちくださいニャー」
シャーロットは話しながら腰を屈め、下から球体の装置を持って上に置く。そして、シャーロットは空白のカードを装置の下のプラットフォームに置く。
「入会料金のご準備はありますか?入会費は50枚の銅貨ニャー。」
この質問は凄く変だ。
簡単な例を挙げると、店で買い物をしていると、レジの際に店員はわざわざ「お金はお持ちですか?」とは聞かない。
代わりに、会計金額を伝える。
しかし、シャーロットが先に「入会料金のご準備はありますか?」と尋ねた。
この意味は……
「いいや……他の方法で加入できる?」
「そうですか..... それなら問題ありませんニャー。現在、より多くの冒険者を募集するために、新人冒険者向けのサポートがギルドで提供されています。入会料金がない場合でも、ギルドに参加できますが、少し利息がかかります。利息は10枚の銅貨ですので、入会料金は60枚の銅貨になりますニャー」
本当に冒険者になるためにこの方法を選ぶ必要があるの?これにはある程度のリスクが伴う。
例えば、加入後に一度もクエストを受けなかったり、他の冒険者を通じてクエストを受けたりする場合、この借金は返金できない!
「できれば、50枚の銅貨をご用意いただくことをお勧めします。やはり10枚の銅貨を余分に支払うのはあまり得策ではありませんニャー」
今、頭の中でわかっているのは50枚の銅貨は一般的な労働者が半日の労働で得られる報酬で、一日の生活費に相当する。
少し生活が厳しい場合でも2日から3日分の生活費に充てることができる。
今の僕にとって、まず仕事を探して50枚の銅貨を手に入れてから入会費を支払うことはできない。
一枚の銀貨は神からもらったものがあるが、それを支払った場合、生活費が1日しか持たなくなる。
もし入会後に今日完了できる仕事をすぐに受けないなら、明日は路上で寝ることになるかもしれない。
でもこの一枚の銀貨を持っていれば、少なくとも2日間は生活の問題を心配せずに済む。
柔軟性も高まる。
「借金するよ。」
僕の選択を聞いて、シャーロットの美しい目が驚いてしばらく見つめた後、数回瞬きをする。
おそらく、借金をして入会を申し込む人は少ないからだ。
しかし、シャーロットはすぐに元のプロの笑顔に戻った。
「了解しました、では今登録させていただきますニャー」
彼女は言いながら手を机の前の球体に置いた。
球体はすぐに赤い光を放ち、その光は球体の底部に集まり、カードに「借金60枚の銅貨──ハジメタウン冒険者ギルド」という文字を刻まれた。
「これで、あなたは当ギルドに60枚の銅貨の借金を抱えることになりますニャー」
「冒険者ギルドは頻繁に冒険者に金を貸すことがあるの?」
「もちろんですニャー。冒険者ギルドは冒険者をサポートするために存在する組織であり、冒険者が困難に直面した際に必要な支援を提供します。そのため、資金の貸し出しもギルドのサービスの一つですニャー」
「でも、冒険者ギルドからお金を借りる人はあまりいないんだね?」
「普通の冒険者は利息を支払うのが嫌いですし、借金を抱えることを好みません。なので、ほとんどの冒険者は冒険者ギルドから借金をすることを選ばないニャー」
「では、返済しない場合はどうなるの?中にはそういう人がいるはずだよね?」
「そういった人はいませんニャー。冒険者ギルドに参加した後、身分ボードを預かるため、冒険者登録カードが将来的に冒険者の身分ボードとして使用されますニャー。ギルドの許可を得ていない限り、借金がある冒険者は借金がある町以外に入ることは許可されませんニャー。したがって、借金がある冒険者達は最終的に借金を返済するために戻ってくることになりますニャー」
なるほど、貸付制度は町の出入りと組み合わせて設計されているのだ。
凄く合理的な設計だ。
でも、これは普通の冒険者を対象とする。
僕はもう借金を逃れるいくつかの方法を考えた。
一つは、身分ボードは簡単に偽造できるかもしれない。
ならば新しい身分ボードを偽造すればいい。
しかし、借金から逃れることは正々堂々と生活するチャンスを失うことを意味し、国家と門禁条件を交渉できる冒険者ギルドと対立することになるため、借金から逃れようとするのは絶対に愚かな行為だ。
でも、これはこの町にしばらく滞在しなければならないということだ。
「なら、返済はいつでもできるの?」
「ギルドで仕事を受けてお金を稼いだら、いつでも料金を返済できますニャー。分割払いを希望する場合でも問題ありません!冒険者ギルドはこの点で非常に柔軟ですニャー。もし決断できたら、当ギルドは入会料金と入会申請を受け取りますニャー。これでは身分ボードを提出し、登録装置に手を置いてください!」
シャーロットの指示に従って、僕は身分ボードを提出し、登録装置に手を置いた。
僕の手が球体に触れた瞬間、球体から6つの光が放射される。そして光が集まり、透明に変わる。まるで白湯のようだ。
同時、冒険者カードに文字が出る。名前、レベル、ステータス、及び固有スキルが徐々に書き込まれる。
「これは……」
「どうしたの?」
「あの……ヘロさんですね?冒険者になるのを諦めた方がいいかもしれません……今なら、まだ入会申請と借金記録はキャンセルができます。ひとまず身分ボードを返却しますニャー…...」
えっ?今冒険者になったばかりなのに、とうして僕にやめることを勧めるの?
