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D.N.A配列:ドラゴン  作者: 吾妻 峻
第七章 紅明王・フォンミンワン
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もたらされる/登田剛

剛、真夜、亜子は六華達と別れ、さらに西棟(ウェスト)側へと進んでいた。


「早く、逃げて……君たちに何かあったら、明崇君が悲しむじゃない」

――私も六華ちゃんも、顔向けできないよ。


高峰にああ言われて仕方なく。真夜も目の端に涙をためながら、それでも剛の指定した脱出ルートを移動している。


しかし剛の耳に。突然インカムからの声が届く。剛は思わずその足を止めてしまった。

「剛!?」

真夜が叫ぶ。亜子もせかす様な目を剛に向ける。

でもその声が、耳に入らない。


Bluetoothで接続した剛のイヤホン。そこにインカムから傍受した、途切れ途切れの音声が流れ込んでくる。 


『近……一、死亡……、ミーティング……半壊して、い。おそらく、(ニュオ)……が確認できず、三、明崇、のす……はない』


聞き取れる内容を要約するなら。


近衛一は、逝去。彼のいたミーティングルームは半ば壊滅。牛鬼の姿はそこにはなく、同様に――。


明崇の姿も確認できない。


そん、な……

先ほどから二十数個の警備部側、警護課とSIRGを含めたインカムに接続、無線を傍受できている中、明崇のインカムに“だけ”接続できない。接続不良かとも思っていたが、まさか……

「ッ……」

頼む、もう一回、もう一回だけ――

剛はイヤホンの、Bluetoothの接続を切った。


すると今度はパソコンから直に。その声が聞こえてくる。

『だ、れ』

この、声。間違いない――。

「アキ君ッ」

真夜と亜子が駆け寄ってくる。

「明崇なのか」

『アレ……なん、俺、生きて……』


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