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詩集「くらしいの歌」

角砂糖の妖精

作者: くらきしい

その指先で

そっと突き落として

深く沈めて 融かしてよ


夜の闇に震える

身体を抱いて眠らす

あなたが悪い人であることは

ちゃんとわかってるの

黒い爪で愛する

歪な夢さえ傷付いて


冷たくなった呼吸音だけが虚しく響いた

紅茶の香りも枯れていく

目覚まし時計と変わり果てた

苦味だけが残る


その指先で

そっと突き落として

深く沈めて 融かしてよ

今日は何を飲むの?

今日はどのお菓子?

くるくる混ぜて語ってくれた

あなたの声が聴きたいよ


起きなくなってしまった

眠ったままの城

蜘蛛の糸が絡まって

誰も彼も、名前を呼んであげない


ただの下僕の私に許されるなら

甘い紅茶を入れて

嫌われ者のあなたを呼び戻す

その役目を私にください


赤い目をこする

あなたに落とされていく

喜びに融かされる


















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