シャーロットの口調と言葉遣いが僕を緊張させる。
自分の人生を変えることと神達の悪趣味を邪魔するには、冒険者になることは必須だ。
冒険者になれば、スキル「永生」を手に入れる可能性がうんと高まるい。
しかし、入会手続きを完了したばかりで、すぐに退会を勧められるとは……何か良くない事情があるように感じる。
「なぜ僕に冒険者をやめるのを勧めるの?何か問題があるの?」
「いいえ、ヘロさんに冒険者をやめることを勧めているわけではありません。今あなたが冒険者になったら、損をする可能性が高く、大きな損失を被ることになるかもしれませんニャー…...」
「損をする可能性が高い……どうして?」
この言葉を言いながら、僕は冷や汗が出ているのを感じた。
「あの、さっきヘロさんが登録装置に手を置いた時、光が放射されたと思いますよね? その光は冒険者の属性を表しており、火は赤、水は青、風は緑、地は茶色、闇は黒、光は金色ですニャー。しかし、ヘロさんの色は透明ですニャー。これが示す意味は…...」
ここまで聞いて、僕は安心した。
シャーロットが僕に退会を勧めた理由を理解したからだ。
理由を知ってたので、緊張感も一瞬で消えた。
「無属性はヤバいってことだね?」
僕の言葉を聞いた後、シャーロットはすぐに力強く頷きた。
彼女の胸も強く揺れる。
「そして通常無属性であっても、他の属性が少しだけ混ざっているはずですが、ヘロさんの属性は透明で、まるで白湯のようですニャー…...」
「無属性は冒険者になれないの?」
「それでも構いませんが、冒険者にとって最も重要なことの一つは『スキル』ですニャー。スキルがあれば、冒険者はさまざまな任務をより簡単にこなすことができ、さらにハイレベルスキルを学んだ冒険者は昇進しやすくなりますニャー。ほとんどのスキルには対応する属性があり、その属性を持っている人はそのスキルを学ぶやすくなりますニャー。したがって、無属性の人がスキルを学びたい場合、非常に困ることになりますニャー.....」
この説明では足りない。
シャーロットの説明に加え、神からの知識により、僕は「生まれつきの属性」だけでなく、属性は「所有するスキル」にも影響を受ける。
僕が持っている3つのスキルはすべて無属性だから、僕の属性が無属性なのは当然のことだ。
また、無属性になったのは僕の意図的な選択だ。
無属性の説明は「自身に属性がなく、属性に制限されず、また属性スキルを使用するのが難しいため、属性エレメンタルの加護がない」だ。
初期には不便な点もあるが、どんな属性でも学ぶことができるため、僕はどんな属性のスキルも学ぶができる。
それが僕の目的だ。
簡単に言えば、初期さえ乗り越えれば、僕はすべての属性スキルを使用できる。
「大丈夫、僕は冒険者になる。」
「......もしそのようにお望みなら、冒険者になることはできますニャー。無属性はスキルを学ぶのが難しいけど、低レベルなクエストだけなら、何とか生計を立てることができるかもしれません…...」
おそらくは僕を慰めるために、シャーロットはこの一言を補足し、そして優しい笑顔を見せた。
シャーロットは天使か?
いや、天使だ!
