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ダメ人間の僕はクソ神達の賭けるものとなる。  作者: ハピ
第一章 賭ける物になる
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第四十六話 盗賊になった冒険者(四)

「ジアン、後ろ!フォーメーションを保て!シンシアは中央だ!」

「ボス!!敵の数が多すぎる!これじゃ、突破するのは無理だ!!!脱出も難しい!!!」

「退路がない以上今は突破するしかない!俺様に続け!前線は俺様が切り開く、アンゴア、後ろは頼む!!!!」

「ジャクシス、敵の数が多すぎる!大魔法を詠唱する時間もない!」

「通常の攻撃魔法でいいんだ!!!貴様らは自分たちを守れ、俺様は関係ないからな!前線は俺様が切り開く、貴様らは後ろからついてくるんだ!」

「ジャクシス、死ぬなよ!さもないと、本当に許さないからな!」

「俺様はそんなに簡単には死なないさ、まだ貴様と果たさなければならない約束があるからな!」

「今こんな時に甘いことを言ってる場合!?」


 シンシア、アンゴア、そしてフォクシーのツッコミはジャクシス小隊の緊張した雰囲気を少し和らげたが、彼らが置かれている状況が変わったわけではない。

 ジャクシスを先頭に、他の四人は後方で陣形を保つ。

 地下迷宮に入る前は非常に順調だったが、深く入っていくにつれて、ジャクシス小隊を待ち受ける試練はますます過酷になった。

 絶え間なく湧き出る屍鬼と上級屍鬼が彼らの前進を阻んでおり、一度はクリアした道も屍鬼が無限に再生していく。


 屍鬼自体はDランクの低級魔物だが、規模に応じて屍鬼群はAランクの脅威になる。

 上級屍鬼はCランクの魔物であり、同様に規模に応じてSランクの脅威になる。

 いまジャクシス小隊が直面しているのは、屍鬼と上級屍鬼の混合大群であり、明らかにSランク以上の脅威だ。

 紅竜の討伐クエストと同じレベルではあるが、その数の多さから、クエストの難易度はまったく違う。

 ジャクシスの能力は基本的に単体戦闘に特化しており、多数の敵を相手にする場合はシンシアとジアンに頼らなければならない。

 シンシアは魔法攻撃を用いるが、現状では大型魔法を詠唱する時間がないため、小範囲の攻撃魔法でしか対応できず、包囲を打破するのは非常に困難であった。

 ジアンにはその問題はないが、彼女の攻撃範囲はシンシアよりも小さいため、現状を乗り切ることは可能でも、その体力が消耗され続け、倒れるのは時間の問題だった。

 アンゴアとフォクシーにいたっては、今はシンシアとジアンを守ることしかできない。

 アンゴアの攻撃手段も単体戦に特化していた。戦闘能力はジャクシスに及ばず、シンシアの護衛とジャクシスの支援を行うことになる。

 僧侶としてのフォクシーは不死系に対応する聖属性魔法を持っているが、シンシアと比べて戦闘力は大きく劣り、攻撃するよりも他のメンバーを支援する魔法を使う方が良い。


 もう早くここを突破しないと、皆が持たない!

 俺様は皆をここで倒れさせるわけにはいかない!!


「大地衝撃斬!!!」


 豊富な戦場での経験を活かしてジャクシスが前をリードしていくが、この状況には非常に苦しめられていた。

 突破口を切り開きつつ、いつも味方の状態に気を配らなければない。

 大量の魔物に対して、ジャクシス自身も致命傷となる傷を負わないように気を付けなければならなかった。

 そして魔物の脅威だけでなく、呼吸する空気そのものにも危険が潜んでいた。

 不死者の荒野の空気には有害な瘴気が充満しており、長時間その中にいると体が侵され、不可逆的なダメージを受ける可能性がある。

 だからこそ、ただ突破するだけでなく、時間もジャクシスにとって圧力の要因となっていた。


「前進だ!!前進!!あともう少し!!!」


 地下迷宮の中では外の日月の変化が見えず、ジャクシス小隊は数日間地下迷宮の中にいるような気がしたが、実際にはたったの8時間だった。

 あまりにも過酷な道のりだったが、彼らはついに地下迷宮の最下層の部屋の扉の前に到達した。


 厚い石の扉を見つめながら、ジャクシスは迷っていた。

 奇妙な模様が彫られたこの石の扉は非常に厚いように見えたが、その扉の奥から漂う気配を完全には遮断できていない。

 その気配についてジャクシスは言葉で表現できなかったが、戦士の直感が彼に扉を開けることを拒み続けた。

 しかし、ジャクシスには考える時間すらなかった。

 後ろからますます多くの屍鬼が湧き出しており、その数は軍隊に匹敵する規模だった。

 部屋に入って扉を閉じなければ、彼らは行き詰まりになるだろう。

 部屋に入り、クエストで言及された巻物を取り、その後シンシアの転送魔法で地下迷宮の外に転送できる。

 だからこそ、彼らは中に入らなければならなかった。


「ジャクシス、早く扉を開けて!もう持ち堪えられない!!!」

「ジャクシス、急いで中に……お願いだ!!!」

「ボス!!!」

「僕の魔力はもう限界だ……頼む、隊長!」


 ジャクシスは歯を食いしばり、全力で石の扉を開けた。

 大量の塵が崩れ落ちる。ここには100年以上誰も入っていないようだった。

 扉が開けられると、皆は最後の部屋に素早く逃げ込み、その後ジャクシスとアンゴアが力を合わせて扉を再び閉じた。


「ふ、ふ、ふ……あれは一体何だ……なんで屍鬼があんなにも繰り返し復活するんだ?完全に異常だ。」

「ボス、よくやった……」

「ジャクシス、あんたとジアンがどんな結婚式を挙げるか想像してみて。」

「結、結婚!?このバカ女!!いきなり結婚だなんて!?」

「ああ、じゃあ僕が司会者になるね。」

「フォクシーも!!??」


 皆は地面に座り込んで息を整えた。ここがこの地下迷宮の唯一の休息ポイントのようだ。

 通常、地下迷宮にはいくつかの休息ポイントがあるはずだが、その数と場所は異なる。

 この地下迷宮は明らかに最高難度であり、最後の部屋が唯一の休息場所である──はずだった。


「こんなところに人間が来るなんて……」


 突然の声に、ジャクシス小隊の全員が身構えた。


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