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2、共闘と魔法の力

戦闘シーンなんて初めて書きました。

難しいですね。伝われー!

「エレインは隠れてて! くそ、みんな! 無事でいてくれ!!」


 テッドは荷物を捨て、腰に携えていた剣を構え、一人村へ駆けていった。


「えっ、ちょっと!」


 エレインの声が遠くに聞こえる。


 村へ着くと、二十匹程のウルフの群れが、畑を襲っていた。中央広場では、村の男達が追い払うべく立ち向かっている。


「うおぉぉぉーーー!」


 テッドは、中央広場へ一直線に向かい、ウルフ目掛けて剣を振り切る。一太刀で一匹を、続けて二、三連と繰り出していき、次々に仕留めていく。


「「テッド!!」」

「来てくれたか!」


 何人かから安堵の声が聞こえる。一方のウルフたちは、テッドを脅威と見做したようだ。群れのボスが、テッドを目掛けて吠える。すると、畑を荒らしていた数匹が反応し、ボスの取り巻きを含め、七匹が襲い掛かる。


「くっ!」

 

(流石にこの数はきついな……。でも、弱音なんて吐いてられるか。)


 テッドは応戦しようと構える。


 

『ロックブレイク!』


 

 村の入り口の方から、声が響く。それに合わせて、無数の岩の刃が地面から突き出て、テッドを囲むウルフたちを串刺しにした。

 危険察知し、避けたのはボスのウルフだけだ。


「な、なんだ!?」

「ひぇぇーー!」


 混乱する村の衆。しかし、それ以上に戸惑っているのはウルフたちだ。


「なんでもいい! この機を逃すな、畳み掛けるぞ!!」


 テッドの号令に従って一斉に攻撃が降り注ぐ。手下のウルフは壊滅した。残るはボス、ただ一匹だけである。


「テッド!! 加勢するわ!…『ライトニング』」


 エレインが駆けてきた。そして、ある程度の距離を保って立ち止まると、杖を構え、短く何かを呟き、声を張り上げる。すると、杖の先から鋭い光が放たれた。ボスウルフには僅かに届かず、足元に刺さる。一瞬、怯ませはしたものの、傷は与えられていない。

 

 隙を与えたのはたかが一瞬に過ぎない。されど、その一瞬があれば充分だ。

 そう言わんばかりにテッドが一線を放つ。ボスの首が落ち、動かなくなる。勝敗は決した。


「お見事!!」

「そっちこそ、ナイスアシスト! てか、今の何?」


 二人の間で軽く言葉が交わされる。しかし、その後は、他の村人によってかき消される。


「勝ったぞーーー!!」

「俺たちの勝利だーー!!」

「どんなもんだい、魔物め、俺たちの強さを思い知ったか!!」

「宴じゃーーーーー!!!」


 最後に村長の掛け声がこだました。

 

 魔物との争いの後、力の残っている者たちは柵の修理に当たった。その他、女子供は、料理を作っていく。

 テッドとエレインは、その様子を見届け、村長の住む家に向かった。中には村長、そばにいるのは息子夫婦だろうか。2人間に孫と思われる小さな男の子が立っていた。


「村の守り手、テッドよ。よくぞ皆を守ってくれた。そして、そちらのお嬢さん。あなたの働きも大きいのじゃろう。わしはこのガナット村の村長をしておるガランと言う。皆を代表して、感謝申し上げる。」


「はい。それにしても、死者が出なくて何よりだよ。」

「当然のことをしたまでです。」


 テッドとエレインは各々答える。

 

「まったくじゃ。それからお嬢さんは謙遜なさらずに。その力、もしや魔導士様か。して、あなたのような方が、何故この村に?」


「王都へ向かう旅の途中でして、そちらのテッドに会い、この地に村があることを知りました。それで、一晩泊めて頂けないかと……」


「そんなことならお安い御用じゃよ。村の恩人を無碍には出来ませんしな。この後、ささやかながら宴を開かせて頂くので、楽しんでいきなされ。」


「はい!ありがとうございます。」


そうして……


「ふぅ、良かったなー。てか、助かったよ。さっきのって魔法ってやつ? すげーな!」


「えへへー。敢えて言うことでもないからと思ったらから言ってなかったけどね。私、魔導士なんだ!まぁ、分っかりやすい杖持ってるから、普通はすぐ気づかれるけど。」


「この村、魔法は一切関わりがないんだよ。だから、杖なんて持ってても何にも分かんないの。」


「ふーん。やっぱり辺境の方はこんなものよね。結界だけでも貼れたら安全なんだけど……」


「結界?」


「都会の方は、魔物を弾くバリアみたいなのが貼ってあるの。それで、ここにもあったらいいなぁって思うんだけど……、ないものねだりしても仕方ないよね。そういえば、私ってこれからどこにいたらいいの?」


「あぁ……どうだろう。旅の人に村の手伝いさせるのも気がひけるし。」


「だったら……今回怪我人っている? いたらそこに案内してくれない? 治すから。」


「治す……? 出来るのか?」


「ええ。治癒魔法が使えるの。」


「へぇー。魔法ってすげーな。」

 

「さっきもおんなじこと言ってたわよ。で、どうなの?」


「いるよ。行こっか。」


怪我人の集められた家に着くと、名乗り上げ、次々に傷を治していく。


「…『ヒール』ふぅ、これで全て終わりですか?」


「すげー。治ってやがる……」

  

「は、はい。ありがとうございます。」


「「「魔法すごーい。」」」

何人かが呟く。


そうして、日が暮れていった。

次回あたりでやっと序章が終わりそう……


評価については、ご自由にお願いします。

但し、辛辣なコメントは、私が泣いてしまうのでお控え願います。

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