表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

彼女はトルネード

作者: 丘与式杞憂

 彼女はトルネードだ。

 そう言ってしまうと、トルネードに性別があるのか、それが分かるお前はハリケーンか何かなのか、などと野次が飛んできてしまうかもしれないが、私は何の変哲もない男子高生だし、そんな彼女もまた何の変哲もない女子高生である。

 トルネードというのは、あくまで比喩である。良く言えば天真爛漫、悪く言えばやかましい彼女は、私に多大な被害を与える。朝に顔を合わせるなり、挨拶と共に私の背中をばしばしと叩いてくるし、帰り道は事あるごとにジュースをたかってくるし、思い返せばよく私に絡んでくる。そんなにイジり甲斐がある人間ではないと思うのだが。

 彼女と接すると毎回、竜巻に何もかもを根こそぎ吹き飛ばされたかのような心境に陥ってしまう。有り体に言えば、スキンシップが激し過ぎて疲れてしまった。

 溜まりかねた私は彼女に『なぜこうも私に付きまとうのか』と尋ねた。

「あほか。こんなこと、好きな奴にしかしねーよ」

 彼女は私の腹に一発のパンチを残し、去っていった。打たれた部位を庇い、うずくまりながらも、私は彼女が頬を赤らめていたことを見逃さなかった。今までとは違う意味で、私の心は大きく荒らされていた。

 やはり彼女は、トルネードだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