1.始まりの合図
新年号が発表され世間は賑わいを見せながらも何処で闇はうごめいている。人々は笑顔の裏に闇を隠し、本質は決して表に出さないのである。
令和元年7月12日、また一つ新しい命が誕生した。その子の名前は『豪』である。彼は生まれてすぐ産声をあげ周囲を驚かせた。それ以上に周りを驚かせたのは彼の左手の甲には番号のような数字があり『1+』と書かれてあった。この数字を消そうと周囲の者は努力したが結局消えることはなかった。
『これは生まれつきのアザでたまたま数字のようにみえるだけ!』っと半ば強引に周囲は納得した。
豪が生まれてから一ヶ月後、新たに新しい命が誕生した。その子の名前は『瑠衣』である。その子もまた手の甲に番号があった。その数字は『9』である。
瑠衣が誕生したとき豪の出産の時にいた助産師がたまたま仕事をしていたため彼女は以前の事を思い出し驚いた。すぐにこの事は大学教授の耳に入り研究が行われたがこの番号が何なのかははっきり分からなかった。
その後、生まれてくる子は皆に数字があり『1』の子もいれば『2』の子など様々な数字で赤ちゃんが生まれた。
その事はもう不思議ではなくなり人々は好き勝手に説を唱えた。この数字の本当の意味を知りもしないのに、、、