「それでは、今、ヘロさんの冒険者カードを一緒に見せてあげますニャー......」
シャーロットは僕の冒険者カードを取り上げ、その後、表情が一瞬固まった。
わざとらしいかもしれないが、彼女は後ろに下がって、手を挙げてそっと自分の胸を隠したように感じた。
今度はどうしたの?
おそらく僕が何か違和感を抱いているに気付いたのか、シャーロットはすぐに冒険者カードを僕の前に押し出し、そしてカードの右上の隅にある「鉄」と書かれた部分を指差する。
「これはヘロ……さんの冒険者ランクですニャー。最低ランクである『鉄ランク』で、新人冒険者を指しますニャー。その上には銅、銀、金、白金、そしてダイヤモンドが順番にあり、ほとんどの冒険者はダイヤモンドランクを目指して努力しますが、そのランクに達する人は非常に少ないですニャー。このランクに達する冒険者は英雄的な存在であり、現在、世界中にはわずか6人のダイヤモンドランク冒険者がいますニャー。冒険者のランクは受けられるクエストのランクに影響を与えますニャー。クエストはS、A、B、C、D、E全部6つランクに分かれており、鉄ランクの冒険者はEランクのクエストが受けられますニャー。」
簡単に言えば、各ランクの冒険者には適切なレベルのクエストがあり、より高ランクの仕事を受けるためにはランクを上げる必要がある。
「どうやってランクが上げるの?」
「金級と金級以下の冒険者は十分なランク経験を蓄積すれば、冒険者ギルドにランクアップの申請ができ、評価任務をクリアすると冒険者ランクが上がりますニャー。白金級の冒険者はダイヤモンドの冒険者の推薦を受けるか、特定の国で公式認定書をもらうことで昇進できますニャー」
シャーロットはカードの左上の隅にある「Lv1」を指し、次に僕の名前の下を指する。
それは僕がよく知っているステータスの欄で、以下のように分配されている:
筋力:9 知性:9 根性:6 敏捷:7 幸運:0
幸運が0?
「こちらがヘロさんのステータスですニャー。能力値はトレーニング方法によって変動し、レベルアップ時に自動的に更新されますニャー。ステータスとしては、ヘロさんは冒険者に向いています。でも……スキルを学ぶことのできない冒険者の選択肢は非常に限られているため、よく考えることをお勧めしますニャー。」
他の能力値はトレーニング方法が考えられるが、幸運はどのようにトレーニングするのか……?
幸運なことは継続的には起こり得ないね!
「そして、固有スキルの部分ですニャー。通常1つから3つ固有スキルを持っていますニャー。そして、ヘロさんのは……」
固有スキルを見た瞬間、シャーロットが先ほどそのような反応をした理由が分かった――
スケベ:D ダメ人間:D
まて……まてまてまてまてまてまてまてまて!!!!!
この固有スキルは何!?!?!?!?!?!?
スケベとダメ人間の二つ……最低な男性の特徴じゃないか!?!?
シャーロットが僕を見つめる視線に、僕はすごく緊張する。
彼女のプロの笑顔が引きつっている。
そして僕の視線が少し下に向かうと、彼女の手が胸を遮る。
僕には他の意図がないのに、彼女の動きはすごく僕を嫌がっているようだ。
ダメ人間はすごく理解できるが、スケベはなんなのか?
僕は大きな胸の女の子が好き。
SNSやTikTokで可愛い女の子の動画をよく見る。
FO2みたいのウェブサイトを訪れて寂しさを紛らわせることもあります。
でも!これだけでなぜスケベになったの?
普通の男性はみんなスケベでしょ!?!?!?!?!?
「あの……ちょっと問題があるのではないでしょうか……?」
「登録儀は今まで何百年も使用されており、そのエネルギー源は冒険者自身の力から来ており、そして魔力を通じて冒険者の特性を解析しますニャー。基本的に誤差は存在せず、誤解は生じないのですニャー、ヘロスケベさん!」
やめて!!!
やめてよ!!!その呼び方!!!!
これは拷問だ。
今後、城門で冒険者カードを提示するたびに、誰もが冒険者カードの表面情報を見ることになり、すべての人に僕が「スケベ」であることを知られてしまう。
町に入るたびに冷たい視線に見舞われることになり、それを考えただけで気持ちが悪くなる。
いきなり犯罪者予備軍になってしまった!
ふざけんな!!!!!
次の更新日は10/21(土)です。
どうぞよろしくお願いいたします。