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悪役令嬢の私との婚約を、王子が破棄しないと私は断頭台に直行なのよ  作者: 田中 まもる
第八章 悪役令嬢マリア、伯爵家の秘密を探る
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039 悪役令嬢マリア、製鉄所に驚く

「あなたたちも非道ですよね。単に妻が欲しくて殺到した一般人を斬るなんて信じられません。しかも武器を持っていない非戦闘員に爆裂魔法を落とすなんて、人間には絶対に出来ないと私は思います」と鳥型魔人が私たちをディスっている。


 短剣を持って多数で襲って来たらそりゃ、身を守る行動を取るでしょう。 確かにマリッジって言葉は聞こえたけれど、結婚の申し込みとは思わないもの。


「まあね、興奮剤を撒いて気分を盛り上げた私にも少しだけ責任はあるとは思っていますけど」


「でも、ですよ。男性比率が九割という環境が根本的な問題なわけです。召喚したら男ばかり来る。女性はほとんど来ない。結果こうなったわけです。私が悪い訳ではないのですよ!」


 イヤ、興奮剤を撒いた時点でギルティー確定だと思うよ鳥型魔人さん。


 工場敷地内には電気自動車が走っている。本当にここはどこよって感じがする。


「皆さん、お食事がしたければ、二十四時間営業の食堂があるので、食べませんか? 私は親子丼を頼むつもりです」


 鳥型魔人さんには偽悪趣味があるのだろうか? それとも、共喰いってツッコミを入れてほしかったのだろうか?


「マリア、お前には毒は効かないから食事にしても良いのではないか? カレーの良い香がする。俺はカレーで頼むわ」


 確かに、こっちの世界に来てから嗅いだことのないカレーの匂いがする。


 鳥型魔人さんの後に続いて、工場内のまさにザ・食堂ってところに入った。食券を売っている。これでは食べられないなって思ったら、鳥型魔人さんがコイン一枚をなぜかガンダルフの分まで私たちに配ってくれた。


「私のこの食堂でのお勧めはチーズインハンバーグ定食です。ボタンはここです。ラーメンはここで、カレーはここです」って教えてくれた。私はディスプレイでわかった。完全に私が元いた世界にそっくりだ。


 鳥型魔人さんは宣言通り親子丼のボタンを押して丼のコーナーに行ってしまった。グラントとアメリーはどうしたものかと悩んでいる。


 毒薬についてはグラントの専門分野なので、どうにかなるとは思うけど。


「カレーは毒薬ぽいから二人はやめた方が良いと思います。ディスプレイで見る限りチーズインハンバーグはデミグラスソースなので美味しいとは思います。二人はチーズインハンバーグで、私とガンダルフはカレーにします」


 躊躇う二人のコインを私は奪って、食券を二枚購入し、私はカレーを選択した。


トレーをとって、私はスプーン、グラントとアメリーにはナイフとフォークをトレーに乗せて食券をおばちゃんの前に置くと、待ち時間なしでカレーとチーズインハンバーグ定食がトレーの上に置かれた。


 鳥型魔人さんはお茶を用意して場所取りをしてくれていた。親切な魔人さんだ。


 グラントとアメリーは料理を眺めている。毒気を気にしているのと、匂いが今まで嗅いだことのない匂いなので警戒をしている。


 ガンダルフの前にカレーを置くと、なぜかカレーが徐々に減って行く。ガンダルフって食事が出来るの?


 私も一口カレーを食べてみた。レトルトカレーでは絶対にでない味がする。マジで牛の骨から出汁を取っている。牛肉エキスで誤魔化していない本格的なカレーだ。


 グラントもついに覚悟を決めて、チーズインハンバーグを一口食べたら即二口目に入っていった。


「アメリー、毒は入っていないけど、食べたことのない触覚と味がする」


 アメリーも覚悟を決めて一口食べた「美味しい」


「どうすれば、お肉の中からチーズが出てくるのかしら。このソースは一体何から作っているのかしら? ワインとバターが入っているのはわかるのだけど……」


 ちなみにライスとパン、コンソーメスープとお味噌汁が選べたのだけど、私は二人が食べ慣れたパンをチョイしたお味噌汁は無理かもって、コンソーメスープをチョイスで正解だったようだ。


 鳥型魔人さんは、親子丼をゆっくり食べながら、ここでの楽しみは食事と食堂のおばちゃんだけだからね……」と聞かれもしないのにしゃべっている。


「あのう、あなたのお名前をお尋ねしたいのですが?」


「僕はイーグルだと思う。ホークではないはず」


「おっしゃてることが理解出来ないのですけど」


「イーグルって鷲のことだよね。、ホークは鷹なわけね」


「僕は自分のことをイーグルだと思っているのだけど、僕の友人たちは僕のことをホークだと思っている」


「ハア……」


「なので、僕はイーグルと呼ばれても返事をするし、ホークと呼ばれても返事をすることにしている。好きな方で呼べば良い。ちなみにイーグルはホークよりも大型の猛禽類に使う呼び名なのわかるかな」


 わかりません。


「では、イーグルさん、ここはどうして工業化されているのですか?」


「君って元異世界の人なんだね。ここのね世界は工業化が進み過ぎて、資源が枯渇してさ、資源を調達するために、あちこちに次元に穴をあけて、そこの資源をこっちの世界に取り込んでいるわけね。ただし制約があって、その穴からは無機物のみ入れる。または君たちみたいに、こっちに入る意思のある者だけが入れるわけね」


「なので、人間については召喚で輸入している。で、なぜか召喚される人間が、さっきも言ったように男性比率が九割なの。それで社会問題化してるわけなの」



「それとですね、僕は、鳥類が進化した世界から召喚されたわけ。最近は遺伝子操作によるキメラだと思う人が多くて困っているんだよ」


「ということは、爬虫類から進化した方も召喚されているわけですね」


「君ってラノベ作家並みに理解が早くて良いよ!」


「ありがとうございます。最高の褒め言葉です」


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