ダメ人間の僕はクソ神達の賭けるものとなる。

今年で30歳、もうおっさんと呼ばれるような年。
父は弁護士、母はファッションデザイナー、一つ下の弟は医者、五つ下の妹はイギリスで経済修士課程を学んでいる。家族のみんなは普通ではないけれど、僕は普通のサラリーマンだ。普通の仕事をしている独身。
他人からすれば普通の仕事だが、僕にとっては地獄だ。
毎日上司にいじめられ、同僚にハブられ。いたって普通の僕は…いや、何にも役立たない僕はただ我慢するしかない。
僕のようなダメ人間が独身なのは当たり前かもしれないが、実は理由がある。
3年前、元カノは僕を裏切って御曹司と付き合った。
そうだ。金の前では愛は商品だ。
僕はなんの価値もない人間だ。今日もこの世界の空気を無駄にしている。
そして、僕は死んだ。
これはたぶん、空気を無駄にした罰だ。