表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
D.N.A配列:ドラゴン  作者: 吾妻 峻
第六章 牛頭羅・ニュオズォーラ
153/287

三日後/三位明崇

六華が心の内を話してくれたのは、昼休みになってからだった。


「やっぱり……あまり他の人に、聞かせられない内容かなって」


本人も冷静になったのか。待ち合わせ場所は屋上。明崇、真夜は勿論の事、剛と亜子も、話を聞きたいとのことだった。


「それで、話って」

明崇の問いかけに対し、六華はおずおずと、その口を開く。

「この前は、すごく曖昧なカンジになっちゃったけど」

明崇はこの前の、六華の涙を思い出す。


――私達を守って。


「本当に今すぐ、君たちの助けが必要っていうか……」

助け?今まさに、近衛家が危機に直面しているかのような言い方だ。

「私の父・近衛一は……現段階での近衛家の当主。それは勿論、知ってくれてると思うけど」

――その一方で政府の要職に、深く食い込んでいる。

要職?

「父は……(パパ)は。外交官なの」


――ここで問題です。


「九月中に、彼には大きな仕事があるの。外交官として、とても大切な仕事……さてそれは、一体何でしょう?」

え……?

外交官の仕事?外国に行く、とか?想像がつかない。自覚している。明崇は世間知らずというか……こういうのに疎いのだ。

その代わりに。明崇の右に控えていた剛が、ぽつりとつぶやいた。


――日中韓、首脳会議。


「当たり。鋭いね、登田クン」

日中韓首脳会議。確かに最近、ニュースでよく耳にする言葉だ。

「話し合われるのは……基本的に領土問題。尖閣諸島とかそこらへん。後は日中韓協力がどうとか」

――表向きは、ね。


「真の会議の目的は、アジアを中心とした鬼人勢力、その対策プランについて。牛頭羅の首領はその会議の妨害と対策プランの奪取を狙っているみたい。会議には私もついていくことになってる。十中八九、というか100%……奴は攻めてくる」


「いつ……ですかその、三カ国の首脳会議は」

六華が悲しげに微笑む。

「三日後。後三日で」


――近衛家と牛頭羅の戦争が始まるわ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