プロローグ 神達のギャンブル
神達の時間は無限だ。
不老不死のせいで、神達の神生は退屈で味気ないものになっていく。
生まれつき持った強大な力は、失敗を知らず、挑戦するまでもない。
たから、暇つぶし時間をさがすことは神達にとって唯一の楽しみなのだ。「世界」は暇つぶし目的で創造された産物だ。
簡単に言えば、「世界」は神達のおもちゃ。
神達はたった七日で「世界」を造り出すことができる。
この七日は「世界」にとっては千年だが、神にとってはただの七日に過ぎない。
最初はその世界を大切にし、見守ることにした。
しかし数日経つと飽きてしまい、目の前の世界が完璧ではないと感じるようになった。
こう考えるようになってから、別の世界を再び創造し、同じことを繰り返し、最も完璧な世界を創造しようとした。
神達は無数の世界を創造した。
その数は多すぎて、正確な数字すら覚えていない。
これらの世界は神達のおもちゃで、その中には滅亡したり衰弱したりしたものも多くあるが、世界の崩壊は彼らにとってはただおもちゃがこわれただけ。
壊れたおもちゃに価値はない。
当然、神達は痛みを感じることはない。
しかしながら、今、世界を創造するゲームに神達は飽きてきた。
何をすべきかわからなくなった時、神達は過去に創造した世界が神達の知らないうちに新しい娯楽が生まれていることに気づいた。
神達は模倣し複製を始め、ますます多くの神達がオタクになり、さまざまな娯楽に夢中になっていきました。
ゲーム、小説、漫画、アニメ、映画などの娯楽だけでなく、神達は自分の能力を用いて、人々が幻想としか思わないものを現実に変えることができることに気づきました──
異世界転生と過去にタイムスリップする。
異世界に転生したり過去にタイムスリップした対象の反応は非常に滑稽で、彼らの行動と世界への影響を観察することは、どんなエンターテイメントより面白かった。
神達の間では人々を異世界に送ったり過去に戻したりするブームが起きた。
神達は彼らを絶えず観察し、彼らの成長さえも賭けの対象になった。
「さっき送ったなあいつもう死んじゃったな。本当にバカだ、まだ転生して間もないのに突然ドラゴンに焼かれてしまうなんて。」
天の神ウラノスはため息をついた。
一つの世界の崩壊すら、彼にとってはため息をつくほどのことではない。
だが、ウラノスにとってこのおもちゃはまだ「新品」だったため、こんなに早く壊れてしまったことに対して若干の惜しみを感じている。
「そんなこと言うべきではないと思いますよ!私たちが創り出した存在であっても、この人は魂がある生命です。」
人の神プロメテウスはウラノスの態度に対して眉をひそめる。
彼の能力に何百万もの人間を作り出すことぐらい造作もないが、人の神として、どの命もゴミのように捨てられるべきではないと彼は考えている。
「あたし言ったやん?お前は人に課す条件があまりに厳しいって!どの異世界転生作品で、転生者に何の恩恵も与えずに、そのまま異世界に放りだすような状況を見たことがあんの?」
大地の女神ガイアは眼鏡を押し上げ、その手に持っていた本のページをめくる。
その手に握られた本はある世界からコピーされたラノベで、ちょうど異世界転生の物語だ。
天の神ウラノスと人の神プロメテウスと大地の女神ガイア、この三人は物心を持つようになってからずっと一緒にいて、ほとんどの時間を共に過ごしている、人間の言葉で言えば、彼らは「ダチ」のような存在だ。
彼らも他の神と同じだった。彼らは新しい世界を創造することに飽きてきて、新しい目標を探し始めた。
最初、彼らはボードゲームを試してみた。
彼らは過去に創造した世界からさまざまなボードゲームを見つけたが、チェスは2人プレイで1人はただ眺めるしかない。麻雀をするにも人数が足りず、トランプはウラノスが負けると怒る可能性が高い。モノポリーは時間が長すぎるてウラノスは我慢できない。
結局、ボードゲームの案は排除されることになった。
その後、ある世界はネット技術を発展させたため、彼らはオンラインゲームを一緒にプレイした。
ボードゲームと同じく最初は順調だったが、RPGではウラノスはメインクエストを進めたり、レベルアップのためにアップグレードするのが耐えられなかった。また、他のプレイヤーとチームを組む際にも衝突が起こることがあった。
結局、彼らはオンラインゲームの案もやめだ。
家庭用ゲーム機のゲームは3人で一緒に遊ぶのが難しく、彼らはすぐにそれも諦めた。
最近、神界では「異世界転生」と「タイムトラベル」が流行り始め、神達は自が送った「観察対象」がどれだけすごいかを吹聴し、自分たちの洞察力がどれだけ正確かを自慢することで、送った人を救世主にすることができると主張し始めた。
だから、この三神もこのようなゲームを始めることに決めたのだが、現時点で78回も失敗してあり、異世界に送られた人々は送られてからいとも簡単に死んでいった。
「貴様どうすればいいか考えて言いやがれ!このクソゲーム一体どこが楽しいんだ!こんなに簡単にくたばって、なぜ皆こんなに熱中できるのか、本当にわからない!」
「ウラノス、ウラノス、そんな風に怒らないで。ちゃんと話をしよう!」
「お前な、一体どういうつもりだやん?もう少し我慢できないやん?人間はもともと脆弱だし、異世界に送り込むと事故が起こりやすいのは当然だろうやん!」
「ガイア、ガイア、そんな風にしないで。ちゃんと話をしようよ!」
「貴様いつもやんやんやんやんで本当にうるさい!これは人間が弱すぎるのせい!プロメテウス!なぜ人間はこんなに脆弱なんだ?設計の欠陥だろ?」
「人間が神々と同じくらい強ければ、問題が起きるだやん。お前まさかバカたやん?そんな簡単な質問、バカのバカ脳回路は全然理解できないやん、バカ。」
「クソビッチ、誰がバカだと?もしやる気があるなら、貴様がやってみろ!今回はきさまが主導してみろ!」
「最初からあたしが主導するって言ってでしょ?お前はどうしてそんなにせっかちなんだやん!」
「俺様はのろまが嫌いだ!お前達みたいなのろまと思わないでくれ!全然違う!」
「それがせっかちやん!今回はあたしが主導するって約束して!お前は手を出すなやん!」
「貴様の実力見せてみろ!」
「お前どういうつもりだやん?それなら賭けにしやん!もし今回あたしが主導した状況下で、自然死するまで生き延びたら、お前は天界を裸で一周走ることになるやん!」
「もし事故で死んだら、貴様が裸で走る!」
「約束だから!ヌードで走る準備をしろやん、バカ!」
「どうして毎回こんな事になるんだろう…二人とも冷静になってよ…」